19日に3年ぶりに国会で行われた党首討論で、岸田文雄首相が、立憲民主党の泉健太代表から衆院解散、日本維新の会の馬場伸幸代表からは内閣総辞職を求められる場面があった。首相はいずれの要求も拒否し、「先送りできない課題に専念することに全力を注いで参ります」などと、引き続きの政権運営に意欲を示した。
泉氏は持ち時間の最後に、政治とカネの問題を争点にした上で「解散して国民に信を問おうじゃないですか」と首相をただしたが、首相は「結果をだしていくことに専念していかなければならない。それ意外のことが考えていない」と拒んだ。首相の答弁中に泉氏の持ち時間を超過してしまう場面もあり、委員長の配慮で時間を追加してもらった泉氏は、最後にもまた「解散しましょうよ」と呼びかけた。
一方、馬場氏は「岸田内閣はもう万策尽きている。立憲民主党は解散を迫ったが、落ち込んでいる時に間隙(かんげき)を突くようなそんなことはしない。明日、あさってに、もう内閣総辞職をして総理を替えてほしい。責任をもって仕事をできる総理にバトンを渡して欲しい」と、内閣総辞職を求めた。
しかし首相は「退陣のご要望だが、今先送りできない課題に専念することに全力を注いで参ります」と繰り返した。
12年前の2012年11月の党首討論では、当時の民主党政権の野田佳彦首相が、野党自民党の安倍晋三総裁に、自ら衆院解散宣言をして、その後の自民党の政権交代につながった。
今回、岸田首相は解散要求も退陣要求も突っぱね、政権継続に強い意欲を示したが、自民党内でも退陣論が出ていることもあってか、自民席から大きな拍手は起きなかった。