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ロシア西部の「Su25戦闘機」工場にウクライナ軍ドローン攻撃...工場は炎上、「撃墜の瞬間」映像も拡散

ニューズウィーク日本版 2025年1月24日 18時30分

イザベル・バンブルーゲン
<スホーイSu25戦闘攻撃機などを製造しているロシア西部スモレンスクの工場を狙った大規模攻撃をウクライナが実施。現場のものとされる映像がSNSに出回る>

ウクライナ軍が、ロシア西部スモレンスク州にあるスホーイSu25戦闘攻撃機の製造工場に向けて大規模なドローン攻撃を実施した。直後には、工場での火災の発生が報告されている。SNSにもこのときの現場の様子を映したものとされる動画のほか、ロシアの防空システムがドローンを撃墜する瞬間とされる動画なども出回っている。

■【動画】ロシア戦闘機の工場をドローンが襲撃 炎上する工場、超低空での撃墜...緊迫の映像

本誌はこの件についてロシア外務省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

1月21日の朝に実施されたドローン攻撃は、旧ソ連が開発した地上攻撃機Su25とKh-55およびKh-59ミサイルを製造しているスモレンスク航空工場を狙ったものだと報じられている。いずれの兵器もロシアがウクライナ侵攻で使用しているものだ。

ウクライナはロシアによる軍事侵攻が始まって以降、ロシアの戦闘遂行能力を支える各種施設を攻撃の標的にしてきた。特に昨年後半からは、長距離ミサイルを含む兵器を用いてロシア国内の施設への攻撃を激化させてきた。これらの標的には飛行場、軍需工場、弾薬庫や倉庫、石油の貯蔵施設や精製所が含まれる。

ロシア側は攻撃を阻止して「犠牲者はいない」と強調

ウクライナ国家安全保障国防会議の傘下にある「偽情報対策センター」のアンドリー・コバレンコ所長は今回の攻撃について、スモレンスク航空工場を狙ったものだと認め、同工場はロシア国防省とつながりがあり、ロシア軍の航空機に部品を供給していると指摘した。

ロシアの独立系ジャーナリストが運営するテレグラムチャンネル「アストラ」は、ウクライナ軍によるドローン攻撃の後、同工場で火災が発生したと伝え、火災の様子を捉えたとされる動画を公開した。本誌はこの映像の撮影時期や場所について、独自に確認することはできなかった。

コバレンコは21日、テレグラムへの投稿で「スモレンスク航空工場が攻撃を受けた。軍用機、中でもSu25戦闘攻撃機の製造と近代化に関与している工場だ」と述べ、さらにこう続けた。

「同工場は航空設備の総点検や保守管理も行っており、この施設のおかげでロシアは旧式の航空モデルの戦闘能力を維持することができている」

「スモレンスク航空工場はロシア防衛産業の基盤を支えるその他の企業と密接につながっており、部品の供給や現代的な航空機システムの開発に関与している。このような工場を攻撃することで、ロシアが自国の航空機を戦闘可能な状態に保つ能力を破壊することになる」

トランプ就任を受けて「戦果」を急ぐウクライナとロシア

スモレンスク州のワシリー・アノヒン知事は21日、テレグラムで次のように述べた。「ウクライナがドローンを使用してスモレンスク州にある対象物への攻撃を試み、ロシア国防省の防空部隊がこれを阻止した。地元保健省から入っている初期段階の情報によれば、この攻撃による犠牲者は出ていない」

「ドローンの破片が落下したことにより、地上および複数の建物の屋根で火災が発生した。複数の民家の窓も損傷を受けた。現場では緊急サービスが対応に当たっている」

ウクライナは今後もロシア領内の軍事的な標的に対する攻撃を続ける方針だ。ドナルド・トランプ米大統領が任期中に和平交渉の仲介を行う可能性があることを見据えて、ウクライナもロシアも戦果を急いでいる。



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