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東京五輪贈賄容疑で起訴の角川歴彦前会長「人質司法」国を訴える「自分は拷問を受けたと感じた」

日刊スポーツ 2024年6月27日 13時55分

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、贈賄容疑で22年9月に東京地検特捜部に逮捕・起訴された、出版大手KADOKAWAの角川歴彦前会長(80)が27日、裁判で無罪を主張するほど身体拘束が長引く「人質司法」は憲法違反だとして、国に2億2000万円の損害倍賞を求める国賠訴訟を起こした。

角川氏は、東京拘置所の3畳間で、排せつを含む生活全体を24時間監視され、名前でなく番号で呼ばれ、226日間も勾留されたなどと語り「僕は拷問という言葉は使いたくなかったが、やはり、自分は拷問を受けたと感じた」などと訴えた。

会見の冒頭で、弁護団長の村山浩昭弁護士は、今回の公共訴訟と、角川氏が被告人である東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件とは別の裁判だと強調。「刑事裁判は進行していますが、全く別の裁判。刑事裁判に関わる事項については一切、お答えしません。また呼称の問題にしても、確かに刑事裁判としては被告人と呼ばれても仕方ないと私は思うが、この裁判においては原告。呼称についてはご理解をいただきたい」とメディアに、今回の裁判においては角川氏を被告という呼称で発信することについて、一考するよう促した。

角川氏は「私は、KADOKAWAの創業者の息子として生まれて80年。市井の知識人として、企業人として社会に恥じない生活をしてきたという確信があり、矜持(きょうじ)それを破るようなことが起こった。私はとても納得できませんけども、裁判で答えていきたい。併せて、ホテルのベッドルームで手錠をかけられ、東京拘置所に連行された。なぜ私に国家権力が行使されるか、納得できないまま人権訴訟に至った」と訴訟を起こした思いを語った。

その上で「世界を代表する大都市・東京から隔離された東京拘置所という場所があるのを、身をもって体験した。24時間管理、100%のプライバシーのない生活は、どういうものなのか?」と声を大にした。その上で「監獄というのは古い時代の言葉だと思っていたけれども、現実には日本は09年まで監獄法という言葉も使われていた。つい最近まで監獄だと思っていたところに入ってくる人は、皆、囚人として扱う。3畳半の独房の中で、100%光を遮断する申し訳程度の窓の中、押さえられた自分の経験…私は取り調べ調書にサインしなかったが、ひどい経験をしたと申し上げたいのではなく、全て皆、同じ経験をしているはず」と声を大にした。そして「皆さんにとっても人ごとではなく、社会人として生きていればそういうところに立ち入るリスクは起こりうると共有し、主張を理解いただければありがたい」と呼びかけた。

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