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米大統領選、バイデンが撤退ならミシェル・オバマが有力!

ニューズウィーク日本版 2024年2月22日 17時31分

<高齢による健康不安説がつきまとうバイデンの代わりは誰? 賭け事大好きなイギリス人が民主党候補として白羽の矢を当てた>

今秋の米大統領選で再選を目指す現職のジョー・バイデンがもしも選挙戦から撤退したら──その場合、大手ブックメーカーが公開したオッズによると、民主党の指名候補として最も有力視される人物はミシェル・オバマ元大統領夫人だ。もっとも、本人は今のところ出馬の意向などさらさらなさそうだが......。

英オンラインブックメーカー大手のベットフェアーは、米大統領選での民主党予備選の勝者を当てるベットを行っている。今のところバイデンのオッズは4/9で、賭け参加者の支持率は69%だ。

民主党の指名争いは2月3日にサウスカロライナ州で実施された初戦で幕を開け、現在81歳で、現役の米大統領としては史上最高齢記録を更新中のバイデンが圧勝。続くネバダ州でも難なく圧勝し、党全国委員会ともめて非公認のまま強行されたニューハンプシャー州の予備選でも圧倒的支持を勝ち取った。なにしろ民主党の指名候補に名乗りを上げているのは、今のところバイデンを除けば、2人の泡沫候補だけで、既に1人は撤退を表明しているありさまなのだ。

  

出馬を諦めるとの憶測も

とはいえバイデンは高齢ゆえの健康不安説に加え、最近ではアンゲラ・メルケル独前首相の名をその2代前の故ヘルムート・コール元首相と言い間違えるなど、公の場での失態が相次いで報じられている。職務全うは困難とみる向きも多く、本人もそれを認めて、大統領選から撤退するのではないかとの憶測も飛び交っている。

その場合、最も有力な候補者は誰か。ベットフェアーによると、賭け事好きのイギリス人が民主党の指名候補として有力視している人物のランキングでは、バイデンに次いでミシェルが2位で、オッズは8/1(支持率約11%)。その後はカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム12/1(7.7%)、カマラ・ハリス副大統領15/1(6.3%)、ミシガン州知事のグレッチェン・ウィトマー74/1(1.3%)、エリザベス・ウォーレン上院議員79/1(1.3%)、ヒラリー・クリントン94/1(1.1%)と続く。

ベットフェアーのサム・ロズボトム広報担当によると、同社のベットでは、当初はバイデンに賭けていたものの、知的な適性に問題ありとみて、他候補に賭けることにした参加者も多いという。

「4年前の米大統領選を振り返ると、予備選が始まった段階ではバイデンは大統領選本戦はおろか、民主党の指名争いでも勝ち目なしとみる人が多かった」と、ロズボトムは本誌に明かした。

「今回は、民主党予備選では現職が有利なことがはっきりしている。予備選のバイデン勝利のオッズは4/9と非常に低い」つまり、勝率が非常に高いとみられているということだ。

「だが今後4年間、大統領職を全うできるのか。最近の報道や分析を見て、賭けの参加者は『これじゃ、無理かも』と思い、バイデンが降りた場合に備えて、めぼしい人物に乗り換えつつある」

この状況で、急浮上したのがミシェル・オバマだと、ロズボトムは言う。「今年の年明けにはオッズは22/1だったが、今や8/1だ。ギャビン・ニューサムは一時期オッズ5/1と有力視されていたが、今では12/1まで評価が下がっている」

本誌はこれについてバラクとミシェルのオバマ夫妻のオフィスとミシェル・オバマの広報担当者、及びバイデンの選挙対策本部にメールでコメントを求めている。

他のブックメーカーの賭けでも、参加者は同じような予想をしている。

  

次期大統領選が「怖い」

とはいえ、ミシェルが出馬の考えを仄めかしたことはない。オバマ元大統領の上級顧問を務めた政治コンサルタントのデービッド・アクセルロッドはCNNに対し、彼女は政界進出に全く興味がなく、予備選出馬の可能性は「来年私がボリショイ・バレエで踊っているのと同じ程度しかない」と語った。

ミシェルは今年1月、元僧侶でベストセラーの思考術本の著者ジェイ・シェティのポッドキャスト「オン・パーパス」に出演し、次期大統領選で「何が起きるかを考えると、とても怖い」と、深い懸念を表した。

バイデンが副大統領の任期満了時に機密文書を自宅に持ち帰った疑惑について捜査を行っていた米司法省のロバート・ハー特別検察官は今年2月に入り、裁判になれば陪審員は彼を「記憶力の衰えた老人」と見なすだろうと述べて、バイデンの訴追を見送る方針を発表した。バイデンはこの発言に強く反発し、記者会見で「私の記憶力は確かだ」と断言した。



ジェームズ・ビッカートン

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