<12月26日にイギリスで放送されるドキュメンタリー番組で、最愛の母とのやりとりについて語ったアン王女。イギリス王室で「最も働く王族」は何を語ったのか?>
エリザベス女王の唯一の娘であるアン王女が、12月26日にイギリスで放送される新しいドキュメンタリー番組で、エリザベス女王の葬儀の際に「安堵」したことを明らかにした。
チャールズ3世国王の2歳年下の妹であるアン王女は、2022年9月8日にエリザベス女王が逝去した際には、王室の中心メンバーを担った。
母であるエリザベス女王がスコットランドにある私邸・バルモラル城で逝去した際に一緒におり、スコットランドからウィンザー城まで女王の「最後の旅路」に同行し、セントジョージ礼拝堂での埋葬まで見守った。
■【写真】ホリールード宮殿に到着した女王の棺にカーテシーするアン王女 を見る
『チャールズ3世:戴冠の年(Charles III: The Coronation Year)』と題されたドキュメンタリーは、兄であるチャールズ国王即位の最初の年を追ったもので、アン王女が母の死についても語る珍しいインタビュー映像を収録しているという。
ビクトリア女王と夫のアルバート殿下が1852年に購入したスコットランドの私邸であるバルモラル城について、アン王女はそこで家族がいつも楽しんでいたと英「デイリー・テレグラフ」紙に語っている。
「私たちは若い頃からそこで多くの楽しい時間を過ごし、他のどこよりもおそらく自由な生活を送っていたかもしれません」
そして、次のように述べたという。
「母がバルモラル城で亡くなるとしたら、それがより複雑なことになると感じた瞬間がありました。そこで母にその決定過程に巻き込まれてはいけないと説得しようとしました。ですから最終的には、私たちがしたことが正しかったと感じてくれたことを願っています」
■【写真】エリザベス女王とアン王女が母娘で乗馬を楽しむ姿 を見る
インタビューの別の部分では、国葬が行われたウェストミンスター寺院での出来事や、セントジョージ礼拝堂での埋葬についても語り、棺の上に置かれた大英帝国王冠が下ろされたときの瞬間について語っているという。
「棺から王冠が下ろされるとき、私は何とも奇妙な安堵感を覚えました。何か、これで終わりだという感覚がありました。責任が移譲されたという感じです」
これまでもチャールズ国王がドキュメンタリーでカメラ撮影に応じた前例はある。
1969年には、エリザベス女王とエディンバラ公フィリップ殿下がドキュメンタリー映画『ロイヤル・ファミリー(Royal Family)』の撮影に1年間密着されていたことがあるが、王室がその著作権を保持しているため、再放送ができないという。
また、女王はその後も多くの密着ドキュメンタリーの撮影に応じており、1992年には再びドキュメンタリー『エリザベスR(Elizabeth R)』で1年間の撮影に応じ、2007年には5エピソードからなるシリーズ『モナーキー:王室の仕事(Monarchy: The Royal Family at Work)』のために取材を受けている。
そしてこれに続く形でチャールズ国王の次男ヘンリー王子も2022年12月にNetflixで「ハリー&メーガン」を独自にリリースしている。
今回、BBCがドキュメンタリー「チャールズ3世:戴冠の年」を王室の伝記作家ロバート・ハードマンと共同制作したことについて、王室専門家のリチャード・フィッツウィリアムズは本誌に次のように語った。
「チャールズ国王が即位した最初の年に関するドキュメンタリーは、戴冠式やそのリハーサルなどユニークな映像を含むものと思われます。それは歴史的記録の重要な一部分となるでしょう。そして、イギリス王室にとっては優れた広報活動となるでしょう。世界200カ国から100人を超える国家の代表者たちに関する歴史的な史料ともなります。これは特に興味深いです」
そして次のように続けた。
「この番組は一般市民に王室の日常活動や女王逝去後の出来事とその調整を垣間見る機会ともなります。私たちイギリス人は他に類を見ないほど注目されている王室を持っていますが、その報道の多くはゴシップであり、憶測です。しかし、今回の番組はイギリス国内だけで1800万人が視聴した戴冠式の未公開映像を含む、貴重なドキュメンタリーです。これは世界中の視聴者をも惹きつけるでしょう」
■【写真】戴冠式にて軍服姿で騎馬隊を率いて兄に仕えた「麗人」アン王女 を見る
エリザベス女王逝去とアン王女
POOLNew-REUTERS
2022年9月11日、スコットランドのホリールードハウス宮殿に到着した女王の棺にカーテシーするアン王女。
POOLNew-REUTERS
2022年9月14日、バッキンガム宮殿で兄のチャールズ新国王と甥のウィリアム新皇太子とともに女王の棺に敬礼する、軍服姿のアン王女。
JC Cuellar-shutterstock
2022年9月14日、女王の棺に随行するアン王女と兄のチャールズ国王らイギリス王室メンバー。
戴冠式にて軍服姿で騎馬隊を率いて兄に仕えたアン王女
The King's bodyguard, Princess Anne, follows His Majesty's carriage alongside the Colonel of the Coldstream Guards and the Master of the Horse.#Coronation pic.twitter.com/XpQoVmhjuk— Royal Central (@RoyalCentral) May 6, 2023
■【関連記事】世界がくぎづけとなった、アン王女の麗人ぶり を読む
POOLNew-REUTERS
エリザベス女王とアン王女
Dan Chung-REUTERS
2002年、ウィンザー城で乗馬を楽しむエリザベス女王とアン王女の母娘。
JohnSibley-REUTERS
2019年の「ロイヤル・アスコット」で同じ馬車に乗ったエリザベス女王とアン王女の母娘。
Angela Rogers Photography-shutterstock
2022年6月、エリザベス女王の即位70年を祝う「プラチナジュビリー」でも軍服姿で騎馬隊の一員として母に仕えたアン王女。
