マーサ・マクハーディ
<トランプ氏の支持率は52%。しかし、それを上回る4人のリーダーがいる。その圧倒的な支持の背景とは?>
ドナルド・トランプ氏の支持率は、世界の主要指導者のほとんどを上回っていることが、新たな世論調査で明らかになった。
1月21日から27日にかけてMorning Consultが実施した調査によると、トランプ氏の支持率は世界の指導者のうち4人を除いてすべてを上回った。
トランプ氏の支持率が他の世界の指導者と比較して高いことは、彼の政治的影響力が国内外で依然として強いことを示している。
調査によると、トランプ氏の支持率は52%で、38%が不支持を示し、10%が「わからない」と回答した。
トランプ氏を上回ったのは、スイスのカリン・ケラー=ズッター大統領、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領、インドのナレンドラ・モディ首相の4人だけだった。
中でもモディ首相は最も高い支持率を誇り、75%が支持、19%が不支持と回答した。次いでシェインバウム大統領が66%の支持率(不支持26%)を記録した。
ミレイ大統領は支持率65%、不支持率30%で続き、ケラー=ズッター大統領は支持率56%、不支持率20%だった。
最も不人気な指導者は?
一方、最も支持率が低かった指導者の一人はカナダのジャスティン・トルドー首相で、22%が支持、71%が不支持と回答した。トルドー氏は先月、自身の所属政党内から辞任を求める声が高まり、退任を発表した。
ドイツのオラフ・ショルツ首相やフランスのエマニュエル・マクロン大統領も低評価だった。ショルツ首相は支持率20%、不支持率74%、マクロン大統領は支持率18%、不支持率76%という結果だった。
しかし、さらに不人気だったのは韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領だった。尹氏は最近、戒厳令を宣言し、国会議員が北朝鮮を支援していると非難したことで弾劾を受け、一時的に職務を停止された。国会が緊急動議を可決し、戒厳令を無効化した後、尹氏は撤回を余儀なくされた。調査では、尹氏の支持率は17%、不支持率は75%だった。
最も支持率が低かったのはチェコのペトル・フィアラ首相で、支持率16%、不支持率77%だった。フィアラ氏は2021年から政権を担っているが、財政問題により人気が急落している。昨年11月には、大規模な予算削減と増税を含む経済対策を法律として成立させたが、これは「増税しない」との公約に反するものだった。
なぜトランプ氏は人気なのか?
トランプ氏の世界的な人気は、彼の国内での支持率の上昇と連動している。エマーソン・カレッジが1月27日から28日にかけて実施した調査(対象:登録有権者1,000人)によると、トランプ氏の支持率は49%、不支持率は41%だった。この調査の誤差範囲は±3ポイント。
この数字は、トランプ氏の1期目と比較して上昇している。エマーソン・カレッジの調査では、2020年8月に支持率が48%に達したことがあったが、2021年1月に退任した際は、1月6日の議会襲撃事件の影響で34%まで低下していた。
今回の調査では、52%の有権者が「アメリカは正しい方向に進んでいる」と答えた一方、48%が「間違った方向に向かっている」と回答した。これは1月初旬の調査(「間違った方向」67%、「正しい方向」33%)からの大幅な変化だった。
また、トランプ氏の移民政策は国民の強い支持を得ている。ニューヨーク・タイムズ/Ipsosの調査(1月2日~10日)では、55%の有権者が彼の大量強制送還計画を支持し、88%が犯罪歴のある不法移民の強制送還を支持していることが判明した。移民制度が崩壊しているという認識は、民主党支持者と共和党支持者の間で共通している。
さらに、伝統的に民主党支持が多い層でも、トランプ氏の支持が増加している。1月21日から23日にかけて行われたAtlasIntelの調査では、黒人有権者の69%がトランプ氏の職務遂行を支持しているのに対し、白人有権者では50%だった。同じ調査では、黒人有権者の72%が移民問題をアメリカの主要課題と見なしていることも明らかになった。
エマーソン・カレッジの最新調査では、トランプ氏は70歳以上を除くすべての年齢層でネット支持率がプラスだった。特に18歳から29歳の若年層では支持率46%となり、民主党寄りとされるZ世代からの支持も一定程度得ていることが示された。
