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尾野真千子「川に投げ付けられ牛乳かけられた」20年来“兄妹”結城貴史初監督作で初共演の思い…

日刊スポーツ 2024年7月3日 21時7分

日本、フィリピン合作映画「DitO(ディト)」(26日公開)完成披露上映会が3日、都内で行われた。監督デビューを果たした主演の結城貴史(48)は、俳優として20年来の付き合いがあり、妻役で初共演した尾野真千子(42)と、10代の頃から現場で知り合い、娘を演じた田辺桃子(24)とともに、日本で公開できる喜びを分かち合った。

「DitO」は、17年に別の企画でフィリピンに滞在した結城が、ボクシングの本場でトレーニングしようと、ボクシング史に残る名王者フラッシュ・エロルデゆかりの名門エロルデジムでトレーニングをした際、現地の若いボクサーに感銘を受け、日本に妻子を残した40代ボクサーの企画を着想。脚本の倉田健次氏もフィリピンに招き、脚本を開発。劇中で、日本に妻子を残して異国の地・フィリピンで再起をはかるプロボクサーの神山英次を演じた。撮影は20年1、2月にフィリピンで行ったが、コロナ禍による中断を経て、取り残していた3、4シーンの撮影を22年9月に終えた。結城が「大分、時間がかかったんで超感無量」と感慨深げに口にした。

尾野も「長かったね」とうなずいた。そして「22、23年前にCMのオーディションに行って2人は2時面接まで受かった。大阪で、連絡先を交換しての仲」と結城との出会いを振り返った。「川に投げ付けられたり、牛乳かけられました」と言うと、結城は「それを言うなよ。真千子は19歳…カチャカチャしているから」と苦笑した。

そんな2人だが、共演は「この20何年間、共演はない」(尾野)という。尾野は劇中で、神山の妻ナツを演じた。今作に出演について聞かれると「こそばゆかった…川にぶち込まれた仲なので。友達以上で、お互いの彼氏、彼女の話も出来る、全部見せました…兄妹の感じ」と、笑いながら結城との関係性を語った。その上で「『俺、この映画に描けてるよね』という、結城の映画に出て良いのか。プレッシャーも感じましたけど、結城貴史の転機になる映画なら20何年、一緒にやってきた意味があるのかなと」と共演した理由を吐露した。

監督・結城貴史について聞かれると「真面目なんですよ。(これまで)真面目じゃないところしか見ていないし、同窓会、これ? というくらいのスタッフで恥ずかしかったけれど…結城は真面目に向きあって、変にちゃちゃ入れられない。もどかしかった。イタズラしたかったけど」と笑いながら語った。結城も「それは、そう(真面目)だろうよ。(共演)俺は狙っていた」と笑みを浮かべた。

劇中で、生き別れた父・神山を探してフィリピンにやって来る娘の桃子を演じた田辺も、結城とは縁があった。「最初に結城さんとご一緒したのが、中学2年くらいの時。(結城が)作り手側でご一緒して(俳優同士として)お芝居ではご一緒しなかった。私のお芝居をを気に入ってくださって1度、舞台でご一緒した」と、結城との出会い振り返った。

結城は「(田辺と共演するなら)親子役しか、ないじゃないですか? 俺が(自分の作品を)ちゃんとやる時に(共演)と言っていたけど信じるわけもないけど」と、ほほ笑みを浮かべて田辺に視線を送った。

田辺は「1番は…誰も想像していなかった世界になる、ちょっと前の作っていた。完成する前に上映できないじゃないか? という不安があった」と、コロナ禍で上映できないのではないか? という不安があったと明かした。その上で「日本とフィリピンのチームと一緒になって作った。団結力があって(コロナ禍で)世界が落ち込んでも熱い熱量があって…。そんなチームに支えられ、完結しなくてどうしようとか考えていても、しょうがない。大の大人が大まじめに作りきるぞとやっていて…」と周囲の大人の熱さに背中を押されたと吐露。そして、目を潤ませながら「紡いできた時間が今日。良い意味で言葉を失う…ここまで信じて進んできて良かった。やっと、日本の皆さんに見ていただけるんだと…うれしい」と感無量の表情を浮かべた。

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