ヴァレンティーナ・マルティネス
<パリ五輪男子バスケットボールで5連覇を達成したアメリカ代表だが、T-MACの愛称で知られる元NBA選手のトレイシー・マグレディは、「大黒柱不在」の次回はより厳しい戦いになるとの見解を示した>
NBA(北米プロバスケットボールリーグ)の元選手で2013年に引退、17年に殿堂入りしたトレイシー・マグレディ(愛称はT-MAC)が、28年ロサンゼルス夏季五輪でアメリカ代表チーム(チームUSA)は金メダルをとれないのではないかという考えを示した。
【動画】「次のオリンピックでアメリカは苦戦する」と語るT-MAC
マグレディは自身のインスタグラムに投稿した動画で、「チームUSAは次のオリンピックで困ったことになる。残念ながら金メダルが他の国へ渡ってしまうかもしれない」と述べている。
「私はアントマン(アメリカ代表アンソニー・エドワーズの愛称)のプレーが大好きだ。ジェイソン・テイタムがどんな活躍をするかも分からない。では、アメリカでこれから頭角を現す選手は誰なのか? パオロ・バンケロを投入できるかもしれない。若手の有望株だからね。クーパー・フラッグもいい。(NBAキャリアの)3年目か4年目に入る頃だろう。私としては、ステフィン・カリーやケビン・デュラント、レブロン・ジェームズ並みの選手を期待しているが、現れる様子はない。(アメリカ代表は)次のオリンピックでは苦戦するかもしれない」
バンケロやフラッグのような前途有望とされる次世代のNBAスターがいるものの、超大物であるステフィン・カリー、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズらのレベルにはまだ及ばない。彼らがコート上で見せるインパクトを再現することは難しい。さらに、アメリカ代表には2028年ロサンゼルス五輪でチームを引っ張っていける明確なリーダーがいない。
デビン・ブッカー、アンソニー・エドワーズ、ジェイソン・テイタム、アンソニー・デイビスが、次のアメリカ代表で「コア4(中核となる4選手)」になるのかもしれない。それぞれに長所があるが、彼らはレブロン・ジェームズのような影響力の大きい選手の穴を埋めることができるだろうか。
他国はすでに台頭しつつある選手たちを国際大会に出場させている。カナダ代表はパリ五輪で、ジャマール・マレー、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、ディロン・ブルックス、RJ・バレットらNBA選手を多数起用。フランスは決勝でアメリカに敗れはしたが、世界の強豪相手にどれほど健闘できるのかを証明してみせた。
「カナダには大きなチャンスがあると思う。ウェンビー(ビクター・ウェンバンヤマ)を擁し、才能豊かな選手を輩出するフランスも優勝に近い」とマグレディは続けた。「このような国々からどんな選手が出てくるのか、とにかく分からない」
パリ五輪で証明されたように、カナダやフランス、セルビアといった国々はいずれも高いレベルで競い合っている。NBAのシーズンMVPに3度輝いたニコラ・ヨキッチ率いるセルビアは準決勝で、アメリカをあと少しで破るところだった(95対91でアメリカが辛勝)。
マグレディは、次の五輪で才能あふれる他国にアメリカが対抗できなくなるのではないかと危惧しており、彼の指摘には一理ある。
アメリカは準決勝でセルビアに辛うじて勝利したが、それは世界で最も偉大なプレイヤーと言っても過言ではないレブロン・ジェームズと、史上最高のシューターであるステフィン・カリーがコート上にいたからだ。
ジェームズ、カリー、デュラントが引退間近であることを考えると、アメリカは近い将来、3人の最強プレイヤーを欠いたロスター(出場登録選手)で戦うことになる。
チームUSAの覇権はもう長くないかもしれない。世界最強のロスターを再建するうえで、アメリカが頼りにできるのは一体誰なのだろうか。
(翻訳:ガリレオ)
インスタグラム投稿で「次のオリンピックでは苦戦するかも」と語るT-MACことトレイシー・マグレディ
