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「人生、このままでいいの?」...今の自分に「いいね!」できない4つの理由

ニューズウィーク日本版 2025年1月8日 14時53分

河田真誠(コンサルタント、僧侶)
<「本当にやりたいことは何だろう?」「こんなはずじゃなかったのに......」と思ってないだろうか? 丁寧に自分と向き合えば、今日から人生が変わりだす。>

あなたは今の自分に「いいね! 」ができるか?「これからの人生をどう生きていこうか」「どうすれば、最高の人生を歩めるだろう」「本当にやりたいことは何だろう?」「こんなはずじゃなかったのに......」と思ってないだろうか?

丁寧に自分と向き合えば、今日から人生が変わりだす。コンサルタント、僧侶として活躍する河田真誠氏のロングセラー『人生、このままでいいの? 最高の未来をつくる11の質問』(CCCメディアハウス)より第3章を抜粋。

 

◇ ◇ ◇

質問1:今の自分に「いいね! 」ができるか?

これまでの人生や日々の生活を客観的に見たとき、迷うことなく自分自身に「いいね!」と言えるだろうか? 他人に「いいね!」と言うのは簡単だけど、自分に「いいね!」をするのは意外に難しい。なぜなら、本心はごまかせないからだ。

本当は納得していないのにごまかして、自分に「いいね!」をしたところで、本当の自分はそれに気づいている。そのズレはどんどん心に積もり、ストレスになっていく。やがて、そのストレスを解消するために、不平不満やグチを言うことになる。

 幸せの形(何が幸せと感じるか)は人それぞれなので、自分なりの幸せを求めればいいと思う。しかし大切なことは、あなたが本当に「いいね!」と感じているかだ。要するに、心から納得いく人生や毎日を送っているのかということ。

この質問は、自分の人生を立ち止まり、見つめ直す質問だ。毎日でも毎週でも、時々、この質問に答えてみてほしい。そして、もし答えが「NO」であれば、その理由を見つけ、改善していきたい。
  
この人生に、納得できている?

僕は、「人生でもっとも大切なことは何?」と問われたら、迷わず「納得して生きること」と言う。

どんな人生を歩もうが人それぞれなので、他人がとやかく言うことではないが、納得できていない人生ほどツライものはない。納得できていないということは、自分で選択や決断をしていないということだ。

僕は小学校の給食が本当にイヤだった。自分で選べないのに、残してはいけないと理不尽なことを言われるからだ。与えられたものを受け取っても、納得していなければグチや不満しか生まれない。自分で納得して選んでいきたい。

たとえば、「働き方」を考えてみよう。「会社に勤める」と「自分で起業する」という大まかに2つの働き方があるとする。

 

サラリーマンは「安定している」というメリットがあり、「自由が少ない」というデメリットがある。起業家には「自由がある」というメリットがあり、「安定していない」というデメリットがあり、どちらにもいい面とそうでない面がある。

納得して起業家を選んでいれば、「今月の売上が少なくてねー」と不安定なことでさえも受け入れ、楽しむことができるだろう。ゲームみたいなものだ。

同じく納得してサラリーマンを選んでいれば、「起業している人は満員電車に乗らなくていいし、自由に休めるし、いいよねー」とはならない。納得していれば、隣の芝生は青く見えないはずだ。

これはサラリーマンと起業家のどちらがいいかという話ではない。納得して選んでいるのか? という話だ。

自分で決断すれば、少なくともグチや不平不満は生まれないはずだ。不満なら自分の選択を変えればいいだけなのだから。納得するということは、それぞれの違いを理解した上で、自分で考えて決断することだ。

なぜ、自分に「いいね!」できないのだろう?

