Infoseek 楽天

【写真特集】ウクライナ戦争 悲劇と誇りの記憶をたどって

ニューズウィーク日本版 2024年8月23日 14時0分

Picture Power
<ウクライナ軍によるロシア領への越境攻撃が続く。8月24日のウクライナ独立記念日に発売される写真集『TESTAMENT'22』は、戦争による人々の傷と、悲劇の中にあっても屈しない強靭な精神力をありのままに映し出した>

ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年、米写真家バイロン・スミスはウクライナに渡り、1万6000キロに及ぶ旅で戦時下の現実をカメラに収めた。ウクライナ独立記念日に当たる今年8月24日、侵攻1年目を記録した彼の写真集『TESTAMENT'22』(独ケトラー出版)が発表される。

疲弊した避難民、荒廃した退避地域、攻撃を受けたビル、ロシア軍の占領から解放されたばかりの村......スミスの揺るぎない視点は、戦争による人々の傷と、悲劇の中にあっても屈しない強靭な精神力をありのままに映し出す。白黒とカラーを織り交ぜたスミスの写真は、ウクライナの犠牲を風化させてはならないと訴えかける。

翌23年以降は、初期の失敗に学んだロシアが態勢を立て直し、西側からの武器供給が滞ったことでウクライナ側の死傷者は増え、戦争の長期化が確実になっていった。だからこそスミスは22年のウクライナの姿をいま伝えたいと言う。ロシア軍の猛攻に耐え、押し返し、希望と誇りに満ちていた最初の年を。

<次ページで写真11点を紹介>

Photographs from " TESTAMENT '22 " by Byron Smith, published by Verlag Kettler

 【連載20周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2024年8月27日号 掲載

左:ロシア軍の放棄した武器倉庫を遊び場にする子供たち(北部チェルニヒウ、6月)/右:爆撃を受けて破壊されたアパート(チェルニヒウ、7月)

前線の基地に戻りくつろぐウクライナ特殊部隊の兵士(東部ハルキウ、11月)

レストランにはジャベリン(携帯型対戦車ミサイル)を構えたモナリザが描かれた缶ビールが並ぶ。ジャベリンはロシア軍の戦車を倒すために欠くことのできない武器

バス停にロシア軍が残した「Z」の文字/ロシア軍の占領から解放された東部アンドリーウカで自宅前に腰かける81歳の盲目の女性(5月)

キーウ近郊ブチャの墓地で新たな墓を掘る男性(4月)

西部リビウの駅でポーランド行きの電車のために並ぶ避難民たち(3月)

ロシア軍に破壊された9~13世紀頃のダッタン人女性の石像(東部イジューム、9月)/空襲警報の合間に川で釣りを楽しむ少年たち(チェルニヒウ、7月)

盛夏に南部オデーサの街中を歩く女性(8月)

Photographs from " TESTAMENT '22 " by Byron Smith, published by Verlag Kettler

 【連載20周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2024年8月27日号 掲載

この記事の関連ニュース