<北朝鮮の新型ドローンは、米空軍が誇る「グローバルホーク」や「リーパー」に外見が酷似している。設計情報はどこからきたのか、またその性能は>
北朝鮮で放送された新しいドキュメンタリー番組の中で、金正恩総書記が最新の新型ドローン2機を視察する様子が自慢げに紹介されたが、それがどちらも米空軍の有名なドローンと瓜二つで話題になっている。
【画像】北朝鮮が丸々パクった米軍の最強ドローン、本物と比べてみた
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビ(KCTV)は1月15日、新型兵器に深い関心を示す最高指導者を放送した。狙撃用ライフルを試し撃ちしたり、装甲兵員輸送車を運転する姿もある。場所は明らかにされていないが、いずれも昨年の映像だという。
韓国がアメリカおよび日本と防衛協力を強化していることを受けて、北朝鮮はこの数カ月、韓国に対する敵対姿勢を強めている。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は15日、北朝鮮が極超音速弾頭を搭載した弾道ミサイルの発射実験を行い、成功したと報道した。北朝鮮が2023年に行ったミサイル発射の回数は、過去2番目に多かった。北朝鮮ウォッチャーたちは、2024年は金が実際の武力行使を通じて、緊張をエスカレートさせる可能性があると警告している。
イランから情報を得たか
KCTVとKCNAは、金による「新型ドローン」について直接言及していないが、これらのドローンは米空軍が保有する偵察ドローン、RQ-4グローバルホーク(米ノースロップ・グラマン社製)と最強の攻撃ドローン、MQ-9リーパー(米ジェネラル・アトミクス社製)に外見が酷似している。
北朝鮮の2機のドローンは、2023年7月に開かれた武装装備展示会と軍事パレードの場で初めてお披露目された。膨らんだ形の機体がグローバルホークにそっくりな「セッピョル4」は、グローバルホークと同じ偵察機。「セッピョル9」はリーパーと同じ攻撃ドローンだ。
英シンクタンク「国際戦略研究所」のジョセフ・デンプシー国防研究員は、2023年8月の分析の中で、「セッピョル」はアメリカのドローンとよく似てはいるものの、性能の点では劣る可能性が高いと指摘。それでもその外見からは、諜報収集や偵察の能力を強化したいという北朝鮮の願望が見て取れると述べた。
デンプシーは、北朝鮮とイランが防衛技術面で協力関係にあることから、イランが北朝鮮にグローバルホークに関する情報を提供した可能性が高いと推測する。イラン革命防衛隊は2019年、ホルムズ海峡上空で米軍のグローバルホークを撃墜している。
北朝鮮空軍が20年ぶりに導入した戦闘即応性を持つ航空機である「セッピョル9」は、滑空爆弾や空対地ミサイルをはじめとするさまざまな兵器を搭載できるように設計されている。
アメリカの北朝鮮分析サイト「38ノース」のアナリストらも、北朝鮮のドローンは性能面では米軍のドローンに劣るのではないかとみる。だが2023年8月の報告書によれば、たとえ性能面で劣るとしても、これらのドローンをかなりの数で配備すれば、北朝鮮が戦略的な優位性を得られる可能性はあるとしている。
KCNAは16日、北朝鮮の最高人民会議が、韓国との和解を促進する複数の機関の廃止を決定したと報じた。この中には、韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会も含まれている。
アナリストのロバート・カーリンとシーグフリード・ヘッカーは今月、38ノースに提供した新たな報告書の中で、金は朝鮮半島で「戦争を起こす決断」を下したとの見方を示した。
アーディル・ブラール
北朝鮮で放送された新しいドキュメンタリー番組の中で、金正恩総書記が最新の新型ドローン2機を視察する様子が自慢げに紹介されたが、それがどちらも米空軍の有名なドローンと瓜二つで話題になっている。
【画像】北朝鮮が丸々パクった米軍の最強ドローン、本物と比べてみた
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビ(KCTV)は1月15日、新型兵器に深い関心を示す最高指導者を放送した。狙撃用ライフルを試し撃ちしたり、装甲兵員輸送車を運転する姿もある。場所は明らかにされていないが、いずれも昨年の映像だという。
韓国がアメリカおよび日本と防衛協力を強化していることを受けて、北朝鮮はこの数カ月、韓国に対する敵対姿勢を強めている。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は15日、北朝鮮が極超音速弾頭を搭載した弾道ミサイルの発射実験を行い、成功したと報道した。北朝鮮が2023年に行ったミサイル発射の回数は、過去2番目に多かった。北朝鮮ウォッチャーたちは、2024年は金が実際の武力行使を通じて、緊張をエスカレートさせる可能性があると警告している。
イランから情報を得たか
KCTVとKCNAは、金による「新型ドローン」について直接言及していないが、これらのドローンは米空軍が保有する偵察ドローン、RQ-4グローバルホーク(米ノースロップ・グラマン社製)と最強の攻撃ドローン、MQ-9リーパー(米ジェネラル・アトミクス社製)に外見が酷似している。
北朝鮮の2機のドローンは、2023年7月に開かれた武装装備展示会と軍事パレードの場で初めてお披露目された。膨らんだ形の機体がグローバルホークにそっくりな「セッピョル4」は、グローバルホークと同じ偵察機。「セッピョル9」はリーパーと同じ攻撃ドローンだ。
英シンクタンク「国際戦略研究所」のジョセフ・デンプシー国防研究員は、2023年8月の分析の中で、「セッピョル」はアメリカのドローンとよく似てはいるものの、性能の点では劣る可能性が高いと指摘。それでもその外見からは、諜報収集や偵察の能力を強化したいという北朝鮮の願望が見て取れると述べた。
デンプシーは、北朝鮮とイランが防衛技術面で協力関係にあることから、イランが北朝鮮にグローバルホークに関する情報を提供した可能性が高いと推測する。イラン革命防衛隊は2019年、ホルムズ海峡上空で米軍のグローバルホークを撃墜している。
北朝鮮空軍が20年ぶりに導入した戦闘即応性を持つ航空機である「セッピョル9」は、滑空爆弾や空対地ミサイルをはじめとするさまざまな兵器を搭載できるように設計されている。
アメリカの北朝鮮分析サイト「38ノース」のアナリストらも、北朝鮮のドローンは性能面では米軍のドローンに劣るのではないかとみる。だが2023年8月の報告書によれば、たとえ性能面で劣るとしても、これらのドローンをかなりの数で配備すれば、北朝鮮が戦略的な優位性を得られる可能性はあるとしている。
KCNAは16日、北朝鮮の最高人民会議が、韓国との和解を促進する複数の機関の廃止を決定したと報じた。この中には、韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会も含まれている。
アナリストのロバート・カーリンとシーグフリード・ヘッカーは今月、38ノースに提供した新たな報告書の中で、金は朝鮮半島で「戦争を起こす決断」を下したとの見方を示した。
アーディル・ブラール