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<パリ五輪男子バスケットボールで5連覇を達成したアメリカ代表だが、T-MACの愛称で知られる元NBA選手のトレイシー・マグレディは、「大黒柱不在」の次回はより厳しい戦いになるとの見解を示した>
NBA(北米プロバスケットボールリーグ)の元選手で2013年に引退、17年に殿堂入りしたトレイシー・マグレディ(愛称はT-MAC)が、28年ロサンゼルス夏季五輪でアメリカ代表チーム(チームUSA)は金メダルをとれないのではないかという考えを示した。
【動画】「次のオリンピックでアメリカは苦戦する」と語るT-MAC
マグレディは自身のインスタグラムに投稿した動画で、「チームUSAは次のオリンピックで困ったことになる。残念ながら金メダルが他の国へ渡ってしまうかもしれない」と述べている。
「私はアントマン(アメリカ代表アンソニー・エドワーズの愛称)のプレーが大好きだ。ジェイソン・テイタムがどんな活躍をするかも分からない。では、アメリカでこれから頭角を現す選手は誰なのか? パオロ・バンケロを投入できるかもしれない。若手の有望株だからね。クーパー・フラッグもいい。(NBAキャリアの)3年目か4年目に入る頃だろう。私としては、ステフィン・カリーやケビン・デュラント、レブロン・ジェームズ並みの選手を期待しているが、現れる様子はない。(アメリカ代表は)次のオリンピックでは苦戦するかもしれない」
バンケロやフラッグのような前途有望とされる次世代のNBAスターがいるものの、超大物であるステフィン・カリー、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズらのレベルにはまだ及ばない。彼らがコート上で見せるインパクトを再現することは難しい。さらに、アメリカ代表には2028年ロサンゼルス五輪でチームを引っ張っていける明確なリーダーがいない。
デビン・ブッカー、アンソニー・エドワーズ、ジェイソン・テイタム、アンソニー・デイビスが、次のアメリカ代表で「コア4(中核となる4選手)」になるのかもしれない。それぞれに長所があるが、彼らはレブロン・ジェームズのような影響力の大きい選手の穴を埋めることができるだろうか。
他国はすでに台頭しつつある選手たちを国際大会に出場させている。カナダ代表はパリ五輪で、ジャマール・マレー、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、ディロン・ブルックス、RJ・バレットらNBA選手を多数起用。フランスは決勝でアメリカに敗れはしたが、世界の強豪相手にどれほど健闘できるのかを証明してみせた。
「カナダには大きなチャンスがあると思う。ウェンビー(ビクター・ウェンバンヤマ)を擁し、才能豊かな選手を輩出するフランスも優勝に近い」とマグレディは続けた。「このような国々からどんな選手が出てくるのか、とにかく分からない」
パリ五輪で証明されたように、カナダやフランス、セルビアといった国々はいずれも高いレベルで競い合っている。NBAのシーズンMVPに3度輝いたニコラ・ヨキッチ率いるセルビアは準決勝で、アメリカをあと少しで破るところだった(95対91でアメリカが辛勝)。
マグレディは、次の五輪で才能あふれる他国にアメリカが対抗できなくなるのではないかと危惧しており、彼の指摘には一理ある。
アメリカは準決勝でセルビアに辛うじて勝利したが、それは世界で最も偉大なプレイヤーと言っても過言ではないレブロン・ジェームズと、史上最高のシューターであるステフィン・カリーがコート上にいたからだ。
ジェームズ、カリー、デュラントが引退間近であることを考えると、アメリカは近い将来、3人の最強プレイヤーを欠いたロスター(出場登録選手)で戦うことになる。
チームUSAの覇権はもう長くないかもしれない。世界最強のロスターを再建するうえで、アメリカが頼りにできるのは一体誰なのだろうか。
(翻訳:ガリレオ)
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