千歳香奈子
<ジェイミー・リー・カーティス、シャロン・ストーン、パリス・ヒルトン、ビヨンセ...他にも多くの著名人が被災者への支援に動いている。なかには自宅や友人を失ったセレブも>
現地時間1月7日に米ロサンゼルスで発生した山火事は、1週間が経過しても収まる気配はなく、15日現在も西部の高級住宅地パシフィック・パリセーズや北東部イートン地区など複数箇所で延焼を続けている。
【写真】【動画】クローゼットの服すべてを寄付したハル・ベリー、食料や物資を届けたヘンリー&メーガン夫妻...ほか、LA山火事の被災者支援に動くセレブたち
これまで1万2300棟以上の建物が焼失しているが、特に被害の大きかったパシフィック・パリセーズは海を見下ろす高台にある美しいコミュニティーが焼け野原と化し、アンソニー・ホプキンスら多くのセレブも自宅を失った。
炎は隣接する海沿いのマリブにまで燃え広がり、パリス・ヒルトンやメル・ギブソンらの豪邸も焼け落ちるなど、ハリウッドのエンターテイメント界にも大きな影響を及ぼしている。
ロサンゼルス史上最悪の火災に収束の兆しはまだ見えていないが、ハリウッドセレブたちの間では早くも支援の輪が広がっている。なかには自らも避難を余儀なくされたり、家を失いながらも被災者に手を差し伸べているセレブたちもいる。
「おそらく私の家も燃えてしまったと思う」と緊迫した状況をインスタグラムで綴っていた映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でオスカーを受賞した女優ジェイミー・リー・カーティスは、翌日に出演したテレビのトーク番組で時折涙目になりながら「コミュニティーが消えた」と話し、「西海岸に知り合いがいるかいないかに関わらず、何でもできることで行動してほしい」「献血でも赤十字への寄付でも何でもいいので」と視聴者に支援を訴えた。
自宅は無事だったジェイミーは9日、「壊滅的な山火事の支援のために家族の財団から100万ドルを寄付します」と発表した。
映画『氷の微笑』などで知られる女優シャロン・ストーンは、家を失った友人のために自宅を避難所として提供していることを明かすと同時に、被災した人たちのために衣類の寄付を受け付けているビバリーヒルズのブティックをインスタグラムで紹介。「古着や靴、寝具などを必要としている人のために寄付してほしい」と呼びかけ、被災者にも「店頭で必要な物資を受け取ることができる」と伝えた。
オスカー女優ハル・ベリーは、シャロンの投稿を自身のインスタグラムで共有し、「クローゼットの洋服すべてを持って向かいます! 南カリフォルニア地域に住んでいるなら、ぜひそうして下さい。基本的な生活必需品を必要としている被災した家族全員を助けるために、今すぐできることです」と綴り、シャロンのリーダーシップに感謝の意を示した。
テレビのニュースでマリブビーチに面した自宅が燃える様子を家族と共に見ていたことを明かしたパリスは、幼い2人の子供を持つ母親として同じ境遇の被災者家族を支援するため緊急基金を立ち上げ、短期住宅やホテルの提供、避難所への必需品の配達、動物シェルターの支援に充てると発表し、72時間で80万ドルを集めた。
さらに、自身の非営利団体「11:11メディア・インパクト」を通じ、被災した150世帯に直接的な現金支援を行うため15万ドルをGoFundMeの山火事支援基金に寄付をしたことも伝えられている。
母ティナ・ノウルズがパシフィック・パリセーズの自宅を失い、自らも家族と共に火災現場近郊の自宅からラスベガスに避難したと伝えられるビヨンセは、自身が運営する財団「BeyGOOD」を通じて250万ドルを寄付することをインスタグラムで表明。家を失ったイートン地区の家族や被害を受けた人々のニーズに対応するために教会やコミュニティセンターを支援する目的に使われると明かした。
火災で友人を亡くしたことを涙ながらに明かした女優ジェニファー・ガーナーは、被災者に暖かい食事を提供する活動を行う慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」で避難民に食事を提供するボランティアに参加。
自ら創設者の著名シェフ、ホセ・アンドレスに連絡をして支援に加わったというジェニファーは、多くの家が失われた中で自らは家の中を歩いていることに一種の罪悪感を覚えると語り、「私に何ができるのか、どうやって助けられるのか、自分が提供できるものは何か、考えている」と述べている。
