エリー・クック
<ウクライナ国防省情報総局が公開したのは、ロシア軍急襲部隊の指揮官をザポリージャ州で襲撃し、殺害に成功したドローン攻撃の瞬間映像だった>
ウクライナ国防省情報総局(GUR)は、同国南東部ザポリージャ州で無人機(ドローン)を使用した「待ち伏せ」作戦を実行し、ロシア軍の高官を殺害したと発表した。「攻撃」実施の瞬間はドローンに搭載されたカメラで撮影されており、そこには高官を乗せた自動車が空中のドローンに襲撃される生々しい様子が残されている。
■【動画】ロシア軍の指揮官を「精密攻撃」で殺害...逃げ惑う車を「自爆ドローン」が襲撃する生々しい映像
GURは1月5日に発表した声明の中で、クラーケン特殊部隊が2024年12月下旬にロシア軍第429自動車化狙撃旅団の傘下にある急襲部隊「ストームオセチア大隊」のセルゲイ・メルニコフ参謀長を「排除」したと述べた。
本誌はこの件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。
ロシア軍は1年前からウクライナ東部で着実に進軍を遂げ、ウクライナは軍事的にも経済的にも厳しい状況に直面してきた。そうしたなかで、ロシア軍の高級指揮官をピンポイントで標的にするという手法はウクライナにとって重要な戦略となっている。
ドナルド・トランプ米次期大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナとの停戦合意を仲介するかどうかが不透明な中、ロシアもウクライナも交渉が実現した場合に優位に立てるようにと戦闘にリソースを投入している。
ハイウェイ走行中の自動車に待ち伏せ攻撃
こうしたなかGURは、メルニコフがいつ・どこにいるのかを示す情報を入手したという。情報によればメルニコフを乗せた車は、ロシアが支配するドニプロ川東岸の集落ヴァシリウカと(同じくロシアが支配する)ザポリージャ州の輸送拠点トクマクを結ぶハイウェイを走行しているということだった。
そこでウクライナ軍はFPV(一人称視点)ドローンを使った「待ち伏せ」を計画した。FPVドローンは安価ながらも効果的で、ロシア軍とウクライナ軍が広く使用している。
このドローンによってメルニコフを乗せた車両の運転手を恐怖に陥れることに成功したとGURは説明した。GURは「怯えた運転手が急ハンドルを切り、車は(道路脇の)溝に突っ込んだ。その後、特殊部隊の隊員が自爆ドローン(FPVドローン)をフロントガラスに衝突させた」と述べ、これによりメルニコフと運転手が死亡したと明らかにした。
GURは攻撃の様子をFPVドローンから撮影したとされる動画をインターネット上で共有した。本誌はこの動画の信ぴょう性について、独自に確認することができていない。
アゾフ大隊の退役軍人で構成する特殊部隊が作戦を実行
クラーケン特殊部隊はウクライナの準軍事組織「アゾフ大隊」の退役軍人で構成された有名なボランティア部隊だ。ウクライナ軍の報道官が米ワシントン・ポスト紙に述べたところによれば、彼らは2022年2月にロシア軍がウクライナに軍事侵攻を開始した当初、最前線でウクライナの防衛に携わっていた。
GURは次のような声明を発表した。「2024年12月29日、ヴァシリウカ-トクマク間を結ぶハイウェイにて『クラーケン』特殊部隊のFPV作戦部隊に所属する兵士らが、ロシア軍第429自動車化狙撃旅団の急襲部隊『ストームオセチア大隊』のセルゲイ・カマ・メニルコフとその運転手を排除した」
ザポリージャでも戦闘が続いているが、最も激しい戦闘が展開されているのは隣接するドネツク州だ。今後ロシア軍がトクマクや近郊のチャシウ・ヤル、および戦略的要衝であるポクロウシク周辺の制圧を試みるなかで、ドネツク州ではとりわけ激しい衝突が続くことが予想される。
