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【ひふみんEYE】藤井聡太王位の対応際立った指し直し局 渡辺明九段の猛攻首の皮一枚しのいだ

日刊スポーツ 2024年7月7日 23時5分

<ひふみんEYE>

藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=21)に渡辺明九段(40)が挑む将棋の伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負第1局が6、7の両日、名古屋市の「徳川園」で行われ、千日手による指し直しの末、後手の藤井が136手で先勝した。

王位5連覇と「永世王位」の資格獲得(連続5期または通算10期)へ好スタートを切り、「永世棋聖」に続き、“ダブル永世”を狙う。第2局は17日に北海道函館市「湯元 啄木亭」で行われる。

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千日手指し直し局は相掛かりの最新型で、相当難解な一戦でした。双方1分将棋の指運勝負のなか、攻めも受けも両方考えなければいけませんでしたから。藤井王位の対応が際立っていました。

序盤は渡辺九段の踏み込みに対して、自玉に手を入れて守備陣形を組み直しています。チャンスと判断したら、竜を切る強手を結果的に成立させました。最後は渡辺九段の失着もありましたが、しっかり読んで猛攻をまさに首の皮一枚でしのいだ感じです。

千日手になった局は、仕掛けられず慎重に自重していました。逆に言えば、渡辺九段の指し回しがうまかったということです。藤井王位の仕掛けをうまく封じて受けに徹していました。それだけに、先手番での作戦を改めて練ってくる必要があると思います。

昨年6月の名人戦以来となる2人のタイトル戦ですが、実力は紙一重。第2局以降も注目です。(加藤一二三・九段)

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