しかし、支持率が上昇しているとはいえ、トランプ氏は依然として歴代大統領の中で最も不人気な部類に入る。最新のギャラップ調査によると、1953年以降に選出された大統領の中で、就任時に50%未満の支持率だったのはトランプ氏だけだ。
世論調査の専門家は「新大統領が就任すると『ハネムーン期間』として支持率が一時的に上がることが一般的であり、今後変動する可能性が高い」と指摘している。
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの米国政治センター所長で政治学准教授のトーマス・ギフト氏は、Newsweekの取材に対し、「現在のトランプ氏の人気の大部分は、いわゆるハネムーン期間の影響だ」と分析した。
「政権発足当初は、指導者に対する敬意が一定程度払われるが、時間が経つにつれて薄れていく。しかし、トランプ氏の支持率の上昇を単なるタイミングの問題と片付けるのは適切ではない。彼は多くの主要な投票層で大幅な改善を見せている。現在のアメリカでは反現職の風潮が強く、ポピュリズムや国家主義への期待が高まっている。トランプ氏の最初の数週間を見ても、彼は驚異的なスピードでワシントンの政治を揺るがしている」と語った。
ボストン大学社会科学部のアンドリュー・デイビッド准教授は、「この数字はトランプ氏個人にとっては確かに印象的なものだが、政権発足時点としては当然のレベルだ」と指摘した。
オックスフォード大学の大統領史研究者であるローラ・スミス氏は、「トランプ氏は、人々に自らの利益に反する投票をさせることに成功している。しかし、やがて現実が見えてきて、世論調査の結果も変化するだろう」と述べた。
<トランプ氏の支持率は52%。しかし、それを上回る4人のリーダーがいる。その圧倒的な支持の背景とは?>
ドナルド・トランプ氏の支持率は、世界の主要指導者のほとんどを上回っていることが、新たな世論調査で明らかになった。
1月21日から27日にかけてMorning Consultが実施した調査によると、トランプ氏の支持率は世界の指導者のうち4人を除いてすべてを上回った。
トランプ氏の支持率が他の世界の指導者と比較して高いことは、彼の政治的影響力が国内外で依然として強いことを示している。
調査によると、トランプ氏の支持率は52%で、38%が不支持を示し、10%が「わからない」と回答した。
トランプ氏を上回ったのは、スイスのカリン・ケラー=ズッター大統領、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領、インドのナレンドラ・モディ首相の4人だけだった。
中でもモディ首相は最も高い支持率を誇り、75%が支持、19%が不支持と回答した。次いでシェインバウム大統領が66%の支持率(不支持26%)を記録した。
ミレイ大統領は支持率65%、不支持率30%で続き、ケラー=ズッター大統領は支持率56%、不支持率20%だった。
最も不人気な指導者は?
一方、最も支持率が低かった指導者の一人はカナダのジャスティン・トルドー首相で、22%が支持、71%が不支持と回答した。トルドー氏は先月、自身の所属政党内から辞任を求める声が高まり、退任を発表した。
ドイツのオラフ・ショルツ首相やフランスのエマニュエル・マクロン大統領も低評価だった。ショルツ首相は支持率20%、不支持率74%、マクロン大統領は支持率18%、不支持率76%という結果だった。
しかし、さらに不人気だったのは韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領だった。尹氏は最近、戒厳令を宣言し、国会議員が北朝鮮を支援していると非難したことで弾劾を受け、一時的に職務を停止された。国会が緊急動議を可決し、戒厳令を無効化した後、尹氏は撤回を余儀なくされた。調査では、尹氏の支持率は17%、不支持率は75%だった。
最も支持率が低かったのはチェコのペトル・フィアラ首相で、支持率16%、不支持率77%だった。フィアラ氏は2021年から政権を担っているが、財政問題により人気が急落している。昨年11月には、大規模な予算削減と増税を含む経済対策を法律として成立させたが、これは「増税しない」との公約に反するものだった。
なぜトランプ氏は人気なのか?
