Infoseek 楽天

空から爆撃、地上で砲撃...ウクライナ軍の「連携攻撃」がロシア軍車列を翻弄、燃え上がる車両も

ニューズウィーク日本版 2024年3月18日 21時45分

<アウディーイウカを掌握して勢い付いているとされるロシア軍だが...>

ウクライナ政府は、ロシア軍の装甲車数両が地上と空からの連携攻撃によって屈する瞬間を捉えたとする劇的な動画を公開した。

【動画】地上から砲撃、空から爆撃...ロシア軍の車列を解体するウクライナ軍の「連携攻撃」

ウクライナ国防省は、74秒にわたるドローン映像(撮影日不明)を投稿した。同省はこの動画について、第47独立機械化旅団がドネツク州アウディーイウカ方面で実施した作戦の一環だと述べている。

ロシア軍は数カ月にわたる激戦の末、2月にアウディーイウカを掌握し、その後も勢い付いている。だがウクライナ側も3月14日、ロシア軍のIFV(歩兵戦闘車)3両とみられる標的を攻撃したとして戦果を強調した。

複数のアングルから撮影された空撮映像は、路上で爆発が起きた後の場面から始まる。攻撃された1両からもうもうと煙が吹き出すなか、他の2両が逃走している。

別の角度から撮影された映像には、アメリカから供与されたM2ブラッドレー歩兵戦闘車が直角に交わる交差点でロシア軍の車両に接近し、正面から対峙して敵の車両に発砲する様子が映っている。動画には攻撃された別の標的も映っており、爆撃後に炎が上がる様子も見て取れる。

この動画の信憑性は確認できていないものの、日本時間18日午後20時の時点で視聴回数は9万回に及ぶ勢いだ。

ウクライナ国防省は、「対戦車砲の砲手、砲兵、FPVドローン、そしてアメリカのブラッドレー歩兵戦闘車の連携が功を奏し、占領者(ロシア)に攻撃する暇を与えなかった」とコメントしている。

M2ブラッドレー歩兵戦闘車は、機動性が高く、重装備の装甲車に負けない高速性を備えている。ウクライナの戦場に最初に導入されたのは2023年4月で、これまでに100両以上のブラッドレー歩兵戦闘車がアメリカからウクライナに供与されたと伝えられている。

ウクライナの第47独立機械化旅団にはこれ以外にも、ドイツから供与された主力戦車レオパルト2が配備されていると報じられている。さらに2月23日には、アメリカから供与された戦車M1A1エイブラムスが戦闘する様子を初めて捉えた映像が公開された。しかし2日後には、今回の戦争で初めて破壊されたM1A1エイブラムスだとする動画をロシア側が公開した。

ロシアの国営メディアは、ロシア軍がアウディーイウカ付近でこの戦車3両を攻撃し、そのうち1両は「完全に破壊された」と報じた。ただし、この報道の内容は独自に検証されていない。アメリカは2023年1月、M1エイブラムス31両をウクライナに供与することを約束していた。

アメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)は、アメリカの支援の遅れによってウクライナでは弾薬不足が生じており、主導権を握られた前線では、今にもロシア軍によって突破されかねないと分析している。今回の動画はそうした状況下で公開されたものだ。

ISWは13日、ウクライナ側は重要性の高い弾薬、特に大砲の砲弾の供給について制限を付けざるを得ない状況だと述べた。ロシアからの最も激しい攻撃に直面している地域に優先的に割り当てているという。

(翻訳:ガリレオ)

ブレンダン・コール

この記事の関連ニュース