ヘンリー王子とメーガン妃も10日、マスク姿でイートン火災現場近くに設置されたWCKをサプライズ訪問し、食料や物資を届けた。
被災した友人や知人にロサンゼルス北部モンテシートの自宅も開放しているという夫妻は、被災した高齢者やボランティアらと交流する様子が地元テレビ局によって報じられた。夫妻はさらに、被災地にも足を延ばして焼け落ちた家なども見て回り、消防士たちを激励。近郊のパサデナの市長は「救急隊員の士気を高めてくれた」と夫妻を称賛した。
しかし、ホセとハグをしたり、手をつないで現地で歩く2人に対し、「自分たちのPR活動」「災害観光客」などと批判が殺到。滞在時間はごくわずかだったとの情報もあり、「本当に心配しているなら、ジェニファーのようにひっそりと現れて裏方の仕事をすべき」など、同じくWCKでボランティア活動をしたジェニファーと行動を比較する声も寄せられている。
火災発生後に自らの下着ブランド「SKIMS」のセール告知をして炎上したキム・カーダシアンは12日、インスタグラムのストーリーで「この街を守る勇敢な救急隊員に重要な資源を提供するためロサンゼルス消防財団に寄付します」と発表。
さらに、山火事の被害を受けた家族に衣類や下着など必需品を寄付したことも明かした。オムツや衣服などを必要としている子供たちに届ける活動をしている慈善団体Bay2Bayを寄付先に選んだキムは、自身と一緒に同組織を支援してほしいとフォロワーに呼びかけている。
[筆者]
千歳香奈子
北海道・札幌市出身。1992年に渡米し、カリフォルニア州サンタモニカ大学で写真を学ぶ。96年アトランタ五輪の取材アシスタントとして日刊スポーツ新聞社アトランタ支局に勤務。ロサンゼルス支局、東京本社勤務を経て99年よりロサンゼルスを拠点にハリウッドスターら著名人へのインタビューや映画、エンターテイメント情報等を取材、執筆している。日刊スポーツ新聞のサイトにてハリウッド情報や西海岸のトレンドを発信するコラムも寄稿中。著書に『ハリウッド・セレブ』(学研新書)。
<ジェイミー・リー・カーティス、シャロン・ストーン、パリス・ヒルトン、ビヨンセ...他にも多くの著名人が被災者への支援に動いている。なかには自宅や友人を失ったセレブも>
現地時間1月7日に米ロサンゼルスで発生した山火事は、1週間が経過しても収まる気配はなく、15日現在も西部の高級住宅地パシフィック・パリセーズや北東部イートン地区など複数箇所で延焼を続けている。
【写真】【動画】クローゼットの服すべてを寄付したハル・ベリー、食料や物資を届けたヘンリー&メーガン夫妻...ほか、LA山火事の被災者支援に動くセレブたち
これまで1万2300棟以上の建物が焼失しているが、特に被害の大きかったパシフィック・パリセーズは海を見下ろす高台にある美しいコミュニティーが焼け野原と化し、アンソニー・ホプキンスら多くのセレブも自宅を失った。
炎は隣接する海沿いのマリブにまで燃え広がり、パリス・ヒルトンやメル・ギブソンらの豪邸も焼け落ちるなど、ハリウッドのエンターテイメント界にも大きな影響を及ぼしている。
ロサンゼルス史上最悪の火災に収束の兆しはまだ見えていないが、ハリウッドセレブたちの間では早くも支援の輪が広がっている。なかには自らも避難を余儀なくされたり、家を失いながらも被災者に手を差し伸べているセレブたちもいる。
「おそらく私の家も燃えてしまったと思う」と緊迫した状況をインスタグラムで綴っていた映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でオスカーを受賞した女優ジェイミー・リー・カーティスは、翌日に出演したテレビのトーク番組で時折涙目になりながら「コミュニティーが消えた」と話し、「西海岸に知り合いがいるかいないかに関わらず、何でもできることで行動してほしい」「献血でも赤十字への寄付でも何でもいいので」と視聴者に支援を訴えた。
自宅は無事だったジェイミーは9日、「壊滅的な山火事の支援のために家族の財団から100万ドルを寄付します」と発表した。
