野田秀樹が作・演出・出演するNODA・MAP公演「正三角関係」が11日に東京芸術劇場で幕を開けます。
長澤まさみ、瑛太、竹中直人などNODA・MAP公演経験済みの出演者に加え、松本潤が初参加するのも話題です。
松本はもともとNODA・MAP公演への出演を熱望していました。野田の盟友だった18代目中村勘三郎さんの次男中村七之助とは堀越高の同級生だったことから、勘三郎さんにかわいがられ、その縁で野田とも交流がありました。20年ほど前には野田のワークショップに参加し、2006年には蜷川幸雄さん演出の野田作品「白夜の女騎士(ワルキューレ)」に主演しました。その後もNODA・MAP公演「MIWA」「逆鱗」などの初日に観劇に訪れており、私も客席でその姿を見たことがあります。
松本は昨年、NHK大河ドラマ「どうする家康」に主演し、今回が大河主演後の初仕事になります。東京公演後、北九州、大阪での公演を経て、ロンドン公演(10月31日~11月2日)が待っています。サドラーズウェールズ劇場で、以前、市川海老蔵(現團十郎)の英国公演の取材で訪れたことがありますが、現代的なゆったりとした劇場です。
松本の出演にはネットなどでいろいろな意見があったようですが、確実に言えるのは、松本人気をあてにしたものではないということです。松本が出なかったとしても、チケットが入手困難な人気公演です。野田が純粋に、俳優としての松本の実力を買っての起用でしょう。松本の舞台は蜷川さん演出の寺山修司作品「あ々荒野」以来、13年ぶりです。11日の初日に観劇する予定ですが、「カラマーゾフの兄弟」をモチーフにしたという「正三角関係」がどんな舞台になっているのか。そして、松本がどんな演技を見せてくれるのか。楽しみです。【林尚之】