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「これからは女王の時代」...ヨーロッパ王室の6人のプリンセスたち

ニューズウィーク日本版 2024年1月3日 9時20分

<デンマークのマルグレーテ2世女王の退位が電撃発表され、1月14日をもって世界から女王はいなくなる。しかし、ヨーロッパ王室は頼もしく美しい「未来の女王」がたくさんいる>

2023年12月31日、大晦日の恒例スピーチでデンマークのマルグレーテ2世女王の退位が発表された。エリザベス女王逝去後は唯一の女王であったが、次期君主は長男フレデリック王太子。そのため、世界から女性君主はいなくなる。

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しかし、ヨーロッパ王室を見渡せば、これからは女王の時代。スウェーデンのヴィクトリア王太子と娘エステル王女、スペイン王室のレオノール王女、ベルギーのエリザベート王女、オランダのカタリナ=アマリア王女、そしてノルウェーのイングリッド・アレクサンドラ王女と、ほぼ同世代の「未来の君主たち」を一挙紹介。

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スウェーデン・ヴィクトリア王太子とエステル王女

左よりヴィクトリア王太子と娘のエステル王女、夫のダニエル王子 Ritzau Scanpix Denmark-REUTERS

他のヨーロッパ王室の「未来の女王」たちよりも二回り以上年上のヴィクトリア王太子は現在46歳。

カール16世グスタフ国王とシルヴィア王妃の第1子として1977年に生まれたヴィクトリア王女は、生まれながらにしての「未来の君主」ではない。

当時、スウェーデンでは王位継承権は男子のみだったため、1979年生まれの弟カール・フィリップ王子が国王になる予定だった。しかし、1980年に王位継承法改正により最長子相続制を採用し、ヴィクトリア王女は3歳で王太子となっている。

大学で国際関係論を学びながらスウェーデン外務省や国連で働いていた王太子だが、プライベートでは拒食症と闘っていた。そんな時に支えていたのがパーソナルトレーナーで現在の夫であるダニエル王子である。

王女との「身分違いの恋」への批判の声は大きかったが、次第に認められて2010年に結婚。翌年2011年には、同じく後継者となるエステル王女、そして2016年にオスカル王子が誕生している。また、ヴィクトリア王太子とエステル王女の「お揃いファッション」にも注目が集まっている。

スペイン・レオノール王女

Marta Fernandez Jimenez-shutterstock

レオノール王女は、2005年にフェリペ王太子(当時)とレティシア妃(当時)の長女として誕生。現在でもスペインの王位継承法は男子優先長子相続制であるが、2014年に父が国王に即位した時点で王位継承者とされてきた。

そして昨年2023年10月に18歳の誕生日を迎えて成人し、スペイン憲法への忠誠を誓って正式に王位継承者になった。1868年まで在位したイサベル2世女王以来、約2世紀ぶりのスペイン女王となることが約束されている。

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2023年9月に父フェリペ国王と同じく陸軍士官学校に入学したレオノール王女は3年にわたり陸、海、空の3軍で学び、その後、父同様に法律を学ぶとみられている。

内気で控えめな王女として知られているが、成人の祝賀の席では親しみやすくも堂々と落ち着いた姿もキャッチされており、「未来の女王」への期待が高まる。またヨーロッパ王室でも有名な母レティシア王妃譲りのファッションセンスにも注目が集まっている。

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ベルギー・エリザベート王女

2023年10月デンマークのクリスチャン王子の18歳の誕生日の祝いの席で Ritzau Scanpix Denmark-REUTERS

ベルギーのフィリップ王太子(当時)とマチルド王太子妃(当時)の長女として2001年に誕生したエリザベート王女は、祖父であるアルベール2世国王の退位を受けて、2013年に父が国王に即位。

1991年の憲法改正で長子継承制に変更されたため、エリザベート王女は王位継承順位第1位の王太子となり、ベルギー初の女王になることが決まっている。

2020年、父も学んだベルギー王立軍学校に入学し、現在はオックスフォード大学リンカーン・カレッジで政治学と歴史学を専攻する才女の王女は、あまり公の場には出てこない。しかし、昨年2023年10月に22歳の誕生日を祝う写真を王室の公式SNSで公開したことが話題となった。

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ベルギーメディアの調査によると、その誠実で飾らない王女への評価は父である国王よりも高いとも言われ、ベルギー初の女王誕生に期待が高まっているという。

オランダ・カタリナ=アマリア王女

2023年10月、カタリナ=アマリア王女(左)とベルギーのエリザベート王女(右)が揃ってデンマークのクリスチャン王子の誕生日の祝いの席に Ritzau Scanpix Denmark-REUTERS

カタリナ=アマリア王女はウィレム=アレクサンダー王太子(当時)とマキシマ王太子妃(当時)の長女として2003年に誕生。2013年に祖母のベアトリクス女王の退位によって父が国王が即位、それにともない王位継承者となった。

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2021年に高校を卒業し、1年のギャップイヤーを国内外で過ごし、NGOでインターンも経験。2022年にアムステルダム大学に入学し、政治学や心理学などを専攻する予定だった。しかし、犯罪組織「モクロ・マフィア」による脅迫で大学生活の中断を余儀なくされ、現在は王宮のあるハーグに戻っているといわれる。

その後、公の場で姿を見せることはほとんどなくなっていた王女だが、2023年初めに国民と警備スタッフの支援に感謝する声明を出している。

また、2023年9月の「王子の日(Prinsjesdag/プリンセスダッハ)」の祝典でエレガントな衣装で公の場に姿を現したほか、同年10月に行われたデンマークのクリスチャン王子の18歳の祝賀式典にベルギーのエリザベート王女とともに参列したことも話題になった。

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ノルウェー・イングリッド・アレクサンドラ王女

2022年1月 18歳の誕生日の祝賀の席でのイングリッド・アレクサンドラ王女 NTB-REUTERS

ホーコン王太子とメッテ=マリット王太子妃の第1子として2004年に誕生したイングリッド・アレクサンドラ王女は現在、父に次ぎ王位継承順位第2位。1990年の憲法改正により王位継承順位は長子優先となったため、ノルウェー初の女王になる予定だ。

2023年10月に行われたデンマークのクリスチャン王子の18歳の誕生日の祝いの席で王子の家族以外で同じテーブルについたのがイングリッド・アレクサンドラ王女。そのため2人の交際が噂されているが、実際には2人は幼馴染みで、その祝いの席には両親とともに出席している。

2023年10月、両親とともにデンマークのクリスチャン王子の誕生日の祝賀の席に出席したイングリッド・アレクサンドラ王女(右) Ritzau Scanpix Denmark-REUTERS

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