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孫正義氏「知識人が『なんちゃって』で非難」の現状憂う…進化に心を開かないと「日本はヤバイ」

日刊スポーツ 2024年6月30日 13時33分

ソフトバンク孫正義会長兼社長(66)が30日放送のTBS系報道番組「サンデーモーニング」(日曜午前8時)にコメンテーターとして初出演し、米大統領選、AI開発などの時事問題についてコメントした。

青いジャケット姿でスタジオに座った孫氏は、冒頭に膳場貴子キャスターから「今朝は新しい、初めてのお客さまをお迎えしています。孫正義さんです。ご存じですね、ソフトバンクグループの会長兼社長でいらっしゃいます」と紹介されると、ほほえみながら「よろしくお願い致します」とあいさつした。

その後、AIの開発競争激化が話題に。詐欺行為や軍事利用されるなどのリスクの一方で、農業の後継者不足を解消したり、胃がんの早期発見を支援するテクノロジーなども紹介された。ソフトバンクグループが、米国の全がん患者の半数にあたる770万人の医療データを2000の病院から提供を受け、また国内13病院とも提携し、AIで医療データを解析してがん治療に役立てる計画を発表したことも伝えられた。

孫氏はAIの進化について「4年間で1000倍になったんです。能力が」と断言。「チップの数が10倍に、チップあたりの能力が10倍、それを扱うモデルソフト、これも10倍」と説明した。さらに「すごいのは、ここから4年間でもう1回、1000倍になる」と予告。「もっとすごいのは、そこから4年間でさらに1000倍になる」と続け、「オリンピック3回分は我々のマイルストーンに入っているから見えている。我々の開発の現場では、1000倍×1000倍×1000倍で10億倍」と語った。

孫氏は「今から3回のオリンピックで、人類の走る能力は10%くらい伸びるかもしれないけど、コンピューター、AIの英知は10億倍になるわけです」とあらためて確認し、現在のAIが米国の医師国家試験に合格するレベルであることも紹介。「これを『AIなんてなあ』『人間が作った物を人間が超えることなんてない』」との声があることも残念がった。

番組冒頭で、この30年間、日本から世界をリードするテクノロジーがあまり出ていないことを指摘していた孫氏は、「失われた30年を日本がもう1回、繰り返したくないのであれば、目をバーーンと開かなきゃダメですよ」と力説。右手を振り下ろすようにして「知識人が上から目線で、なんちゃってで言うんですよ、知ったかぶりで。『あんた専門家か?』って言いたいですよ。専門家でもないのに、知ったかぶりして上から非難するんじゃない。もっと心を開いて、素直に真正面から、進化に対して純粋に取り組まないと、日本はヤバイですよ」と、持論を展開した。

その後も口調は熱を帯びる中、膳場貴子キャスターが恐縮しながら「すみません…いつまでもお話をうかがいたいんですけど」と、CM入りのタイミングを探ると、孫氏も「すいません、興奮しちゃって。ついつい熱くなっちゃって」と軟らかい笑顔に戻った。

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