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空軍基地に弾道ミサイル、走る閃光と巨大な煙...ロシアがウクライナの戦闘機「MiG-29」を爆破したと主張する瞬間

ニューズウィーク日本版 2024年7月8日 20時50分

イザベル・バンブルーゲン
<ウクライナの飛行場を狙ったロシアのミサイル攻撃が相次いでいる。4日にはクリビーリフ近郊の空軍基地を弾道ミサイル「イスカンデル」で攻撃したとロシア国防省が発表>

ロシアは7月4日、ウクライナのMiG-29戦闘機を破壊した瞬間をとらえたとされる動画を公開した。ロシア軍がウクライナ国内の飛行場を弾道ミサイルで攻撃したときのものだという。

【動画】みるみる膨らむ巨大な煙...ロシアの弾道ミサイルがウクライナの戦闘機「MiG-29」を爆破したとみられる瞬間

X(旧ツイッター)に@halsamorsanが投稿した動画を見ると、ウクライナ中南部クリビーリフ近郊のドウヒンツェベにある空軍基地で、戦闘機1機のほか、軍装備品や車両が破壊された模様だ。ロシアの弾道ミサイル「イスカンデル」が攻撃したと、ロシア国防省はテレグラムで述べている。

ロシア国防省は、「ウクライナ国防軍のMiG-29戦闘機、ならびに空対地ミサイル、航空基地の整備車両が破壊された」と述べている。公開された空撮映像には、飛行場が遠隔から攻撃を受け、爆発が起きて煙が立ち上る様子が映っている。

本誌はロシア国防省の主張や、いつどこで映像が撮影されたかを独自に検証できておらず、ウクライナ当局に電子メールでコメントを求めている。

本誌が6月はじめに報じたように、英シンクタンク国際戦略研究所によれば、ウクライナ空軍が所有する稼働中のMiG-29戦闘機は2023年末時点でおよそ24機だ。

ウクライナ戦争が始まって以降、ロシアとウクライナはともに、かなりの数の航空機を失っている。ウクライナ側は5月と6月、ソ連時代に開発されたロシア戦闘機Su-25を多数撃墜したと主張した。ウクライナはさらに、ロシアの空軍基地をたびたび攻撃しており、この戦争においては正当な軍事標的だと述べている。

ロシア国防省は2日、ウクライナのミルホロド飛行場を攻撃して、ウクライナ軍の戦闘機を複数破壊したと発表した。同飛行場はポルタヴァ州にあり、ロシアと国境を接するスムイ州ならびにハルキウ州の南西に位置している。

ロシア国防省は、今回のミルホロド飛行場への攻撃でウクライナ軍が稼働させているSu-27戦闘機5機を破壊し、修理中の2機に損傷を与えたと発表した。

しかし、オープン・ソース・インテリジェンス(OSINT)のアナリストによれば、被害を受けた戦闘機の数はそれより若干少なく、破壊されたのは2機、損傷を受けたのは4機だという。

ウクライナは攻撃を受けたことを認めているが、破壊された戦闘機の数は明かさなかった。

「(ロシア軍による)攻撃はあった。一定の損害も被ったが、敵が主張するほどではない」ウクライナ空軍の元報道官ユーリー・イーナットはフェイスブックでそう述べている。「ウクライナ空軍は敵を迎え撃ち、惑わせるために兵器の模型(デコイ)を使用するなどあらゆる手を尽くしている」

ウクライナ軍参謀本部はロシアの兵士と装備の損失数を日々発表している。4日に更新された最新情報によると、戦争開始以降、ロシア側が失った航空機の数は360機で、死者数は計54万7470人に達したという。

一方、ロシア国防省が2日に発表した最新情報によると、ロシア軍が今回の戦争で破壊したウクライナの航空機は625機だ。

本誌はこれらの数字について独自に検証することはできなかった。ロシアもウクライナも、今回の戦争で自国が被った人的損失や軍装備品の損害についてほとんど発表していない。

(翻訳:ガリレオ)

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