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スマホで眼科診療、尿意予測デバイス...ほか、老後の不安を解消するサービス&製品10選

ニューズウィーク日本版 2024年6月27日 16時41分

ニューズウィーク日本版編集部
<AIやデジタル技術で健康長寿を実現する「エイジテック」がトレンドに。続々と生まれる新技術を使った、便利なサービス・製品を一挙ご紹介>

課題が山積する高齢化社会で、新たなビジネスの種が芽吹き始めている。医療や介護の分野を中心としてシニア市場が年々拡大するなか、加齢に伴う問題を解決する技術「エイジテック」がトレンドに。

AI(人工知能)やデジタル機器を活用して、健康長寿の実現を後押しする注目のサービスや製品が続々登場している。

◇ ◇ ◇

疾病リスク予測AIサービス

生活習慣病の発症リスクを予測する東芝の独自アルゴリズム技術。1年分の健康診断データから、将来における糖尿病や高血圧症といった生活習慣病の発症リスクをパーセンテージで予測する。

リスクの低減目標や体重の減少目標を設定すると、入力された問診項目から今後取り組むべき生活習慣改善策をAIが提案する。リスクを可視化し、具体的な改善アプローチを提供してくれる。

DFree

超音波センサーで尿意をモニタリングする排泄予測デバイス。26グラムの小型機器を下腹部に装着すれば、膀胱の膨らみをリアルタイムで測定してくれる。

尿のたまり具合を10段階で表示し、尿意をもよおすタイミングをiPhoneや専用機器などに通知する。尿意が予測できると、トイレが近いため日常生活で感じている心配や外出時の不安が軽減されるという利点がある。また、介助者はスムーズにトイレへ誘導できるため、排泄を促しやすい。

Smart Eye Camera

スマートフォンに取り付けるだけで、既存の医療機器と同様に眼けんや角結膜、水晶体、硝子体などの観察を行い、白内障などの眼科疾患を診断してくれる眼科医療機器。

開発元は慶応義塾大学医学部発のベンチャー企業OUI Inc.(ウイインク)で、眼科専門医が日本や開発途上国での眼科診療を通じて感じた問題点を解決しようとしたのが出発点だ。

いつでも誰でも眼科の遠隔診療を受けることができる。適切な医療を受ける機会を創出し、失明のない世界の実現を目指す。

スタートウェル

看護師が利用者の自宅に毎月訪問して、疾病の管理や生活改善に向けたアドバイス、社会的交流の機会を提供するヘルスケアサービス。

その基になるのがスマートウォッチ(健康管理トラッカー)と簡易尿検査キットで収集した運動や睡眠、栄養といったデータだ。

健康的な習慣を継続しようとしても、運動や睡眠、栄養の改善には専門的な知識やモチベーションの維持が不可欠。デジタルとリアルの両面から、持病のある人や1人暮らしのシニアを支援する。

LINEドクター

診療予約からビデオ通話での診療、薬の処方や自宅への配送までさまざまな医療サービスがLINEで完結できる。

予約から決済まで一貫してでき、操作も比較的容易なため、LINEの利用率が年々高まるシニア層の間でも支持が広がっている。初期費用や毎月固定費は無料で、サービスの利用ごとに診療費用や調剤費用を支払う。

モフバンド

腕や足に装着すると、体の動きをリアルタイムで計測してくれるバンド。60代から徐々に衰え始める歩行力やバランスといった体力測定を自宅でも手軽にでき、同年代の平均と比較しながら生活改善に生かせる。

Moff社と神戸大学が共同で展開するオンライン型健康づくりサービス「eコグニケア」では、このバンドを利用してデジタル体力測定を月に1回実施。

オンラインで運動プログラムを行い、認知症予防や生活習慣病予防、介護予防の実現を目指す。複数の利用者が一緒にプログラムを受講するため、モチベーションの維持にもつながる。

mediVRカグラ

VR(仮想現実)の空間上に表示される対象に手を伸ばす動作を繰り返すことで、姿勢のバランスや認知処理機能を鍛えるリハビリテーションを支援する医療機器。

シニアでも利用できるよう認知負荷が低い「水平ゲーム」や「落下ゲーム」、認知負荷性を高めた「水戸黄門ゲーム」など5種類を提供している。

神経科学・行動科学の知見に基づいて開発し、脊髄損傷や脳梗塞の患者の身体機能の回復が報告されている。

ハートシート

トイレに座るだけで心血管疾患モニタリングを行える米カサナ社の「スマート便座」。センサーを内蔵し、利用者の心拍数や血圧などのデータをリモートで監視できる。

バッテリー駆動式で、再充電することなく数年間の稼働が可能。ユーザーの健康状況が限界値を超えた場合には医師や医療機関に通知する仕組みだ。65歳以上のシニアが多く罹患するといわれる心血管疾患の治療に大きく寄与している。

モーションピロー

いびきを軽減し、快眠に導いてくれる枕。韓国の健康・美容器具デザイン企業10mindsが開発した。

音声感知器がいびきを感知すると、呼吸を正常に行えるよう枕がゆっくりと形状を変え、いびきが軽減される。搭載されたAIソフトウェアが利用者のいびきのパターンを学習し、使い込むほど正確に計測するようになっていく。

専用アプリを使えば、睡眠時間やいびきをかいている時間などを確認できる。

フェイスハート

カメラを通じて顔の情報を取得し、独自開発のアルゴリズムで心拍数や血圧などを表示するシステム。台湾の国立交通大学発ベンチャー、フェイスハートが開発した。

ハードウェア大国である台湾の技術力が詰まった高精度カメラが高い検出精度を誇る。カメラを設置するだけで簡単に計測できるため、電子機器に慣れていないシニアも利用しやすい。


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