藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・=21)が挑戦者の山崎隆之八段(43)に先勝した、将棋のヒューリック杯第95期棋聖戦5番勝負第2局が17日、新潟市「高志の宿 高島屋」で行われた。
午前9時から始まった対局は先手の藤井が勝って、連勝。棋聖戦5連覇と、通算5期獲得の条件を満たして初の永世称号となる「永世棋聖」の獲得まであと1勝とした。第3局は7月1日、名古屋市「亀岳林 万松寺」で行われる。
藤井が照準を定めた。山崎が跳ねた桂が攻撃目標だ。向かい飛車にした挑戦者に対して持久戦志向で進めていたが、ギアを切り替えた。開幕局に続いて白星をもぎ取った。
相手の指し手に応じて緩急、攻防に自在な対応を見せた。独特の指し回しで定跡にとらわれない「山崎ワールド」を想定し、うまく時間を配分した。対局前日、「第2局も定跡から外れて力が問われるような将棋になるかなと思っているので、その中でうまく指していけるように集中して頑張りたいと思います」と話していた。その言葉どおりだった。
3年連続の高島屋対局。金属洋食器の生産で有名な隣の燕市から、今年はナイフとフォークのセットをもらった。「昨年いただいた包丁は私には扱えなかったんですが、今回はナイフとフォークのセットということで、自宅でも使ってみたいと思います」と16日の開会式でスピーチして笑わせた。1日経過した対局では、駒を柔軟に使いこなして勝利へとつなげた。