<ウクライナ国防省情報総局が公開したのは、ロシア軍急襲部隊の指揮官をザポリージャ州で襲撃し、殺害に成功したドローン攻撃の瞬間映像だった>
ウクライナ国防省情報総局(GUR)は、同国南東部ザポリージャ州で無人機(ドローン)を使用した「待ち伏せ」作戦を実行し、ロシア軍の高官を殺害したと発表した。「攻撃」実施の瞬間はドローンに搭載されたカメラで撮影されており、そこには高官を乗せた自動車が空中のドローンに襲撃される生々しい様子が残されている。
■【動画】ロシア軍の指揮官を「精密攻撃」で殺害...逃げ惑う車を「自爆ドローン」が襲撃する生々しい映像
GURは1月5日に発表した声明の中で、クラーケン特殊部隊が2024年12月下旬にロシア軍第429自動車化狙撃旅団の傘下にある急襲部隊「ストームオセチア大隊」のセルゲイ・メルニコフ参謀長を「排除」したと述べた。
本誌はこの件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。
ロシア軍は1年前からウクライナ東部で着実に進軍を遂げ、ウクライナは軍事的にも経済的にも厳しい状況に直面してきた。そうしたなかで、ロシア軍の高級指揮官をピンポイントで標的にするという手法はウクライナにとって重要な戦略となっている。
ドナルド・トランプ米次期大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナとの停戦合意を仲介するかどうかが不透明な中、ロシアもウクライナも交渉が実現した場合に優位に立てるようにと戦闘にリソースを投入している。
ハイウェイ走行中の自動車に待ち伏せ攻撃
こうしたなかGURは、メルニコフがいつ・どこにいるのかを示す情報を入手したという。情報によればメルニコフを乗せた車は、ロシアが支配するドニプロ川東岸の集落ヴァシリウカと(同じくロシアが支配する)ザポリージャ州の輸送拠点トクマクを結ぶハイウェイを走行しているということだった。
そこでウクライナ軍はFPV(一人称視点)ドローンを使った「待ち伏せ」を計画した。FPVドローンは安価ながらも効果的で、ロシア軍とウクライナ軍が広く使用している。
このドローンによってメルニコフを乗せた車両の運転手を恐怖に陥れることに成功したとGURは説明した。GURは「怯えた運転手が急ハンドルを切り、車は(道路脇の)溝に突っ込んだ。その後、特殊部隊の隊員が自爆ドローン(FPVドローン)をフロントガラスに衝突させた」と述べ、これによりメルニコフと運転手が死亡したと明らかにした。
GURは攻撃の様子をFPVドローンから撮影したとされる動画をインターネット上で共有した。本誌はこの動画の信ぴょう性について、独自に確認することができていない。
アゾフ大隊の退役軍人で構成する特殊部隊が作戦を実行
クラーケン特殊部隊はウクライナの準軍事組織「アゾフ大隊」の退役軍人で構成された有名なボランティア部隊だ。ウクライナ軍の報道官が米ワシントン・ポスト紙に述べたところによれば、彼らは2022年2月にロシア軍がウクライナに軍事侵攻を開始した当初、最前線でウクライナの防衛に携わっていた。
GURは次のような声明を発表した。「2024年12月29日、ヴァシリウカ-トクマク間を結ぶハイウェイにて『クラーケン』特殊部隊のFPV作戦部隊に所属する兵士らが、ロシア軍第429自動車化狙撃旅団の急襲部隊『ストームオセチア大隊』のセルゲイ・カマ・メニルコフとその運転手を排除した」
ザポリージャでも戦闘が続いているが、最も激しい戦闘が展開されているのは隣接するドネツク州だ。今後ロシア軍がトクマクや近郊のチャシウ・ヤル、および戦略的要衝であるポクロウシク周辺の制圧を試みるなかで、ドネツク州ではとりわけ激しい衝突が続くことが予想される。