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「メダルを外せ」「あなたのじゃない」体操女王を支え続けた夫の写真に批判殺到...シモーネ・バイルズ本人がこれに反応

ニューズウィーク日本版 2024年8月7日 20時20分

千歳香奈子
<シモーネ・バイルズの夫でNFL選手のジョナサン・オーウェンズがインスタグラムに投稿した写真について、人気インフルエンサーが猛批判したが...>

連日熱戦が繰り広げられているパリオリンピックで3つの金メダルと銀メダルを獲得した米女子体操の「絶対女王」シモーネ・バイルズの夫が、金メダルを首から下げて妻の勝利を祝うツーショットをインスタグラムに投稿してネットをざわつかせている。

【写真】【動画】シモーネ・バイルズの夫が金メダルを首から下げて勝利を祝う姿と、それをこき下ろすインフルエンサー

シモーネと昨年結婚した米プロフットボールリーグ(NFL)シカゴ・ベアーズで活躍するジョナサン・オーウェンズは、メンタルヘルスの問題で前大会の個人総合決勝を棄権した妻を支えるため、チームのトレーニングキャンプを離脱してパリに駆け付けた。

8月1日に行われた個人総合の決勝ではシモーネの写真がプリントされたTシャツを着用し、観客席から両親と共に声援を送る姿が何度もテレビ中継に映し出されていた。

夫を攻撃する人気インフルエンサーにバイルズ本人が反論

東京大会では空中回転技の最中に起こる心と体が切り離されて自分の位置や姿勢が分からなくなる「ツイスティーズ」と呼ばれるメンタルブロックに見舞われ、「メンタルヘルスを守るため」棄権を決断したシモーネ。

パリではそんな妻を近くで見守り、寄り添ってきたジョナサンは、金メダル獲得後にツーショット写真と共に「オリンピック史上最も多くのメダルを獲得したアメリカの体操選手になったベイビー、おめでとう‼‼すごい。8個も。(試合を)見ることができて本当に良かった」と綴って祝福した。

しかし、自ら金メダルを手に笑顔でシモーネと寄り添う姿とキスをする写真を公開したジョナサンに、ネットでは「まるで自分が優勝したかのようにメダルを手にしている」「あなたのメダルではない。腹立たしい」「なぜ、あなたが自分のものみたいな顔で持っているの?」「彼女にメダルを返しなさい。あなたのものじゃないから」とシモーネのファンから非難の声が相次いだ。

騒動はTikTokにも飛び火し、人気インフルエンサーが「メダルを外しなさい。空中を飛んだのはミスター・シモーネ・バイルズなの?躓くことなく着地したのはあなたなの?」「30回も高く空中回転し、躓くことなく着地したのは彼ではない」「彼女にメダルをつけさせて写真を撮るべき」と攻撃。妻の影を薄め、偉業を損なおうとしたことで、ネット全体で嘲笑されているなどと語り、自分が目立ちたいだけだと批判した。

東京で試合を棄権した後、「ふざけるな」「国の恥」などとネットで誹謗中傷を浴びた経験を持つシモーネは、黙ってはいられなかったようで、「バカみたい。私は家族全員にメダルをつけてもらい、写真を撮ったのに。決めてかかるのはやめて。あなたたちみんな、クソ惨めね。私たちのことは放っておいて」とFワードを使ってコメントし、夫を擁護した。

シモーネの反論を受けた投稿者は、「こんな才能のある女性に"クソみたい"と言われて光栄」と語る新たな動画を投稿し、「彼が応援しながらメモを取っていたのはかわいいと思った。怒ることはできない」などと話し、最後は自分は惨めかもしれないと非を認めた。

そんなネット上のバトルに巻き込まれながらも、3日に行われた種目別跳馬で再び金メダルを獲得する偉業を成し遂げ、最終種目となった5日の種目別ゆかの決勝では銀メダルを手にして有終の美を飾った。

今後の去就に注目

メンタルヘルスの問題を乗り超え、異次元とも言われる跳躍力を活かした演技で3年前とはまるで別ものの圧倒的な強さを見せたシモーネ。自身のインスタグラムでは、試合前に瞑想する姿も公開していた。

選手村ではチームメイトのジョーダン・チャイルズと「チームUSA」の文字が入った真っ赤なショートパンツにブラトップでバルコニーに立つプライベートショットも披露してファンを歓喜させたシモーネ。

4年後のロサンゼルス大会について「絶対にないとは言えない」「地元開催だから何が起こるか分からない」と話す一方、子どもが欲しいとも語っており、今後の去就に注目が集まっている。

[筆者]
千歳香奈子
北海道・札幌市出身。1992年に渡米し、カリフォルニア州サンタモニカ大学で写真を学ぶ。96年アトランタ五輪の取材アシスタントとして日刊スポーツ新聞社アトランタ支局に勤務。ロサンゼルス支局、東京本社勤務を経て99年よりロサンゼルスを拠点にハリウッドスターら著名人へのインタビューや映画、エンターテイメント情報等を取材、執筆している。日刊スポーツ新聞のサイトにてハリウッド情報や西海岸のトレンドを発信するコラムも寄稿中。著書に『ハリウッド・セレブ』(学研新書)。

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