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ウクライナの拠点に突撃したロシア軍部隊に混じっていた中国製「ゴルフカート」を動画で初確認

ニューズウィーク日本版 2024年3月5日 16時15分

<武器の損耗が激しいロシア軍が頼っているのが「友好国」中国の兵器。「ゴルフカート」と呼ばれる全地形対応車もその一つだ>

ウクライナ東部ドネツク州のリマン近郊で、ロシア軍が中国製の全地形対応車「デザートクロス1000-3」(通称「ゴルフカート」)を使ってウクライナ軍の拠点を襲撃したことが、ウクライナ軍が公開した動画で明らかになった。

この動画は3月4日、ウクライナ陸軍の第60独立機械化旅団によって公開された。第60独立機械化旅団は、3波にわたる「ロシアの大規模攻撃」を撃退したと述べている。ドローンで空から撮影したこの動画には、ウクライナ軍がロシア軍の車両を遠くから狙う様子が映っている。

【動画】ロシアの突撃部隊に混じっていた場違いな中国製「ゴルフカート」はショイグがプーチンに売り込んでいた

ドネツク州では戦闘が激化しており、ロシア軍は、部分的に占領しているこの地域を完全に掌握しようとしている。ウクライナは2月、数カ月にわたる戦闘の末、アウディーイウカという小都市から撤退。ボロディミル・ゼレンスキー大統領は、兵士の命を守るための決断だと説明した。以来、ロシアは一帯を完全に掌握したと述べている。ロシアにとっては、過去数カ月で最大の勝利だ。

第60独立機械化旅団は、以下のように述べている。「ロシアは、戦車、歩兵戦闘車、人力、さらには(ロシア国防相セルゲイ・)ショイグの中国製『ゴルフカート』まで使った。このゴルフカートは、ショイグが(ロシア大統領のウラジーミル・)プーチンに対して、防衛産業の新しい新技術として紹介したものだ」

「逃げられなかったものはすべて、ウクライナの地に鉄くずとして転がっている。われわれは怪物をすべて駆逐する。そうすればこの土地は再び清浄になり、花を咲かせるだろう!」

さらに1600台を注文

ウクライナの軍事系メディア、ミリタルヌイによれば、ロシア軍は2023年秋以降、中国製の全地形対応車デザートクロス1000-3を使用している。ロシア軍はしばらく前からデザートクロス1000-3を前線に投入しているが、突撃作戦への参加が記録されたのは今回の動画が初めてだという。

また、ウクライナにいるロシア軍はこの車両をすでに530台保有しているが、さらに1600台購入する契約を結んでいる、とミリタルヌイは補足する。

ウクライナとロシアの双方が多くの兵士と装備を失っているが、特にドネツク州ではその程度が激しい。

オープンソース・インテリジェンス(OSINT)アカウントのOSINTテクニカルは2月28日、ロシアの装甲兵員輸送車(APC)「BTR-80」2台が、地雷を踏んで同時に爆発したように見える動画を公開した。

OSINTテクニカルは、ドネツク州のステポベ村で、ロシアの「BTR-80」2台が前進中に、同時に地雷を踏んだと説明している。

ウクライナ軍は3月4日付の最新報告で、ロシア軍は2022年2月の開戦以来、1万2660台のAPCを失ったと述べている。

ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍の兵士と装備の損失について毎日発表しており、APCの損失もその一部だ。本誌はこの数字について、独自に検証することはできなかった。

(翻訳:ガリレオ)



イザベル・ヴァン・フリューゲン

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