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英カミラ王妃が、フランス大統領夫人の「手を振りほどいた」!? 式典での「手つなぎ拒否」が物議

ニューズウィーク日本版 2024年6月7日 18時18分

ジャック・ロイストン
<ノルマンディー上陸作戦の記念式典で、英カミラ王妃が取った行動が物議。英王室メンバーに対する「正しい振る舞い」はどういうものか>

ノルマンディー上陸作戦の記念式典に出席したイギリスのカミラ王妃が、手をつなごうとしてきたフランス大統領夫人の手を振りほどいたように見える「気まずい瞬間」がカメラに捉えられていた。

■【動画】英カミラ王妃、仏マクロン大統領夫人の「手を振りほどいた」気まずい瞬間がカメラに収められてしまう

「事件」が起きたのは、1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦から80周年を記念してフランスのヴェール・シュル・メールで行われた、ロイヤル・ブリティッシュ・リージョン(英陸空海軍隊員や退役軍人と家族のための慈善団体)の追悼式典だった。この式典でブリジット・マクロン仏大統領夫人とカミラ王妃はイギリスのノルマンディー上陸作戦記念碑に花輪を捧げ、その直後にマクロン夫人がカミラ王妃に手を伸ばし、おそらく彼女の手を握ろうとした一幕があった。

だが英デイリー・メール紙が公開した動画には、カミラがそれに応じず、マクロンがさらに手を握ろうとすると後ずさりして手から逃れようとするかのような様子が映っている。

問題は王妃の手を握ろうとしたマクロンの行動が、英王室メンバーへの振る舞いとして「失礼」だったのかどうかだろう。王室メンバーへの挨拶の仕方については公式なルールはないものの、王室メンバーの方から先に相手に接触するかそれに同意しない限り、王室メンバーの身体に直接触れるのはエチケット違反とされている。

過去にもイギリス国外で、王室メンバーがこうした「エチケット違反」に直面する場面は何度かあった。ただ多くの場合、相手に対して温かい対応が取られてきた。たとえばミシェル・オバマ米大統領夫人(当時)が故エリザベス女王と面会した際、この暗黙のルールを知らずに女王にハグをした際には、女王もハグを返している。

ゲストであるカミラ王妃がホストのマクロン夫人を拒絶した

だが今回、カミラはゲストとしてフランスを訪問している立場だったにもかかわらず、ノルマンディー上陸作戦で命を落とした英兵士たちを追悼する記念碑の前でマクロンと手をつなぐ気分にはなれなかったようだ。

英王室のウェブサイトには、次のように書かれている。「国王と王妃は毎年、英国内および海外で大勢の人と会う機会があります。両陛下と会うにあたって、どのように振る舞うべきかという質問がよく寄せられますが、守らなければならない行動規範というものはありません。ただ礼儀を守っていただければいいのです」

「しかし多くの方は、伝統的な挨拶の形式を守りたいと考えます。男性の場合は首を少し下げる(頭だけを下げる)お辞儀で、女性の場合は小さなカーテシーです。普通に握手を交わす方法を好む方もいらっしゃいます」

「国王や王妃と対面した際の正式な呼び方は『Your Majesty(陛下)』で、その後は『Sir(サー)』または『Ma'am(マム)』と呼びます。『Ma'am』の発音は『ジャム』と発音する時のように短く発音します」

ウィリアム皇太子は退役軍人に感謝のスピーチ

カミラはチャールズ国王と共にこの式典に出席。ウィリアム皇太子もノルマンディーを訪れていたが、ジュノー・ビーチで行われたカナダの式典に出席していた。

ウィリアムは式典での演説の中で、次のように述べた。「今日この穏やかな静寂の中でここに立っていると、あの日、激しい戦いの中に身を投じるのにどれだけの勇気が必要だったかを理解することは、ほとんど不可能です」

「ノルマンディー上陸作戦は、史上最も野心的な軍事作戦であり続けています。あの風の強い曇り空の日に起きた出来事が最終的にはヨーロッパの解放につながりましたが、その作戦は大きな代償を伴うものでした」

「私たちはこれからも、多大な犠牲を払った全てのカナダ人、愛する人を失った全てのカナダの家族、物理的にも精神的にも戦いの傷を抱えている全てのカナダ人に敬意を表し続けます」

「退役軍事の皆さま、ジュノー・ビーチでの皆さんの勇気と犠牲、そしてヨーロッパを解放してくださったことに感謝します」

「皆さんはファシズムに打ち勝つために、英雄的な行動と決意を示してくださいました」


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