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【都知事選】小池百合子知事3選「東京大改革をスピードアップ、バージョアップ 全身全霊で」

日刊スポーツ 2024年7月8日 7時48分

任期満了に伴う東京都知事選は7日、投開票され、現職の小池百合子知事(71)が3選を果たした。

「小池都政のリセット」を訴えた蓮舫前参院議員(56)や、人気の前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)ら55人を寄せ付けず、七夕大乱戦を制した。「都知事選で現職は負けない」“不敗神話”も守ったが、政治手法への批判もあり、有権者の厳しい視線が注がれる。投票率は60・62%で、前回20年を5・62ポイント上回った。

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過去2回の都知事選と同じく、午後8時の投票締め切り直後に当確が出た小池氏。新宿区の選挙事務所に、勝負カラーに近いエメラルドグリーンの上着姿で現れた小池氏は、支援者から花束を渡され、笑顔で支援への謝意を口にした。「あらためて改革をもっと進めろ、生活を支えてほしいという思いをいただいた。東京大改革をスピードアップ、バージョンアップするため、全身全霊でやっていきたい」と抱負を述べた。

2期8年の小池都政に対する事実上の信任投票。蓮舫氏らライバルの参戦に加え、小池氏への批判もかつてない強さ。以前の「小池劇場」は影を潜め「守りながら攻める」戦術を貫いた。

公務優先の方針を崩さず、「行政視察」と名付けた公務は18回。小池氏の公務を理由に告示後の候補者討論会が実現しないと蓮舫氏に暴露されたが、それでも公務と街頭活動の二刀流にこだわった。ゲリラ遊説や支援を受けた自民、公明両党などの組織固め、「AIゆりこ」も駆使。がっぷり四つに組もうとする蓮舫氏の作戦をかわし、自分のペースに持ち込んだ。所得制限なしの子育て支援策「018サポート」や、現職だからこそ説得力を持つ「首都防衛」を強く主張。「現職は負けない」都知事選の“不敗神話”を死守した。

一方、8年前の「7つのゼロ」公約の未達批判や、かっては自身が「ブラックボックス」と批判した意思決定をめぐる都政運営への不信も拡大。街頭では以前の小池氏の選挙ではなかった批判のヤジが飛んだ。小池氏は、混乱を極めた今回の選挙や4月の衆院東京15区補選を念頭に「法律(公選法)で想定されていた以上のことが起きている。妨害した方が勝ちというような選挙でいいのか。選挙は民主主義のプラットフォーム。国の法律としてご対応が必要かと思う」と訴えた。

これまで小池氏について回った国政復帰への「待望論」も、現段階では否定的な見方が多い。支援を受けた自民党との今後の関係にも注目が集まる。勝利はしたが、有権者からより厳しい目が向けられていることは、小池氏自身が理解しているはずだ。【中山知子】

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