マーサ・マクハーディ
<これまでにもセイム川に架かる複数の橋を破壊してきたウクライナ軍。最新の映像には、巨大な水柱が立つ瞬間が>
ウクライナ軍はロシア・クルスク州の浮橋をさらに1つ破壊したとみられ、新たに公開されたソーシャルメディア上で拡散中の動画がその様子を伝えている。
【動画】ロシア軍の「重要な補給路」である浮橋を完全破壊...ウクライナ軍のHIMARAS攻撃で巨大な水柱が立つ瞬間
映像には、ウクライナ軍機がセイム川に架かる浮橋を攻撃する様子が映っている。テレグラムチャンネル「Shrike News」によると、ウクライナ軍は認識していた9つすべての浮橋を破壊したという。
攻撃に使用されたのは、高機動ロケット砲システム「HIMARS」だとみられる。ウクライナ軍はこれまでにもセイム川に架かる橋3つのうち少なくとも2つと、複数の浮橋をそれぞれ別の攻撃で破壊していた。これらの橋はロシア軍が主要な補給路として使用していた。
ロシア国内の前線における衝突は、ウクライナのクルスク侵攻が続く中で激しさを増している。ウクライナは8月6日に越境攻撃を仕掛け、ロシア軍に不意打ちを食らわせた。
この攻勢は第二次世界大戦以来、外国軍がロシア領を占領した初めてのケースだ。ウクライナによれば、同軍がほんの数日間で掌握したロシアの領土は、ロシアが今年に入ってから制圧したウクライナの領土を上回るという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は8月中旬、クルスク州の少なくとも80の集落を掌握したと述べた。
ウクライナはクルスク州で支配下に置いた地域をそのまま保持するつもりはないと述べているが、前線沿いの他の地域の戦力を支えるロシアの補給路を遮断し、破壊力の強い空襲から自国領土を守りたい考えだ。
ウクライナはクルスク州のスジャを集中攻撃し、先週スジャの町とその北西に位置する集落コレネヴォ周辺を完全に制圧したという。コレネヴォの南西にはウクライナとの国境により近いグルシュコフとズヴァンノエがある。
北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のクリストファー・カヴォリ最高司令官は8月13日、ウクライナのクルスク攻勢について語り、ロシアの対応について酷評した。
「ウクライナの侵攻を受けたロシアの対応はいまだにまとまりを欠く。これまでのところ、ロシアの反応は鈍いうえに散漫だ」
カヴォリは米超党派組織の外交問題評議会が主催した会合でそう述べた。
「ロシアでは(ウクライナ軍のクルスク侵攻について)権限の所在が定まっていない」とカヴォリは続け、さらにこう述べた。「ウクライナ国内の軍事作戦についてはロシア国防省が責任を負うが、ロシア国内となると違うのではないか」
本誌はロシアとウクライナ両国の国防省に電子メールでコメントを求めている。
米シンクタンク戦争研究所(ISW)によると、ウクライナはここ1週間、ドネツク州ポクロウシクでロシア軍の攻撃を食い止め、9月6日か7日にはニューヨーク(ニューヨルク)という名の集落の一部を奪還した。
ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は5日、CNNに対して、「敵はここ6日間というもの、ポクロウシク方向で1メートルたりとも進軍していない」と述べた。
一方、ロシアは8月にドネツク州で大きく前進し、93平方マイル(およそ240平方キロ)の領土を制圧。本誌が以前に報じた、2024年の平均的な進軍ペースを大きく上回ったかたちだ。1月から7月までの制圧面積は月平均21平方マイル(およそ54平方キロ)だった。
(翻訳:ガリレオ)
<これまでにもセイム川に架かる複数の橋を破壊してきたウクライナ軍。最新の映像には、巨大な水柱が立つ瞬間が>
ウクライナ軍はロシア・クルスク州の浮橋をさらに1つ破壊したとみられ、新たに公開されたソーシャルメディア上で拡散中の動画がその様子を伝えている。
【動画】ロシア軍の「重要な補給路」である浮橋を完全破壊...ウクライナ軍のHIMARAS攻撃で巨大な水柱が立つ瞬間
映像には、ウクライナ軍機がセイム川に架かる浮橋を攻撃する様子が映っている。テレグラムチャンネル「Shrike News」によると、ウクライナ軍は認識していた9つすべての浮橋を破壊したという。
攻撃に使用されたのは、高機動ロケット砲システム「HIMARS」だとみられる。ウクライナ軍はこれまでにもセイム川に架かる橋3つのうち少なくとも2つと、複数の浮橋をそれぞれ別の攻撃で破壊していた。これらの橋はロシア軍が主要な補給路として使用していた。
ロシア国内の前線における衝突は、ウクライナのクルスク侵攻が続く中で激しさを増している。ウクライナは8月6日に越境攻撃を仕掛け、ロシア軍に不意打ちを食らわせた。
この攻勢は第二次世界大戦以来、外国軍がロシア領を占領した初めてのケースだ。ウクライナによれば、同軍がほんの数日間で掌握したロシアの領土は、ロシアが今年に入ってから制圧したウクライナの領土を上回るという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は8月中旬、クルスク州の少なくとも80の集落を掌握したと述べた。
ウクライナはクルスク州で支配下に置いた地域をそのまま保持するつもりはないと述べているが、前線沿いの他の地域の戦力を支えるロシアの補給路を遮断し、破壊力の強い空襲から自国領土を守りたい考えだ。
ウクライナはクルスク州のスジャを集中攻撃し、先週スジャの町とその北西に位置する集落コレネヴォ周辺を完全に制圧したという。コレネヴォの南西にはウクライナとの国境により近いグルシュコフとズヴァンノエがある。
北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のクリストファー・カヴォリ最高司令官は8月13日、ウクライナのクルスク攻勢について語り、ロシアの対応について酷評した。
「ウクライナの侵攻を受けたロシアの対応はいまだにまとまりを欠く。これまでのところ、ロシアの反応は鈍いうえに散漫だ」
カヴォリは米超党派組織の外交問題評議会が主催した会合でそう述べた。
「ロシアでは(ウクライナ軍のクルスク侵攻について)権限の所在が定まっていない」とカヴォリは続け、さらにこう述べた。「ウクライナ国内の軍事作戦についてはロシア国防省が責任を負うが、ロシア国内となると違うのではないか」
本誌はロシアとウクライナ両国の国防省に電子メールでコメントを求めている。
米シンクタンク戦争研究所(ISW)によると、ウクライナはここ1週間、ドネツク州ポクロウシクでロシア軍の攻撃を食い止め、9月6日か7日にはニューヨーク(ニューヨルク)という名の集落の一部を奪還した。
ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は5日、CNNに対して、「敵はここ6日間というもの、ポクロウシク方向で1メートルたりとも進軍していない」と述べた。
一方、ロシアは8月にドネツク州で大きく前進し、93平方マイル(およそ240平方キロ)の領土を制圧。本誌が以前に報じた、2024年の平均的な進軍ペースを大きく上回ったかたちだ。1月から7月までの制圧面積は月平均21平方マイル(およそ54平方キロ)だった。
(翻訳:ガリレオ)