Infoseek 楽天

アゾフ旅団がロシア軍陣地を「闇討ち」...暗視カメラが捉えた緊迫の戦闘シーン

ニューズウィーク日本版 2024年2月21日 12時50分

<敵陣での大胆な攻撃の様子を捉えた暗視カメラの映像を、アゾフ旅団がテレグラムに公開した>

ウクライナの旅団が、敵陣でロシア軍に夜襲をかけているとみられる動画が公開された。

【動画】アゾフ旅団がロシア軍を背後から「闇討ち」...暗視カメラが捉えた緊迫のシーン(閲覧注意)

ウクライナのアゾフ旅団がテレグラムに投稿したこの動画は、第12特務旅団の兵士が暗視カメラで撮影したもので、至近距離からの大胆な攻撃により、複数のロシア兵が殺害されているように見える。

動画のキャプションには「敵の背後から奇襲を仕掛けた」と書かれている。この動画が、いつどこで撮影されたかは分かっていない。

ウクライナ軍は2月19日付の最新報告で、ロシア軍は1日で1290人の兵士を失ったと述べた。1日の死傷者数としては、2024年に入って最大となる。

ウクライナ軍参謀本部は、日々更新される報告において、ロシア軍の兵士と装備の損失に関する数字を発表している。2月19日付の最新報告によれば、ロシア軍は過去24時間で1290人の兵士を失い、死傷者数の合計が40万3720人となった。

さらにこの報告は、ロシア軍は開戦以来、6498両の戦車、1万2232両の装甲戦闘車両、9733基の自走榴弾砲、336機の軍用ジェット機を失ったとしている。本誌はこれらの数字について、独自に検証することはできなかった。

ロシアの波状攻撃を阻止

死傷者数の見積もりは情報源によってさまざまだ。ウクライナの数字は通常、西側同盟諸国の数字を上回っている。ロシアは自国の死傷者数に関する情報をほとんど公表していない。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は22年9月、開戦以来5927人の兵士が命を落としたと発表した。BBCワールドサービスのロシア語版によれば、国防省はその後、3回にわたって死傷者数を報告しており、さらに162人の兵士が失われたことを認めている。

ウクライナもロシアと同様、自国の死傷者数に関する情報を提供していない。23年4月にリークした米国防情報局(DIA)の評価によれば、ウクライナは12万4500〜13万1000人の死傷者を出しており、そのうち1万5500〜1万7500人が死亡したとされている。

ショイグは23年12月、ウクライナは開戦以来38万3000人以上の兵士を失ったと述べている。本誌はこれらの数字についても、独自に検証することはできなかった。

アメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)は18日、ウクライナでの衝突に関する最新分析において、ロシア軍は現在、少なくとも3つの攻撃作戦を実行していると報告した。その1つは、ウクライナ南部ザポリージャ州の重要な村であるロボティネ付近であり、ウクライナはロシアの波状攻撃を阻止したと発表している。

ウクライナの戦略コミュニケーション・センター(StratCom)は18日にテレグラムで、ロシア軍はロボティネにあるウクライナ軍の拠点を攻撃しようと「10回試みたが失敗した」と述べている。

一方、ドネツク州の要塞都市アウディーイウカでは、数カ月にわたる戦闘の末、ウクライナが撤退を発表した。ロシア側は、この地域を完全に掌握したと宣言している。

(翻訳:ガリレオ)

イザベル・ファン・ブリューゲン

この記事の関連ニュース