映画『氷の微笑』などで知られる女優シャロン・ストーンは、家を失った友人のために自宅を避難所として提供していることを明かすと同時に、被災した人たちのために衣類の寄付を受け付けているビバリーヒルズのブティックをインスタグラムで紹介。「古着や靴、寝具などを必要としている人のために寄付してほしい」と呼びかけ、被災者にも「店頭で必要な物資を受け取ることができる」と伝えた。
オスカー女優ハル・ベリーは、シャロンの投稿を自身のインスタグラムで共有し、「クローゼットの洋服すべてを持って向かいます! 南カリフォルニア地域に住んでいるなら、ぜひそうして下さい。基本的な生活必需品を必要としている被災した家族全員を助けるために、今すぐできることです」と綴り、シャロンのリーダーシップに感謝の意を示した。
テレビのニュースでマリブビーチに面した自宅が燃える様子を家族と共に見ていたことを明かしたパリスは、幼い2人の子供を持つ母親として同じ境遇の被災者家族を支援するため緊急基金を立ち上げ、短期住宅やホテルの提供、避難所への必需品の配達、動物シェルターの支援に充てると発表し、72時間で80万ドルを集めた。
さらに、自身の非営利団体「11:11メディア・インパクト」を通じ、被災した150世帯に直接的な現金支援を行うため15万ドルをGoFundMeの山火事支援基金に寄付をしたことも伝えられている。
母ティナ・ノウルズがパシフィック・パリセーズの自宅を失い、自らも家族と共に火災現場近郊の自宅からラスベガスに避難したと伝えられるビヨンセは、自身が運営する財団「BeyGOOD」を通じて250万ドルを寄付することをインスタグラムで表明。家を失ったイートン地区の家族や被害を受けた人々のニーズに対応するために教会やコミュニティセンターを支援する目的に使われると明かした。
火災で友人を亡くしたことを涙ながらに明かした女優ジェニファー・ガーナーは、被災者に暖かい食事を提供する活動を行う慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」で避難民に食事を提供するボランティアに参加。
自ら創設者の著名シェフ、ホセ・アンドレスに連絡をして支援に加わったというジェニファーは、多くの家が失われた中で自らは家の中を歩いていることに一種の罪悪感を覚えると語り、「私に何ができるのか、どうやって助けられるのか、自分が提供できるものは何か、考えている」と述べている。
ヘンリー王子とメーガン妃も10日、マスク姿でイートン火災現場近くに設置されたWCKをサプライズ訪問し、食料や物資を届けた。
被災した友人や知人にロサンゼルス北部モンテシートの自宅も開放しているという夫妻は、被災した高齢者やボランティアらと交流する様子が地元テレビ局によって報じられた。夫妻はさらに、被災地にも足を延ばして焼け落ちた家なども見て回り、消防士たちを激励。近郊のパサデナの市長は「救急隊員の士気を高めてくれた」と夫妻を称賛した。
しかし、ホセとハグをしたり、手をつないで現地で歩く2人に対し、「自分たちのPR活動」「災害観光客」などと批判が殺到。滞在時間はごくわずかだったとの情報もあり、「本当に心配しているなら、ジェニファーのようにひっそりと現れて裏方の仕事をすべき」など、同じくWCKでボランティア活動をしたジェニファーと行動を比較する声も寄せられている。
火災発生後に自らの下着ブランド「SKIMS」のセール告知をして炎上したキム・カーダシアンは12日、インスタグラムのストーリーで「この街を守る勇敢な救急隊員に重要な資源を提供するためロサンゼルス消防財団に寄付します」と発表。
さらに、山火事の被害を受けた家族に衣類や下着など必需品を寄付したことも明かした。オムツや衣服などを必要としている子供たちに届ける活動をしている慈善団体Bay2Bayを寄付先に選んだキムは、自身と一緒に同組織を支援してほしいとフォロワーに呼びかけている。
[筆者]
千歳香奈子
北海道・札幌市出身。1992年に渡米し、カリフォルニア州サンタモニカ大学で写真を学ぶ。96年アトランタ五輪の取材アシスタントとして日刊スポーツ新聞社アトランタ支局に勤務。ロサンゼルス支局、東京本社勤務を経て99年よりロサンゼルスを拠点にハリウッドスターら著名人へのインタビューや映画、エンターテイメント情報等を取材、執筆している。日刊スポーツ新聞のサイトにてハリウッド情報や西海岸のトレンドを発信するコラムも寄稿中。著書に『ハリウッド・セレブ』(学研新書)。