<住民は「あいつはずっと我々に付きまとっていたのでひどく不安だった」と語っている>
何カ月にもわたって住民を怯えさせていた巨大ワニが、ついに捕獲された。
【動画】恐怖の巨大ワニ、家畜や鶏を食い荒らす...住民震撼
体長およそ4.3メートルの巨大ワニは、オーストラリア北部クイーンズランド州コーデリアの町に何度も出没しては、家畜を追いかけたり、ニワトリを餌にしたりしていた。
地元当局はこのワニを危険動物に指定。ハーバート川の河川敷で3月24日に捕獲することに成功した。
ハーバート川沿いに住むコーデリア住民のローレンス・ペルティカトはこのワニについて「河川敷で我々に向かってきたり、付きまとったりするようになった」と地元放送局のABCノースクイーンズランドに語っている。「私は生まれてからずっと川沿いに住んでいて、ワニのことはよく知っているので、危険なヤツがいればすぐわかる」
「あいつはずっと我々に付きまとっていたのでひどく不安だった。私はよくここで釣りをしているが、あまりに危険なので船を出せずにいた」
ペルティカトから連絡を受けたクイーンズランド州環境科学イノベーション局は、1カ月以上かけて捕獲を試みていた。
捕獲されたのは主にインドや東南アジア、オーストラリアなどインド太平洋地域の河川に生息するイリエワニと思われる。ワニの仲間の中では最大で、成体になると体長6メートルを超すこともある。世界で推定約1000人がイリエワニに襲われて死亡している。
オーストラリアは全土におよそ20万頭のイリエワニが生息しているが、人が襲われる件数は比較的少なく、平均すると年間1人程度。2018年以来、3人の死亡が確認されている。
「目撃情報があれば全て野生生物担当係員が調査する。あのワニは行動を観察した結果、駆除対象とすることにした」。州環境科学イノベーション局のトニー・フリスビーはそう説明する。「川に浮かべる罠も試したが、大雨で水位が上昇したため、川岸に置くゲート付きの罠を仕掛けなければならなかった」
ワニはこの罠にかかって24日に捕獲され、係員が運び出す際にはものすごい声を立てた。
野生生物係官のエラ・ミーブは「あまり機嫌が良くなかったらしい」とABCノースクイーンズランドに語り、「とても声が大きく、唸り声や咆哮はすさまじかった」と回想。「あの動物を駆除できてホッとしている」「もしも川に人が近づきすぎれば悪い事が起きていたかもしれない」と胸をなでおろした。
同じ頃、同州タウンズビルのロス川でも河川敷で体長約3メートルのワニが捕獲された。
「ロス川のワニも数週間前から周辺をうろついていた。その行動から、公衆が危険にさらされると判断して捕獲対象とすることにした」(フリスビー)
捕獲したワニは2頭とも、動物園か野生生物保護区に移される。
「このワニたちがいなくなったからといって、ハーバート川やロス川が安全になったと思ってはいけない」とフリスビーは釘をさす。「タウンズビル地域はクロコ郡だ。河川の周辺ではクロコワイズな行動を。分別ある選択をして、気を緩めないでほしい」
「クロコ郡では自分の安全の責任は自分にあるという認識が必要だ。全ての河川にワニがいると想定しなければならない。たとえ何の気配もなかったとしても」(フリスビー)
環境科学イノベーション局はワニが出没する河川周辺の住民に対し、河川には近寄らず、ワニに餌を与えたり、食べ物や魚のくずを川岸近くに放置したりしないよう呼びかけている。さらに、イリエワニは海でも目撃されていることから、たとえ海水浴であっても水泳は日中のみ、水が澄んでいる場所で行うよう助言。ワニ用の罠には近付かず、カヤックのような小型船舶も使用すべきではないとして、次のようにアドバイスしている。
「カヤックやペダルボードなどの小型船舶は使用しない方がいい。船が小さいほど危険は大きい。ワニが小型船舶の人に飛びかかったこともある」
