マシュー・インペッリ
<ガザの人道危機に怒りキャンパスに居座るZ世代は、パレスチナ過激派に煽動されている、とNY当局は言う>
ニューヨーク市が「過激化」の淵にあると、ニューヨーク市警が警告を発した。
イスラエルの攻撃に晒されているパレスチナ自治区ガザの人道状況に怒る若者たちのデモが全米各地で吹き荒れるなか、ニューヨーク・マンハッタンにあるコロンビア大学では警官隊がキャンパスに突入し、反戦を叫ぶ学生たちを強制排除する事態になった。
ニューヨーク市警の情報テロ対策部門のレベッカ・ワイナー副部長は、突入翌日の5月1日の記者会見で、「自国産テロ」という表現こそ使わなかったものの、若年層の過激化が市の治安を脅かす懸念があると警告。急激に進む先鋭化の「軌道」を、市警察は慎重に見守っていると述べた。
イスラエル寄りの立場を鮮明にしているニューヨークのエリック・アダムズ市長も記者会見で同様の見解を語った。「若者たちを過激化しようとする動きがある。私は彼らがそれをやり遂げ、その存在が白日の下にさらされるまで、手をこまねいて待っている気はない」
「若者は扇動されているだけ」
アダムズによれば、「われわれの子供たちを過激化する手練れのプロフェッショナルがいて、若年層がその連中にそそのかされている。これは今や世界的な問題だ」という。「ニューヨークの市長として、この街でそんなことが起きるのを許すわけにはいかない」
本誌はニューヨーク市警とコロンビア大学にメールで過激化の根拠を求めている。
コロンビア大学の学生たちは学内の建物を占拠し、バリケードを築いて、「ガザ連帯陣地」として立てこもった。ニューヨーク市警は4月30日夜、この建物に突入し、占拠者を強制排除。逮捕された学生は100人余りに上るとみられる。
パレスチナ支持を叫び、イスラエル寄りのバイデン政権に抗議する若者たちのデモがここ数週間、全米各地の大学を揺るがしている。コロンビア大学の学生たちは大学当局にイスラエル関連の企業や研究機関などに投じた資金を引き揚げるよう繰り返し求めてきた。
昨年10月7日にガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルに越境攻撃をしかけ、約1200人を殺害し、200人超の人質を連れ去って以来、イスラエルはガザに激しい報復攻撃を行ってきた。ガザにおけるパレスチナ人の死者はこれまでに3万4000人超に上ると、地元の保健当局の話としてAP通信が伝えている。
ニューヨーク市警は5月1日の記者会見で、コロンビア大学当局の要請を受けて前夜に行った突入作戦の詳細を発表した。
アダムズによれば、大学当局は抗議デモには「外部の扇動者たち」が関与しており、彼らが学生たちを「訓練」したと警察に伝え、支援を要請したという。
「コロンビア大学とニューヨーク市立大学シティーカレッジを合わせて、逮捕者はおよそ300人に上る」と、アダムズは発表した。「そのうち誰が本物の学生で、誰がそこにいるべきではない部外者か、現在確認中だ」
コロンビア大学の広報部門は4月30日にニューヨーク市警に出動を要請したことを発表した。1968年にベトナム戦争や人種差別に抗議する学生たちが立てこもった、学内の象徴的な建物である「ハミルトンホールが占拠され、荒らされ、封鎖されたとなれば、(警察を呼ぶ以外に)打つ手はなかった」というのだ。
学生組織「パレスチナの正義のために闘うコロンビア大学の学生たち」はX(旧ツィッター)の公式アカウントに動画を投稿し、警官隊はハミルトンホールにいた「学生たちにテーザー銃と催涙ガスを使った」と糾弾した。
【動画】大手メディアは報じなかったデモ隊排除の暴力(コロンビア大学)
「これが、コロンビア大学とニューヨーク市警が隠そうとした光景だ。だから彼らはその場にいた人間を全員、力づくで外に出したのだ」
逮捕者は全米で1000人超
ニューヨーク大学、シティーカレッジ、ファッション工科大学、ニュースクール大学など、ニューヨーク市内の他の大学でも、イスラエルのガザ攻撃に対し、学生たちが抗議活動を繰り広げている。
さらにエール大学、ハーバード大学、ノースウェスタン大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校など、全米各地の大学でもパレスチナ支持の若者たちの怒りの声は高まる一方だ。
一部の大学は学生たちとの話し合いに応じたものの、コロンビア大以外にも複数の大学がここ2週間に警察の出動を要請。逮捕された学生は全米で1000人を超えた。
【動画】大手メディアは報じなかったデモ隊排除の暴力(コロンビア大学)
【動画】UCLAでパレスチナ支持派とイスラエル支持派が衝突──外部からの扇動を指摘する声も(日本語字幕)
