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磯村勇斗「めくらやなぎと眠る女」アフレコで「体がジョジョになった」その理由は…

日刊スポーツ 2024年7月1日 19時40分

磯村勇斗(31)が1日、東京・グランドシネマサンシャイン池袋で行われた、フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ合作の長編アニメーション映画「めくらやなぎと眠る女」(ピエール・フォルデス監督、26日公開)日本語版完成披露上映会に登壇した。

今作は、通常のアニメのアフレコとは違い、俳優が劇中のキャラクターの動きと同じ動きをしつつ、声を当てる手法が採られた。磯村は「(演技で)寝転がっている時、せりふが多い時は半々くらいは覚えているけれど、台本をどこに置いたらいいか…」と、アフレコ時の台本の置き方に苦慮したと吐露。「リアリティを追及するあまり(体勢が)ジョジョのようになった」と、人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのキャラクターのような、特異な動きになったと明かした。

「めくらやなぎと眠る女」は、音楽家でアニメーション作家のフォルデス監督が、作家の村上春樹氏(75)の81年「かいつぶり」、86年「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、95年「めくらやなぎと、眠る女」、99年「かえるくん、東京を救う」「UFOが釧路に降りる」、02年「バースデイ・ガール」の、6つの短編を翻案した作品。

日本語版は、深田晃司監督(44)が演出に入った。フォルデス監督も来日し、現場に立ち会ったが、2人の方向性は大筋コンセンサスが取れていたものの、磯村は「不思議な現場…面白かった」と評した。その上で「ピエールさんが英語で演出する中で、違ったら演出していく。深田さんも、ご自身の演出がある。2人の言っていることが違うな…と板挟みになっていた」と明かした。そして「悩んだりもした。外国版の感覚と、深田さんの日本的な感覚が合わさったものができたと思うし、新しいものができたんじゃないか、と。いい映画ですよ」と笑顔で強調した。

作品の舞台は、2011年(平23)3月11日の東日本大震災発生直後の東京。磯村は劇中で、銀行の融資課で働く小村を演じた。玄理(37)演じる妻のキョウコに突然、失踪された上、職場でも融資課の業務を外注に回すからと、早期退職の話まで受け、ぼうぜんとしつつも1週間の有給休暇を取った。その中で、同僚から依頼されて妹に中身の知れない小箱を届けるために北海道・釧路へと向かう役どころだ。

この日は、2メートルもの巨大な「かえるくん」から、次の地震から東京を救おうと持ちかけられる小村の同僚の片桐を演じた、塚本晋也(64)も登壇した。塚本は「私は普段、吹き替えじゃなくオリジナル言語版を見ます。今回のは、日本版が良いと思いますね。後からついた違和感がなく完全に合体しているので。体で感じればいいと思う。それほど手応えがある」と胸を張った。

◆「めくらやなぎと眠る女」 2011年の東京。東日本大震災から5日後、刻々と被害を伝えるテレビのニュースを見続けたキョウコは、置き手紙を残して小村の元から姿を消した。妻の突然の失踪にぼうぜんとする小村は、図らずも中身の知れない小箱を女性に届けるために北海道へ向かうことになる。同じ頃のある晩、小村の同僚の片桐が家に帰ると、そこには2メートルもの巨大な「かえるくん」が待ち受けていた。かえるくんは迫りくる次の地震から東京を救うため、控えめで臆病な片桐に助けを求めるのだった。めくらやなぎ、巨大なミミズ、謎の小箱、どこまでも続く暗い廊下…大地震の余波は遠い記憶や夢へと姿を変えて、小村とキョウコ、そして片桐の心に忍び込む。人生に行き詰まった彼らは本当の自分を取り戻すことができるのだろうか。

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