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洗わず放置した「水筒」が大変なことに...内部に「生態系が誕生」した衝撃映像 「毎日洗って」と専門家

ニューズウィーク日本版 2024年7月6日 13時24分

ロリー・ハンコック
<水筒を持ち歩く人は世界的に増えているが、ちゃんと毎日洗っていますか? 洗っていなかった人が投稿した映像にネット衝撃>

飲み水やお茶を持ち運んだだけでも、水筒はちゃんと洗わなければならないのか──TikTokで話題になっているある動画を見た人なら、答えが「間違いなくイエス」であることが分かるはずだ。エコ意識の高まりもあって水筒を使う人は増えているが、これまでこまめに水筒を洗ってこなかった人たちにはショッキングな映像かもしれない。

■【動画】閲覧注意? 洗わないとこんなことに...使用後の「水筒」を放置して「生態系が誕生」した衝撃的な映像

この動画は、@wompbratというユーザーがTikTokに共有したもの。水を入れたまま洗わずに放置していた水筒を撮影したものだが、その中では何らかの植物体が、水筒の内側を縁取るように成長している。動画を見た1800万人以上からは「生態系が生まれている!」といったコメントが寄せられるなど、衝撃を受けた人が多かったようだ。

水筒は、使い捨てのペットボトルを使わない、環境に優しい代替品だ。しかし、この水筒はあまりにも「環境に優しすぎる」ようだ。あるTikTokユーザーは、「森を丸ごと育てたの?」と、コメントでジョークを飛ばした。

グランド・ビュー・リサーチによれば、水筒の市場規模は2023年に全世界で92億8000億ドルに達した。世界各国で使い捨てプラスチックへの規制が厳しくなっているため、市場は拡大する一方だ。

使い捨てプラスチックは、環境と私たちの健康をむしばむ大きな問題だ。アースデイの報告によれば、米国だけで毎年500億本の使い捨てプラスチックボトルが購入されている。再利用可能な水筒を使えば、1人当たり毎年平均156本の使い捨てプラスチックボトルを、埋め立てずに済むことになる。

再利用可能な代替品を持つことは、持続可能な行動への素晴らしい第一歩だが、水筒はこまめに洗ってこそ長持ちするもので、投稿者の女きょうだいはそれを怠っていたようだ(投稿者が撮影した水筒は、「自分の女きょうだいのもの」だったという)。

「水筒は1日1回、洗剤と温水で洗うべき」

このような製品には、適切な衛生管理と洗浄が不可欠だ。食品科学者兼業界コンサルタントのブライアン・クォック・リー博士は本誌の取材に対し、「水筒は1日1回、洗剤と温水で洗わなければならない。水筒内の水分が多いと、カビや細菌が繁殖しやすくなり、時間とともに、水の味や品質に影響を及ぼすことがある。微生物が異臭を発生させることもある」と説明する。

水筒に水以外のものを入れると、微生物繁殖の可能性が高まる。また、香料、炭酸、砂糖、その他の添加物は、さまざまな微生物の繁殖を促す可能性がある。

リーは次のように続ける。「粉末状のプロテイン、香料、ミルク、甘味料、電解質など、栄養価の高いものを水筒に入れない方がいい。細菌やカビの繁殖を助長するからだ。もしこれらを水筒に入れたら、使用後は必ず温水と洗剤でよく洗うか、食器洗浄機にかけるべきだ。さもなければ、微生物が増殖しやすい環境をつくってしまう危険がある」

水筒(繰り返し使える飲料用ボトル)に最適な素材を選ぶとしたら、「ガラスは最も微生物が少ない傾向にあり、軟質プラスチック、硬質プラスチック、金属と続く。また、ガラスは透明度が高いため、水筒を洗うべきかどうかが一目でわかる」

洗い方に関しては、シンプルな方法でいい。「微生物を殺すには、温水と洗剤が最も効果的だ。温水の助けを借りた洗剤が、細菌やカビのバイオフィルムや膜を溶かすためだ」とリーは説明する。

「自分の水筒にもこういうのが育った」という人も

@wompbratが投稿した「水筒を洗ったほうがいい、という注意喚起」は160万超の「いいね」を獲得し、世界中から驚きの声が寄せられている。

「そもそも水筒を洗わないなんて、どういうこと?」「注意喚起なんて必要ない。そのヤバい水筒を毎日洗ってくれ」といったコメントや、「しかし、どうしたらこんなことになるんだ......」「どれだけ無視し続けたら、こういう生態系が育つんだろう?」と疑問の声も上がった。

あるユーザーは、自分自身の体験を共有した。「そうなんだよ、まえに水筒を一晩放置しただけで、こういうのが育ち始めたことがある。すごく速く成長するんだよ」

この動画を見た人の中には、自分の水筒が心配になった人もいるようだ。「2023年に私の心の支えになってくれた水筒は、1年ほど前からベッドの下にある。そろそろ開けてみた方がいいかな?」

衛生面を心配する声とともに、自然の美しさに関するコメントも数多く寄せられた。あるユーザーは、「しかし、これは本当に美しい」と感嘆している。
(翻訳:ガリレオ)


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