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T90M戦車への自爆攻撃をFPVドローンが3方向から捉えた──戦車の迷走と乗員の脱走まで

ニューズウィーク日本版 2023年12月28日 18時40分

<ウクライナ軍のFPVドローンがロシア軍の最新型戦車T90Mに突っ込んでいく様子を捉えた>

ロシア軍の主力戦車T90Mが、ウクライナ軍のドローン(無人航空機)攻撃を受けて迷走し、乗員が戦車を置き去りにして逃げる様子を捉えた新たな動画が注目を集めている。

<動画>ドローン攻撃で迷走するT90M、ほうほうの体で次々に逃げ出す乗員

  

インターネット上で拡散されているこの動画は、ウクライナ軍の地上部隊が12月26日に投稿したもので、ウクライナ軍のFPVドローンがロシア軍の最新型戦車T90Mに突っ込んでいく様子を捉えたもののようだ。

左右に分かれた画面のうち、左の画面の左上隅にはT90Mに突っ込んでいく攻撃用ドローンのカメラから撮影した映像が出る。左の画面全体には同じ光景を横から映した映像が出る。右の画面は、別のドローンが被弾したT90Mを上空から撮影した映像だ。攻撃したのは、ウクライナ軍第47独立機械化旅団とされている。

第47独立機械化旅団は、欧米から供与された主力戦車「レオパルト2A6」などの兵器を運用する精鋭部隊として知られており、ウクライナ東部ドネツク州の要衝アウディーイウカに投入されている。以前はウクライナ南部ザポリージャ州周辺に配備され、ロシア軍と激しい戦闘を展開してきた。

同旅団のドミトロ・ラズトキン報道官は12月に入って本誌に対し、第47独立機械化旅団がアウディーイウカ北部周辺に配備されたと述べ、ウクライナ軍にはもっと多くのFPVドローンや弾薬が必要だとも主張した。

FPVドローンが活躍

ウクライナ軍は安価な自爆型FPVドローンをきわめて効果的に使用している。ウクライナのドローンの第一人者であるミハイロ・フェドロフ副首相兼デジタル改革担当相は、オペレーターがドローンと同じ視界を共有し、デジタル端末で容易に操作できるFPVドローンはウクライナ国内の戦場において急速に「ゲームチェンジャー」となっており、ロシア軍の数多くの武器を破壊していると述べた。

フェドロフは12月前半に本誌の取材に対し、「FPVドローンは時に迫撃砲よりも有効だ」と述べ、さらにこうつけ加えていた。「使われている技術自体はとても簡単なものだが、FPVドローンはまさに技術革命そのものであり、非常に有能だ」

エリー・クック

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