(翻訳:鈴木聖子)
ジェス・トムソン
何カ月にもわたって住民を怯えさせていた巨大ワニが、ついに捕獲された。
【動画】恐怖の巨大ワニ、家畜や鶏を食い荒らす...住民震撼
体長およそ4.3メートルの巨大ワニは、オーストラリア北部クイーンズランド州コーデリアの町に何度も出没しては、家畜を追いかけたり、ニワトリを餌にしたりしていた。
地元当局はこのワニを危険動物に指定。ハーバート川の河川敷で3月24日に捕獲することに成功した。
ハーバート川沿いに住むコーデリア住民のローレンス・ペルティカトはこのワニについて「河川敷で我々に向かってきたり、付きまとったりするようになった」と地元放送局のABCノースクイーンズランドに語っている。「私は生まれてからずっと川沿いに住んでいて、ワニのことはよく知っているので、危険なヤツがいればすぐわかる」
「あいつはずっと我々に付きまとっていたのでひどく不安だった。私はよくここで釣りをしているが、あまりに危険なので船を出せずにいた」
ペルティカトから連絡を受けたクイーンズランド州環境科学イノベーション局は、1カ月以上かけて捕獲を試みていた。
捕獲されたのは主にインドや東南アジア、オーストラリアなどインド太平洋地域の河川に生息するイリエワニと思われる。ワニの仲間の中では最大で、成体になると体長6メートルを超すこともある。世界で推定約1000人がイリエワニに襲われて死亡している。
オーストラリアは全土におよそ20万頭のイリエワニが生息しているが、人が襲われる件数は比較的少なく、平均すると年間1人程度。2018年以来、3人の死亡が確認されている。
「目撃情報があれば全て野生生物担当係員が調査する。あのワニは行動を観察した結果、駆除対象とすることにした」。州環境科学イノベーション局のトニー・フリスビーはそう説明する。「川に浮かべる罠も試したが、大雨で水位が上昇したため、川岸に置くゲート付きの罠を仕掛けなければならなかった」
ワニはこの罠にかかって24日に捕獲され、係員が運び出す際にはものすごい声を立てた。
野生生物係官のエラ・ミーブは「あまり機嫌が良くなかったらしい」とABCノースクイーンズランドに語り、「とても声が大きく、唸り声や咆哮はすさまじかった」と回想。「あの動物を駆除できてホッとしている」「もしも川に人が近づきすぎれば悪い事が起きていたかもしれない」と胸をなでおろした。
同じ頃、同州タウンズビルのロス川でも河川敷で体長約3メートルのワニが捕獲された。
「ロス川のワニも数週間前から周辺をうろついていた。その行動から、公衆が危険にさらされると判断して捕獲対象とすることにした」(フリスビー)
捕獲したワニは2頭とも、動物園か野生生物保護区に移される。
「このワニたちがいなくなったからといって、ハーバート川やロス川が安全になったと思ってはいけない」とフリスビーは釘をさす。「タウンズビル地域はクロコ郡だ。河川の周辺ではクロコワイズな行動を。分別ある選択をして、気を緩めないでほしい」
「クロコ郡では自分の安全の責任は自分にあるという認識が必要だ。全ての河川にワニがいると想定しなければならない。たとえ何の気配もなかったとしても」(フリスビー)
環境科学イノベーション局はワニが出没する河川周辺の住民に対し、河川には近寄らず、ワニに餌を与えたり、食べ物や魚のくずを川岸近くに放置したりしないよう呼びかけている。さらに、イリエワニは海でも目撃されていることから、たとえ海水浴であっても水泳は日中のみ、水が澄んでいる場所で行うよう助言。ワニ用の罠には近付かず、カヤックのような小型船舶も使用すべきではないとして、次のようにアドバイスしている。
「カヤックやペダルボードなどの小型船舶は使用しない方がいい。船が小さいほど危険は大きい。ワニが小型船舶の人に飛びかかったこともある」
(翻訳:鈴木聖子)
ジェス・トムソン