もし、今の自分に「いいね!」と言えないとしたら、その理由は何だろうか。その理由をぜひ考えてみてほしい。考えてもらった上で、僕が思う理由がいくつかあるので、解決アイデアも含めて紹介していきたい。

1つ目の理由は、ものの見方、考え方のクセだ。あなたは「あるものを見るクセの人」なのか、「ないものを見るクセの人」だろうか。

コップに半分入っている水を見たときに「まだ半分ある」と思う人は「あるものを見るクセの人」、「あと半分しかない」と思う人は「ないものを見るクセの人」だ。

このクセが人生に大きく影響している。幸せな人と、そうでない人がいるとしたら、それは「どちらを見ているか」の違いによるところが大きい。

 

「ないもの」を見ている人はどれだけ多くのものを手にしても、「まだまだ足りない」と思うだけで満足することはない。死ぬまで幸せを感じることはないだろう。

一方で、毎日の些さ細さいなことに幸せを見つけることができる人もいる。「今日はいい天気で気持ちいいな」「たまたま入ったお店のランチがおいしかったな」など。

この人は常に「あるもの」を見ているので、どんな状態であろうと幸せを感じることができる。

自分に「いいね!」と言えるか言えないかの違いは「いいね!」と言える面を見ているか、そうでない面を見ているかだ。まずは、毎日の中にある些細な「いいね!」を見つけることから始めてみるといい。

2つ目の理由は、何が幸せかがわからないことだ。僕もそうだったが、学生の頃には将来どうしたいかなんて、まったくイメージできなかった。理想がわからないから、それをつくっていくこともできない。

これは自分に向き合っていないことと、選択肢が圧倒的に足りないことが原因だが、このことは本書全体のテーマなので、各所を読んでいただきたい(のちほど、夢を見つける質問も紹介する)。

むしろ問題は、夢や生き方など幸せの選択肢が足りていないことだ。[編集部注:本書の]第1章でも書いたように、選択肢がないと選べない。今すぐにでも本屋や映画館に行って、自叙伝や小説など人生のストーリーに触れて人生のメニューを増やしてほしい。

また、人との出会いもオススメだ。近所の居酒屋に行ってみれば、いろんな人がいるだろう。そんな人と話をしてみるなど、できるだけ多くの人の人生に触れることで、その人が何に幸せを感じており、どんな夢を持っているのかを知ることがオススメだ。

大切なことは、「これまでに触れたことがない」だ。同じものに触れても世界は広がらない。読んだことのない本、会ったことのないようなタイプの人と触れ合ってみると、世界は広がるだろう。

そのときに「この人とは違う」と自分の身を守りがちだが、それでは何の意味もない。違うことを楽しむことが大切だ。

 

3つ目の理由は、「過程を楽しめていない」からだ。たとえば、夢の途中であるとか、結婚したいけどできないでいるとか、もっと仕事をバリバリしたいけど実力が伴ともなわないなどのように、どうなると幸せかを自分はわかっているが、それが叶っていない夢の途中にいるから今は「いいね!」とは言えないという状態だ。

自分が思う最高の状態がわかっていてまだ実現していないのであれば、「いいね!」と言いにくいかもしれない。しかし、その過程を楽しむことはできる。

夢は叶ってしまえば現実でしかない。あんなに心がウキウキしていたこともすぐに慣れてしまい、もっと大きな次の夢を見始める。人は満足することなく、もっともっとを求める生き物だ。

叶うことだけが「いいね!」だとすると、人生の大半は「いいね!」ではない時間になってしまう。チャレンジすること自体を心から楽しみ、そんな自分にも「いいね!」をしてあげよう(というよりも、楽しいと思えるチャレンジだけをしたほうがいい。そうでないと続かないから)。

最後になるが、4つ目の理由として「やっていない」という理由もある。理想もそこにたどり着く方法もわかっているけど、なぜか一歩が踏み出せないという状態だ。

人は変化を怖れる生き物なので、現状を変えたいと頭では考えていても、ついつい昨日と同じ毎日を過ごしてしまうこともある。

この解決アイデアとしては、自然に行動してしまうほど心からワクワクする未来を描くか、もうガマンできなくなるまで「いいね!」とは思えない毎日を過ごしてみるかのどちらかだ。

いずれにせよ、周りの人が変えてくれることはない。自分の背中は自分で押すしかないのだ。

河田真誠
1976年生まれ。しつもん経営研究所 (有)代表取締役。集客、 問題解決、マネジメント、営業など、企業コンサルティングでの「しつもん」のノウハウをまとめて、「しつもん経営」としてプログラム化し、多くの企業にコンサルティングや研修として提供している。著書に『革新的な会社の質問力』(日経BP)など多数。

 『人生、このままでいいの? 最高の未来をつくる11の質問』
  河田真誠[著]
  CCCメディアハウス[刊]

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