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ミレニアル世代はペットを「子ども扱い」? 世代ごとの飼い方の違い

ニューズウィーク日本版 2024年12月31日 11時0分

アリス・コリンズ
<ペットを家族の一員として扱うのは当たり前? 世代ごとに異なる「飼い主像」を探る>

すべてのペットの飼い主は、自分が世界一の飼い主だと思いたがるものだ。ペットを同じベッドで寝かせたり、誕生日パーティーを開いてあげたり、お気に入りの散歩道を一緒に歩いたりしているならなおさらだ。

私たちはみな、ペットに想像しうる最高の生活を提供していると信じたいものだが、現実には全員が最高の飼い主であるわけではない。そして、人の年齢がその人がどれほどペットを愛しているか、またどんなタイプの飼い主であるかを判断する最も簡単な指標になると、世代トレンドの専門家ダニエル・レヴィンは述べている。

すべての世代の人々がペットを家族の一員と見なしているが、「どれほど人間的に扱うかの程度」は世代によって大きく異なると、アヴァン・ガイド研究所のディレクターであるレヴィンは本誌に語っている。

レヴィンによれば、ベビーブーマー世代(1946~1964年生まれ)は、伝統的なペットの飼い方を好む傾向があり、若い世代に比べてペットを甘やかすことが少ないという。一方で、ミレニアル世代(1981~1996年生まれ)にとって、ペットはほとんど自分の子ども同然であり、プレゼントやおやつ、高級品などで惜しみなく愛情を注ぐことをいとわない。

では、どの世代が最も優れたペットの飼い主なのか? レヴィンの答えは驚くべきものかもしれない。

「私はベビーブーマー世代が最も優れたペットの飼い主だと思います。なぜなら、彼らはペットを実際のペットとして扱う傾向が最も強いからです」とレヴィンは述べている。

「自分の安心感を求めるあまり、犬に菜食主義を強要したり、過度に甘やかしたりしません」

「これに対して、若いミレニアル世代はペットを自分の子どものように溺愛し、人間と動物の境界を最も曖昧にする傾向があります。彼らはペットのためにパーティーを開いたり、特別な機会に服を着せたり、ソーシャルメディアでペットについて投稿したりします」と同氏は続けた。

ベビーブーマー世代が一方の極端に位置し、ミレニアル世代がその反対側に大きく外れる形で、ジェネレーションXはどこに位置するのかという疑問が生じる。レヴィン氏によれば、ジェネレーションX(1965~1980年生まれ)はその中間に位置しているという。「伝統的なアプローチと現代的なアプローチを最もうまくバランスさせています」と述べている。

Statistaのデータによると、アメリカではミレニアル世代がペットの飼い主の33%を占めており、続いてジェネレーションXが25%、ベビーブーマー世代が24%、ジェネレーションZが16%と最も少ない。

「このように、明確なトレンドがあります」とレヴィンは述べている。

「ミレニアル世代は他の多くの世代よりもペットに多くのお金を使っています。また、人々がペットを人間のように扱うだけでなく、自分がどう扱われたいかの反映としてペットを扱っていると言えるでしょう。特に犬は飼い主の鏡です」

Talker Researchが本誌のために実施した最近の調査(アメリカの成人1000人を対象)によると、ジェネレーションZ(1997~2012年生まれ)はペットに毎月平均148.50ドルを費やしており、これはすべての世代の中で最も高い金額だった。次いでミレニアル世代が136.20ドルで2位だった。

この行動の変化にはいくつかの理由がある。レヴィンによると、それは出産の遅れ、キャリアに集中する人々、子どもに適さない都市部に住む若い大人たちの結果だという。「要するに、子どもを持つよりもペットを飼う方が簡単で安上がりなのです」と述べている。

このように4本足の友達に多くのお金を費やすことが、ジェネレーションZやミレニアル世代を最も優れた飼い主にすると思う人もいるかもしれない。しかし、レヴィン氏によると、それは見過ごすべきでない問題を引き起こす可能性があるという。

「過剰な擬人化が進んでおり、それが彼らを最悪の飼い主にしていると思います。おやつや人間の食べ物でペットを甘やかすことで肥満につながり、飼い主がいない間に分離不安に苦しむペットも多いです」と同氏は述べている。

「興味深いことに、最も若いペットの飼い主であるジェネレーションZは、感情的なサポートやメンタルヘルスのメリットを強調することで、ペットの飼い方を再定義しています」

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