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メーガン妃は「フランス製」でリベンジしたかったのか?

ニューズウィーク日本版 2024年3月9日 9時0分

<イギリス王族がイギリス製を着用することはビクトリア女王時代からの伝統。なぜメーガン妃は歴史的な式典においてもフランス製を着用するのか>

メーガン妃が「ハイファッション」に身を包む動画が今、注目されている。その動画とは2022年6月3日にエリザベス女王即位70年を祝った「プラチナ・ジュビリー」の時のものである。

この日のために選ばれたエレガントな白いコートドレスは「クリスチャン・ディオール」によるもので、「素敵な衣装のメーガン妃」「この衣装が大好き」などの書き込みがコメント欄にあふれている。

■【話題動画】「プラチナ・ジュビリー」で着用した「ディオール」の白いコートドレス を見る

  

メーガン妃がヘンリー王子とともに2020年に王室を離脱してアメリカに移住して以降、初めてイギリス王室のイベントという公の場に現れたことは大きな注目を集めた。

というのも、前年の2021年にオプラ・ウィンフリーとの衝撃的なインタビューで王室を公然と批判したため、この歴史的な祝賀の席にいったいどのような顔をして、夫妻は参列するのかということに大きな関心がもたれていたからだ。

「どのような顔」には当然、「その場に相応しい服装」という意味でファッションも含まれている。というのも、メーガン妃は2018年にヘンリー王子と結婚し、王室でのキャリアをスタートした時から常に「独自路線」を続けてきたからだ。

イギリス王室では伝統的に自国のブランドを多く着用している。この背景にはビクトリア女王(在位1837-1901年)が当時、苦境に立っていたレース製品や絹織物などの繊維産業を支援するために、あえて自国製品を女王自らが着用し、支援してきた歴史がある。

自らが着用した姿を訪問先やメディアを通して見せることで自国の産業を応援する役割を果たせること、またその影響力を知っていたからだ。

事実、キャサリン妃によるファッションの経済効果は現在、年間10億ドル(約1500億円)と推定されている。

当然、海外公務や来賓にあわせて相手の国のブランドを着用して敬意を表することもあるが、王室メンバーがイギリスのデザイナーによる衣装を着用することは、ビクトリア女王時代からの伝統であり、特に歴史的なイベントではイギリスのファッションブランドはほぼ独占的に着用されてきた。

しかし、メーガン妃は結婚式でフランスの「ジバンシィ」を着用し、「プラチナ・ジュビリー」では「クリスチャン・ディオール」を着用するというように「フレンチクチュール」に傾倒してきた。

実は義理の母であるダイアナ妃も「シャネル」や「ディオール」を愛用し、ドイツ車「ベンツ」を運転していたことで批判を受けたこともあった。

だが、チャールズ皇太子(当時)が不倫を認めたことでダイアナ妃に同情が集まり、そのくらいの「リベンジ」は許されるという擁護の声も当時はあったのだ。

では、メーガン妃への擁護の声は?

メーガン妃が結婚で着用した「メアリー王妃のティアラ」

POOL New-REUTERS

メーガン妃はイギリス王室と確執が取りざたされる前の自身の結婚式でもフランス製「ジバンシィ」を着用し、周囲を驚かせてきた。そのウェディングドレスについてエリザベス女王が思うところがあったことは有名な話だ。

■【関連写真】女王もびっくり...フランス製かつ「純白すぎる」メーガン妃のウェディングドレス姿 を見る

 

それはイギリス王室の一員としての自覚の足りなさの露呈だったのか。それとも助言をしてくれる人が誰もいなかったのだろうか。

エリザベス女王はあまり目立たないながらも着々と公務に励む、末息子エドワード王子(現・エディンバラ公爵)の妻ソフィー妃に絶大な信頼を寄せていたことが知られている。

そのソフィー妃がメーガン妃の「メンター(相談役)」になることを女王が望んでいたことが、伝記作家ガイルス・ブランドレス「エリザベス──ある親しい肖像(Elizabeth: An Intimate Portrait)」に記されている。

しかし、「自分にはヘンリー王子がいる」としてソフィー妃の手助けは必要ないと女王に固辞したことも描かれている。畏れ多くも女王の提案すら断ってしまうメーガン妃...。

おそらくメーガン妃はイギリス王室に対して悪意があったり、リベンジがしたいわけではなさそうだ。ただ、王室の伝統やしきたりには従いたくなく、あくまで「自分流」、つまり自分の着たい服が着たかっただけと思われる。

ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)...。高貴なる者とは、その地位に居続けるためにも多くの義務を負っている。「自分のやりたいこと」をするには、「自分のやりたくないこと」も一般市民以上にしなくてはならないのだ。それは王族にとっての公務であり、慈善活動である。

しかし、王室のしきたりに反抗する我流のメーガン妃にヘンリー王子が心酔し、メーガン妃の「独自路線」がさらに助長されているとすれば、輪をかけてタチの悪いカップルに他ならない。

アメリカでの「ビジネス」があまりうまくいっていないことで、イギリス王室復帰を希望しているとも噂される夫妻の今後はいかばかりか。

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