トランプ氏の世界的な人気は、彼の国内での支持率の上昇と連動している。エマーソン・カレッジが1月27日から28日にかけて実施した調査(対象:登録有権者1,000人)によると、トランプ氏の支持率は49%、不支持率は41%だった。この調査の誤差範囲は±3ポイント。
この数字は、トランプ氏の1期目と比較して上昇している。エマーソン・カレッジの調査では、2020年8月に支持率が48%に達したことがあったが、2021年1月に退任した際は、1月6日の議会襲撃事件の影響で34%まで低下していた。
今回の調査では、52%の有権者が「アメリカは正しい方向に進んでいる」と答えた一方、48%が「間違った方向に向かっている」と回答した。これは1月初旬の調査(「間違った方向」67%、「正しい方向」33%)からの大幅な変化だった。
また、トランプ氏の移民政策は国民の強い支持を得ている。ニューヨーク・タイムズ/Ipsosの調査(1月2日~10日)では、55%の有権者が彼の大量強制送還計画を支持し、88%が犯罪歴のある不法移民の強制送還を支持していることが判明した。移民制度が崩壊しているという認識は、民主党支持者と共和党支持者の間で共通している。
さらに、伝統的に民主党支持が多い層でも、トランプ氏の支持が増加している。1月21日から23日にかけて行われたAtlasIntelの調査では、黒人有権者の69%がトランプ氏の職務遂行を支持しているのに対し、白人有権者では50%だった。同じ調査では、黒人有権者の72%が移民問題をアメリカの主要課題と見なしていることも明らかになった。
エマーソン・カレッジの最新調査では、トランプ氏は70歳以上を除くすべての年齢層でネット支持率がプラスだった。特に18歳から29歳の若年層では支持率46%となり、民主党寄りとされるZ世代からの支持も一定程度得ていることが示された。
しかし、支持率が上昇しているとはいえ、トランプ氏は依然として歴代大統領の中で最も不人気な部類に入る。最新のギャラップ調査によると、1953年以降に選出された大統領の中で、就任時に50%未満の支持率だったのはトランプ氏だけだ。
世論調査の専門家は「新大統領が就任すると『ハネムーン期間』として支持率が一時的に上がることが一般的であり、今後変動する可能性が高い」と指摘している。
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの米国政治センター所長で政治学准教授のトーマス・ギフト氏は、Newsweekの取材に対し、「現在のトランプ氏の人気の大部分は、いわゆるハネムーン期間の影響だ」と分析した。
「政権発足当初は、指導者に対する敬意が一定程度払われるが、時間が経つにつれて薄れていく。しかし、トランプ氏の支持率の上昇を単なるタイミングの問題と片付けるのは適切ではない。彼は多くの主要な投票層で大幅な改善を見せている。現在のアメリカでは反現職の風潮が強く、ポピュリズムや国家主義への期待が高まっている。トランプ氏の最初の数週間を見ても、彼は驚異的なスピードでワシントンの政治を揺るがしている」と語った。
ボストン大学社会科学部のアンドリュー・デイビッド准教授は、「この数字はトランプ氏個人にとっては確かに印象的なものだが、政権発足時点としては当然のレベルだ」と指摘した。
オックスフォード大学の大統領史研究者であるローラ・スミス氏は、「トランプ氏は、人々に自らの利益に反する投票をさせることに成功している。しかし、やがて現実が見えてきて、世論調査の結果も変化するだろう」と述べた。