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「ミートフリー給食」を体験!未来を考える中学生たちの環境配慮への一歩

ニューズウィーク日本版 2024年10月4日 19時0分

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<環境への負荷を軽減する取り組みとして注目されている「ミートフリーマンデー」。東京都中央区立晴海中学校では、特別な「ミートフリー給食」が提供され、生徒たちが実際に体験した>

元ビートルズのメンバー、ポール・マッカートニー氏が提唱する「ミートフリーマンデー」。これは、週に一度、月曜日だけでも肉を食べないことを推奨し、環境負荷の軽減や健康的な食生活を目指すキャンペーンだ。この取り組みは欧米の学校などで広がりを見せているが、最近、日本の中学生たちもその一端を体験した。

生徒たち絶賛...「大豆ミートのシェパーズパイ」

10月2日、東京都中央区立晴海中学校で特別な給食が提供された。この日は水曜日だったものの、いつもとは異なる「ミートフリー」メニューが登場したのだ。メニューは、栄養士が特別に開発した「大豆ミートのシェパーズパイ」。2年3組の生徒たちからは「本物の肉みたい」「毎日でも食べたい」といった声が聞かれ、好評を博した。

右下が栄養士が特別に開発した「大豆ミートのシェパーズパイ」

「本物の肉みたい」と絶賛

今回、中央区立晴海中学校での「ミートフリー給食」実現に向けて動いたのは、中央区のゼロカーボン機運醸成事業において活動するグループ「Team Carbon Zero」。彼らは10代から20代の若者を中心としたグループで、気候変動に関する問題を学びながら解決策を模索・実行しており、中央区全体でカーボンニュートラルを促進することを目指して活動している。

美味しい給食から学ぶ環境問題

当日は、校内放送で畜産業が温室効果ガスの増加に寄与していることや、「ミートフリー給食」の意義が生徒たちに説明された。「私たちは皆さんに、環境のためにお肉を食べないでと言うつもりは全くありません。畜産業やお肉を否定するわけでもなく、美味しいお肉にまつわる文化はもちろん大切に残すべきだと思っています。ただ、環境に配慮したいと感じた時に、気軽にできるアクションの一つとして、ミートフリーを思い出していただけたら嬉しいです」と、Team Carbon Zeroのメンバーはメッセージを送った。

放送を聞いた生徒代表の北上田杏那さんは、「今日初めて、牛が地球温暖化に関係していることを知りました。こうしたソイミートの活動がもっと広がってほしい」と語り、「私に何ができるか、これから考えていきたいです」と前向きな意欲を見せた。

今後、Team Carbon Zeroはどのような活動を展開していくのか。同学校の卒業生である和田 恵さんは、今回の給食の実現に向けて、中央区の環境課を通じて学校側と協力した経緯を説明。「中央区は飲食店が多い街なので、将来的には飲食店でもミートフリーの選択肢が提供される街になればいいと思います」と今後の展望を語った。また、ミートフリーを導入する際の課題について、「多くの飲食店はまだミートフリーを試したことがないため、セミナーなどを通じてその導入を後押しできれば」と述べた。

「ミートフリー給食」を楽しむ生徒たち

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