Infoseek 楽天

月経症状を悪化させる「重大な要因」とは?...婦人科医が明かす

ニューズウィーク日本版 2024年8月31日 10時0分

パンドラ・デワン for WOMAN
<多少の月経周期の乱れは普通だが、健康的な月経を維持するために覚えておきたいこと>

月経を経験したことがある人であれば誰もが知っているが、毎回の月経は異なっている。

月経周期はライフスタイルや体重の変化、感染症など、さまざまな内的・外的要因に強く影響を受けることがあり、なかでも最も大きな要因の1つが「ストレス」だ。

■【関連画像】ボーン医師&オリンピック選手は生理とどう付き合っているの? を見る

 

アメリカ心理学会によると、アメリカの成人の4分の1以上が「ほぼ毎日、ストレスでうまくいかない」と感じており、2022年のマッキンゼーの調査では、働く女性の4割が「常に」または「頻繁に」キャリアでの燃え尽きを感じていると報告されている。

高いレベルのストレスとして、不安、うつ病、心血管疾患、喘息、糖尿病、慢性疲労などの心身の健康問題があり、月経にも影響を与えていることは驚く話ではない。

「健康的な月経を維持するためには、ストレス管理が重要です」と、女性のヘルスケア製品を扱うDaye社の医療ディレクターでもある、メラニー・ボーン医師は本誌に次のように語る。

「ストレスを感じると、コルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンを分泌します。コルチゾールのレベルが高くなると、月経周期を調整しているエストロゲン(卵胞ホルモン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)などの女性ホルモンの分泌が抑制されます。このホルモンの乱れが排卵の遅れや無排卵を引き起こすことにつながるのです」

これは人間の生存にとって重要な役割を果たす側面があることに言及した上で、月経周期の乱れは不安と消耗につながるという。

「慢性的なストレス下にある女性は月経中に激しい生理痛、重い出血、気分の揺れやイライラ感の増加が報告されています。さらにストレスに伴う身体的な緊張が腰痛や頭痛につながることもあります。

ストレスは乳房の痛みや膨満(ぼうまん)感、食欲不振など、月経前症候群(PMS)の症状を悪化させる可能性もあります。

もしPMSに苦しんでいる場合や月経前不快気分障害(PMDD)と診断された場合には、瞑想、運動、鍼治療、長時間の散歩などでストレスに対処することが重要です。コルチゾールレベルが上昇すると、PMSやPMDDが悪化することがあるからです」

ただし、ストレスマネジメントは非常に個人的なものであり、自分に合う方法を見つけるために試行錯誤する必要があるという。

「瞑想、深呼吸、ヨガ、定期的な運動、栄養と全粒穀物が豊富なバランスの取れた食事、適切な睡眠、そして[人や物事の]境界線の設定や過度なコミットメントは断ることを学び、必要に応じてセラピーやカウンセリングを受けることも含まれます」

当然、ストレスだけが月経周期の乱れに影響を与えるわけではなく、その他にも次の要因があるという。

• 食事と栄養
「十分な栄養を摂らないことも、無月経や生理不順につながることがあります」

• 運動習慣
「運動が過剰でも不十分でも、月経周期に悪影響を与えることがあります」

• 睡眠パターン
「十分な睡眠を取らない、または起床時間と就寝時間の変更もコルチゾールのレベルを増加させ、月経が止まったり、生理不順の原因となります。一日8時間という睡眠ルールは、男性の生理に基づいていることに留意してください。多くの女性は9時間の睡眠が必要です」

• 体重の大幅な変化
「体重を急激に増減させると生理不順を引き起こし、全体的なホルモンバランスに影響を与えます」

• 経口避妊薬
「子宮内膜症、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)、更年期のホルモン変動などの症状において月経周期を安定させる一方で、根本的な治療をするものではなく、服用をやめると問題が再発します」

 

多少の月経周期の乱れは普通であるとした上で、自分の月経周期に注意を払い、不規則な状態を単なる『普通のストレス』として無視しないこと。そして、もし生理不順が続く場合には、かかりつけ医や婦人科医など専門家に相談する必要があるとボーン医師は述べる。

ボーン医師&オリンピック選手は生理とどう付き合っているの?

View this post on Instagram A post shared by Daye (@yourdaye)

 

View this post on Instagram A post shared by Daye (@yourdaye)


この記事の関連ニュース