エリザベス女王の唯一の娘であるアン王女が、12月26日にイギリスで放送される新しいドキュメンタリー番組で、エリザベス女王の葬儀の際に「安堵」したことを明らかにした。
チャールズ3世国王の2歳年下の妹であるアン王女は、2022年9月8日にエリザベス女王が逝去した際には、王室の中心メンバーを担った。
母であるエリザベス女王がスコットランドにある私邸・バルモラル城で逝去した際に一緒におり、スコットランドからウィンザー城まで女王の「最後の旅路」に同行し、セントジョージ礼拝堂での埋葬まで見守った。
■【写真】ホリールード宮殿に到着した女王の棺にカーテシーするアン王女 を見る
『チャールズ3世:戴冠の年(Charles III: The Coronation Year)』と題されたドキュメンタリーは、兄であるチャールズ国王即位の最初の年を追ったもので、アン王女が母の死についても語る珍しいインタビュー映像を収録しているという。
ビクトリア女王と夫のアルバート殿下が1852年に購入したスコットランドの私邸であるバルモラル城について、アン王女はそこで家族がいつも楽しんでいたと英「デイリー・テレグラフ」紙に語っている。
「私たちは若い頃からそこで多くの楽しい時間を過ごし、他のどこよりもおそらく自由な生活を送っていたかもしれません」
そして、次のように述べたという。
「母がバルモラル城で亡くなるとしたら、それがより複雑なことになると感じた瞬間がありました。そこで母にその決定過程に巻き込まれてはいけないと説得しようとしました。ですから最終的には、私たちがしたことが正しかったと感じてくれたことを願っています」
■【写真】エリザベス女王とアン王女が母娘で乗馬を楽しむ姿 を見る
インタビューの別の部分では、国葬が行われたウェストミンスター寺院での出来事や、セントジョージ礼拝堂での埋葬についても語り、棺の上に置かれた大英帝国王冠が下ろされたときの瞬間について語っているという。
「棺から王冠が下ろされるとき、私は何とも奇妙な安堵感を覚えました。何か、これで終わりだという感覚がありました。責任が移譲されたという感じです」
これまでもチャールズ国王がドキュメンタリーでカメラ撮影に応じた前例はある。
1969年には、エリザベス女王とエディンバラ公フィリップ殿下がドキュメンタリー映画『ロイヤル・ファミリー(Royal Family)』の撮影に1年間密着されていたことがあるが、王室がその著作権を保持しているため、再放送ができないという。
また、女王はその後も多くの密着ドキュメンタリーの撮影に応じており、1992年には再びドキュメンタリー『エリザベスR(Elizabeth R)』で1年間の撮影に応じ、2007年には5エピソードからなるシリーズ『モナーキー:王室の仕事(Monarchy: The Royal Family at Work)』のために取材を受けている。
そしてこれに続く形でチャールズ国王の次男ヘンリー王子も2022年12月にNetflixで「ハリー&メーガン」を独自にリリースしている。
今回、BBCがドキュメンタリー「チャールズ3世:戴冠の年」を王室の伝記作家ロバート・ハードマンと共同制作したことについて、王室専門家のリチャード・フィッツウィリアムズは本誌に次のように語った。
「チャールズ国王が即位した最初の年に関するドキュメンタリーは、戴冠式やそのリハーサルなどユニークな映像を含むものと思われます。それは歴史的記録の重要な一部分となるでしょう。そして、イギリス王室にとっては優れた広報活動となるでしょう。世界200カ国から100人を超える国家の代表者たちに関する歴史的な史料ともなります。これは特に興味深いです」
そして次のように続けた。
「この番組は一般市民に王室の日常活動や女王逝去後の出来事とその調整を垣間見る機会ともなります。私たちイギリス人は他に類を見ないほど注目されている王室を持っていますが、その報道の多くはゴシップであり、憶測です。しかし、今回の番組はイギリス国内だけで1800万人が視聴した戴冠式の未公開映像を含む、貴重なドキュメンタリーです。これは世界中の視聴者をも惹きつけるでしょう」
■【写真】戴冠式にて軍服姿で騎馬隊を率いて兄に仕えた「麗人」アン王女 を見る
エリザベス女王逝去とアン王女
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2022年9月11日、スコットランドのホリールードハウス宮殿に到着した女王の棺にカーテシーするアン王女。
POOLNew-REUTERS
2022年9月14日、バッキンガム宮殿で兄のチャールズ新国王と甥のウィリアム新皇太子とともに女王の棺に敬礼する、軍服姿のアン王女。
JC Cuellar-shutterstock
2022年9月14日、女王の棺に随行するアン王女と兄のチャールズ国王らイギリス王室メンバー。
戴冠式にて軍服姿で騎馬隊を率いて兄に仕えたアン王女
The King's bodyguard, Princess Anne, follows His Majesty's carriage alongside the Colonel of the Coldstream Guards and the Master of the Horse.#Coronation pic.twitter.com/XpQoVmhjuk— Royal Central (@RoyalCentral) May 6, 2023
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エリザベス女王とアン王女
Dan Chung-REUTERS
2002年、ウィンザー城で乗馬を楽しむエリザベス女王とアン王女の母娘。
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2019年の「ロイヤル・アスコット」で同じ馬車に乗ったエリザベス女王とアン王女の母娘。
Angela Rogers Photography-shutterstock
2022年6月、エリザベス女王の即位70年を祝う「プラチナジュビリー」でも軍服姿で騎馬隊の一員として母に仕えたアン王女。