<ガザの人道危機に怒りキャンパスに居座るZ世代は、パレスチナ過激派に煽動されている、とNY当局は言う>
ニューヨーク市が「過激化」の淵にあると、ニューヨーク市警が警告を発した。
イスラエルの攻撃に晒されているパレスチナ自治区ガザの人道状況に怒る若者たちのデモが全米各地で吹き荒れるなか、ニューヨーク・マンハッタンにあるコロンビア大学では警官隊がキャンパスに突入し、反戦を叫ぶ学生たちを強制排除する事態になった。
ニューヨーク市警の情報テロ対策部門のレベッカ・ワイナー副部長は、突入翌日の5月1日の記者会見で、「自国産テロ」という表現こそ使わなかったものの、若年層の過激化が市の治安を脅かす懸念があると警告。急激に進む先鋭化の「軌道」を、市警察は慎重に見守っていると述べた。
イスラエル寄りの立場を鮮明にしているニューヨークのエリック・アダムズ市長も記者会見で同様の見解を語った。「若者たちを過激化しようとする動きがある。私は彼らがそれをやり遂げ、その存在が白日の下にさらされるまで、手をこまねいて待っている気はない」
「若者は扇動されているだけ」
アダムズによれば、「われわれの子供たちを過激化する手練れのプロフェッショナルがいて、若年層がその連中にそそのかされている。これは今や世界的な問題だ」という。「ニューヨークの市長として、この街でそんなことが起きるのを許すわけにはいかない」
本誌はニューヨーク市警とコロンビア大学にメールで過激化の根拠を求めている。
コロンビア大学の学生たちは学内の建物を占拠し、バリケードを築いて、「ガザ連帯陣地」として立てこもった。ニューヨーク市警は4月30日夜、この建物に突入し、占拠者を強制排除。逮捕された学生は100人余りに上るとみられる。
パレスチナ支持を叫び、イスラエル寄りのバイデン政権に抗議する若者たちのデモがここ数週間、全米各地の大学を揺るがしている。コロンビア大学の学生たちは大学当局にイスラエル関連の企業や研究機関などに投じた資金を引き揚げるよう繰り返し求めてきた。
昨年10月7日にガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルに越境攻撃をしかけ、約1200人を殺害し、200人超の人質を連れ去って以来、イスラエルはガザに激しい報復攻撃を行ってきた。ガザにおけるパレスチナ人の死者はこれまでに3万4000人超に上ると、地元の保健当局の話としてAP通信が伝えている。
ニューヨーク市警は5月1日の記者会見で、コロンビア大学当局の要請を受けて前夜に行った突入作戦の詳細を発表した。
アダムズによれば、大学当局は抗議デモには「外部の扇動者たち」が関与しており、彼らが学生たちを「訓練」したと警察に伝え、支援を要請したという。
「コロンビア大学とニューヨーク市立大学シティーカレッジを合わせて、逮捕者はおよそ300人に上る」と、アダムズは発表した。「そのうち誰が本物の学生で、誰がそこにいるべきではない部外者か、現在確認中だ」
コロンビア大学の広報部門は4月30日にニューヨーク市警に出動を要請したことを発表した。1968年にベトナム戦争や人種差別に抗議する学生たちが立てこもった、学内の象徴的な建物である「ハミルトンホールが占拠され、荒らされ、封鎖されたとなれば、(警察を呼ぶ以外に)打つ手はなかった」というのだ。
学生組織「パレスチナの正義のために闘うコロンビア大学の学生たち」はX(旧ツィッター)の公式アカウントに動画を投稿し、警官隊はハミルトンホールにいた「学生たちにテーザー銃と催涙ガスを使った」と糾弾した。
【動画】大手メディアは報じなかったデモ隊排除の暴力(コロンビア大学)
「これが、コロンビア大学とニューヨーク市警が隠そうとした光景だ。だから彼らはその場にいた人間を全員、力づくで外に出したのだ」
逮捕者は全米で1000人超
ニューヨーク大学、シティーカレッジ、ファッション工科大学、ニュースクール大学など、ニューヨーク市内の他の大学でも、イスラエルのガザ攻撃に対し、学生たちが抗議活動を繰り広げている。
さらにエール大学、ハーバード大学、ノースウェスタン大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校など、全米各地の大学でもパレスチナ支持の若者たちの怒りの声は高まる一方だ。
一部の大学は学生たちとの話し合いに応じたものの、コロンビア大以外にも複数の大学がここ2週間に警察の出動を要請。逮捕された学生は全米で1000人を超えた。
【動画】大手メディアは報じなかったデモ隊排除の暴力(コロンビア大学)
【動画】UCLAでパレスチナ支持派とイスラエル支持派が衝突──外部からの扇動を指摘する声も(日本語字幕)