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なぜ「ファスティング」は「筋トレ」と同じなのか? ...間食をやめるだけで、あなたはすでに成功している

ニューズウィーク日本版 2025年2月7日 12時40分

イヴ・メイヤー(コンサルタント)、メーガン・ラモス(臨床研究者・〈ザ・ファス ティング・メソッド〉共同設立者)
<ファスティングとは単なるダイエットではない。ホルモンの働きを整えることで、心と体をベストコンディションに作り上げること>

脳の働きが良くなり、スッキリ。認知機能・学習機能・記憶力もアップ。ファスティングは、単なる減量やダイエットではなく、中毒、羞恥心、罪悪感など精神的、感情的な問題にも効果がある...。

日本でも有名になった「トロント最高の医師」ジェイソン・ファンらによる読んですぐに実践できる、ファスティングの決定版!『トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング』(CCCメディアハウス)より一部編集・抜粋。

 

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ファスティングをすると幸福感に包まれ、心が平穏になって虹が見えたり、将来が明るく見えたり、ユニコーンの姿まで見えるようになったりするという人がいる。あなたも、そんなひとりだろうか? もしそうなら、おめでとう! うらやましいかぎりだ。

冗談はさておき、ファスティングを始めると頭がすっきりして集中力も増すし、夜もよく眠れるようになり、体にエネルギーがみなぎってくるという人が大勢いる。始めてから数時間でそれを実感する人もいれば、数日、あるいは数週間かたってから実感する人もいる。

人によってファスティングへの反応はまちまちだ。だから、誰にでも効果のある理想的なファスティング計画というものはない。自分で試して、自分で見つけるしかないのだ。本書で紹介する簡単な方法のいずれかをやってみて目標を達成できるなら、それ以上に厳しいファスティングをする必要はないだろう。

体重を減らしたいなら、苦痛や忍耐は当たり前だと私たちは教えられてきたけれど、そんな考え方をするのはもうやめた。もう二度とそんなやり方はしない。目標を達成してそれを維持するためには、ただ食べる回数を減らして、最低限の運動だけをしようと思っている。

そう、あなたにも、自分にもっと優しくなってもらいたいし、そうすることで、本当に自分に合っていると思える方法を見つけてもらいたい。信じられないって? いまの私は健康だし、自分に優しくできる。正直に言うと、いまの自分は最高だと思っている!

ファスティングは筋肉を鍛えるのと同じようにやるといい。なかには、ファスティングの筋肉がほかの人よりも強くて、すぐにうまくいく人もいるだろう。

なまっている筋肉もあるだろうし、すぐに回復する筋肉もあるかもしれない。あなたのファスティングの筋肉をうまく使うためには、柔軟性が大切だ。いきなり数日間のファスティングを始めるのではなく、まずは初歩的なところから始めること。

ファスティングの筋肉の強さを決める要素はいろいろある。たとえば、インスリン値が高い人はつねにお腹が空いている状態なので、ファスティングに耐えるのは大変だ。そのほか、治療中の人や健康問題を抱えている人は(たとえば糖尿病など)、数日にわたるファスティングはできない。習慣も関係してくる。

 

一日に何度も食べなければいけない人もいるだろうし(その場合丸一日ファスティングをするのは無理だ)、いままでの慣例をなくしたくないという人もいるだろう。それでも大丈夫。あなたに合ったやり方がある。

ふたつのことを心がけていれば、ファスティングの筋肉を強くすることができる。まず、シンプル・ファスティングから始めて、徐々に目標を高くしていくこと。ゆるやかに始めて、1週間ごとにやり方を変えていけばいい。少しずつやり方を変えていけば、思わぬ副作用を減らすこともできる。

次に、ファスティングには着実に取り組むこと。ファスティングの筋肉は定期的に使わないと強くならない。1年に4回しかジムに行かないようでは、筋肉がつかないのと同じだ。

体にストレスをかけるのは、いい面と悪い面がある。あるストレスは筋肉の成長を助けるけれど、ストレスがかかりすぎると有害にもなる。とくに、生活にファスティングを取り入れるのが不安な人にとって、この考え方は大切だ。

最終的に多くの人が目指しているのは、36時間のファスティングを週に3回行うことだ。これを難なくできる人もいるけれど、そういう人は稀だ。ほとんどの人は一日に3回食事をして、間食をやめることから始める。

そう、祖父母のやっていたことと同じだ。いまの私たちの食生活は、少しずつ何度も食べたり、食事よりも間食のほうが多かったりするので、初めは一日に3回しか食べないということすら、大変に思えるかもしれない。けれども、そのうち食事だけをして間食をしないようにするのが、楽にできるようになる。

私の患者で26歳になるある男性は、この方法で、ファスティングによる効果を得ることができた。彼は大学院で14キロ太り、とくに健康に問題はなかったが、太ったことが気に入らなかった。そこで、間食をしないことにし、朝食も抜くことにした。すると3カ月で、14キロ減量することができた。

たとえ1食でも、食事を抜くのはとても難しいと感じるかもしれない。でも、やっていくうちに、難なくできるようになる。それを苦もなくできるようになったら、次はダンベルの重さを増していくように、ファスティングの時間を増やしていくといい。

体が食べ物からではなく体脂肪からエネルギーを得るのに慣れていくにつれ、難なくファスティングができるようになっていく。じっさい、お腹が空いたと感じなくなるので、ファスティングをしていることに気づかないこともあるだろう。

 

イヴ・メイヤー(Eve Mayer)
作家、起業家、コンサルタント。企業のコア・バリューや マーケット構築、ダイバーシティ経営についてのアドバイスを行うコンサルタントとして活躍している。24年間、三度の減量手術も含めた数々のダイエットに挑戦するなど肥満に悩んでいたところで〈ザ・ファスティング・メソッド〉と出合い、肥満と体調を改善させた経験者。主な著書に「Social Media for the CEO(CEOのためのソーシャルメディア)」「The Social Media Business Equation(ソーシャルメディアを活用した ビジネスの方程式)」「Get It Girl Guide(女の子のための デートガイド)」がある。

メーガン・ラモス(Megan Ramos)
臨床研究者。ファスティングと低炭水化物療法を用いたセラピーを行い、これまで世界で1万4千人以上にアドバイスをしてきた。 〈インテンシブ・ダイエタリー・マネジメント〉と〈ザ・ファスティング・メソッド〉の共同発足者として、健康教育とサポートに従事している。NPO〈パブリック・ヘルス・コラボレーション・ カナダ〉のディレクターのほか、「ジャーナル・オブ・インスリン・ レジスタンス」誌の編集委員も務めている。

『トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング』
 ジェイソン・ファン 、イヴ・メイヤー、メーガン・ラモス[著]
 多賀谷 正子[訳]
 CCCメディアハウス[刊]

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