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「ハリス大敗は当然の帰結」──米左派のバーニー・サンダース上院議員が吠える

ニューズウィーク日本版 2024年11月7日 14時12分

アンドリュー・スタントン
<まず白人労働者を見捨て、それからヒスパニック系と黒人の労働者を見捨てた民主党が、労働者に見捨てられたのは当然だ>

米大統領選でカマラ・ハリス副大統領がドナルド・トランプ前大統領に敗北したことを受けて、2016年と2020年の米大統領選で民主党から立候補して若者旋風を巻き起こしたバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出、無所属)が民主党を厳しく批判した。

歴史的な大接戦が予想されていた今回の大統領選だが、蓋を開けてみればトランプが7つの激戦州すべてを制覇する勢いで当選を確実なものにした一方で、ハリスは有権者から十分な支持を得られなかった。



ハリスの支持者たちから怒りと落胆の入り混じった声が上がるなか、民主党は既に選挙の敗因の分析を始めている。

米大統領選と同時に行われた連邦議会選で無所属の上院議員として再選を果たしたサンダースは、議会では民主党の会派に所属しており、民主党の選挙結果について11月6日に厳しい声明を発表した。

「労働者層を見捨てた民主党が労働者層に見捨てられたという結果は、さほど大きな驚きではない」と彼は述べた。「民主党はまず白人の労働者層の支持を失い、それからさらにラティーノ(中南米系)と黒人の労働者層の支持を失った」

サンダースは、米国民が「怒りを抱え、変化を求めている」なかで民主党指導部が「現状維持」を良しとしたことを厳しく批判した。



「いつしか民主党を支配するようになった富裕層や大企業、高給取りのコンサルタントたちは、この惨憺たる選挙結果から真の教訓を学ぶことができるだろうか。何千万人ものアメリカ人が感じている痛みや政治的な疎外感が、彼らに理解できるだろうか」とサンダースは嘆く。

「大きな経済的・政治的権力を持つ少数独裁体制に挑むには何が必要か、彼らに分かるだろうか。おそらく無理だろう」



サンダースはまた医療や医薬品の価格、AIの台頭やガザ地区の人道危機に対する民主党の対応について懸念を表明。

「草の根の民主主義や経済的公正について懸念を抱いている人々は、今後数週間から数カ月の間にきわめて真剣に政治的議論を行っていく必要がある」

本誌はこの問題についてハリス陣営にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

今回の大統領選に向けた選挙運動の終盤では、各種世論調査でハリスとトランプの支持率が拮抗。両陣営とも、勝敗のカギを握る激戦州では票の再集計が行われる可能性も含めて結果判明までに数日かかる可能性があると予想していた。

だが各種メディアは6日の夕方までに、激戦州のジョージア州、ミシガン州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州とウィスコンシン州でトランプが次々に勝利を確実にした。

ハリスがトランプに敗れた理由について、民主党内では既に意見が割れている。進歩派は、ハリスの敗因は彼女が中道寄りの戦術を取ったことだと批判。ハリスがイスラエルを支持したために、アラブ系の有権者が多いミシガン州で支持を失ったという主張もあった。



出口調査からは、経済や民主主義に対する懸念が有権者の投票行動に影響を及ぼしたことが分かっている。

ハリスは2022年以降インフレ率は低下していると言って経済に対する有権者の懸念を払拭しようとしたが、それでも国の経済状態や方向性に対する有権者の不満を抑え込むことはできなかった。



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