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「こんな物が危険なの?」運転中に胸ポケットに入れると命を脅かす意外な「ある物」

ニューズウィーク日本版 2024年12月31日 10時0分

レイチェル・オコナー
<エアバッグの作動で思わぬリスクに?胸ポケットの「ある物」が事故を深刻化させる可能性がある>

車を運転中にポケットに入れておくと危険な「ある物」について、医療従事者が警告を発信し話題になっている。

東テキサスに住む登録看護師オマール・スナウバー(32歳)は、最近、車で移動中にその「ある物」を胸ポケットに入れておくことの危険性を訴える重要な注意喚起をシェアした。

【動画】「こんな物が危険なの?」運転中に胸ポケットに入れると命を脅かす意外な「ある物」

「これは多くの人が忘れがちなことだと思ったので、注意喚起のためにシェアしようと決めました」とスナウバーは語った。

「車に乗って運転するだけで、身に着けている物や車内にある緩い物が潜在的なリスクになるということを考えない人が多いんです」

@osnoubar Airbags are lifesaving, but they can also be harmful due to the sheer velocity that they are deployed. Putting this out there to make sure people are aware! #psa ♬ original sound - Omar Snoubar

スナウバーが11月13日に自身のTikTokアカウント(@osnoubar)に投稿した動画は、約4万件の「いいね」を集めている。車内でペンを手に持ち、カメラに向かって「運転を始める前にこうした物を取り出しておいてください」と語りかける内容だ。

「ある患者さんが交通事故に巻き込まれ、エアバッグが作動したときに胸ポケットにペンを入れていました。ペンはどこで見つかったと思いますか? 肺腔の中でした」

運転中のIDバッジやストラップ、ペンの着用について警告しながら、彼は「これを皆さんに思い出してほしかっただけです。安全運転を心掛けてください」と付け加えた。

彼によると、その患者の場合、「命を救うはずの物が潜在的なリスクになった」と語った。

「その患者さんは他にも軽傷を負っていましたが、ペンによる怪我が心臓や肺を貫通していたら致命傷になりかねなかった」

本誌はまた、ミズーリ大学医科大学の助教授であり、ボスウェル地域医療センターの外傷サービスディレクターであるジャレッド・L・ロス博士にも取材した。彼は以前、救急隊員や消防士として働いていた経験がある。ロス博士によると、刺突傷は「稀であり、大抵は車外の大きな物によるもので、ポケットの小さな物によるものではない」という。

ペンやストラップが事故で「危険になる可能性は低い」としながらも、「エアバッグと運転者の間に置かれる物はすべて危険になり得る」と認めた。

Statistaによれば、2021年にはアメリカ国内で4万6980件の交通事故死が発生している。薬物過剰摂取と並び、55歳未満の死因トップとなっているのが交通事故だ。

また、今年7月には、国家道路交通安全局(NHTSA)が中古車のエアバッグインフレーターの欠陥について警告を発表した。この欠陥が原因で3人が死亡、2人が負傷したと報告されている。

ロス博士は「車内の重い物による鈍的外傷」がポケットの中の物よりも危険であると警告し、ジムの重り、バックパック、コーヒーマグ、ノートパソコン、さらには犬までが該当すると述べた。

さらに、彼が「今日のドライバーにとって最大の脅威」として挙げたのは「注意散漫運転」だ。スマートフォン、子どもやペット、さらには「食事をする、化粧をする、ハンズフリーでの通話」といったマルチタスクが原因となる。

スナウバーの動画は多くの議論を巻き起こし、数百件のコメントが寄せられた。ある看護師は「ポケットの中を必ず空にしてから出発してください!安全第一!」と34年間の経験を元に賛同した。

また、彼の警告が新たな情報だったという人も多く、「バッジやペンを4本持ったまま運転してる自分を想像した」とコメントが寄せられた。「新しい恐怖が生まれた」と言う人もいれば、「車を空にしなきゃ。全てが飛び道具になる」と語る人もいた。

スナウバーは、動画への反響が「素晴らしい」と述べた。

彼は本誌に対し「今後も同じような注意喚起の投稿を続けていくつもりです」と語った。

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