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米ハリウッドからバイデン氏に撤退論が噴出 ジョージ・クルーニー「この大統領では…」

日刊スポーツ 2024年7月11日 9時23分

民主党支持者として知られる米俳優ジョージ・クルーニー(63)が10日、先月末に行われた米大統領選の第1回テレビ討論会で精彩に欠いたバイデン米大統領では選挙戦に勝てないと述べ、「撤退」を要求した。討論会で共和党候補のトランプ前大統領に完敗したことを受け、高齢不安に拍車がかかり、党内や支持者から撤退を促す声が上がる中、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された論説で「高齢」を理由に新たな候補の擁立を求めている。

クルーニーはこれまでの選挙戦で一貫してバイデン大統領を支持しており、6月中旬にはロサンゼルスで選挙資金集めパーティーを主催したばかりだった。女優ジュリア・ロバーツらそうそうたるスターが集結し、一夜にして3000万ドルを集めたが、討論会後は批判の矛先が向けられていた。

クルーニーは、「私はジョー・バイデンを愛している。上院議員、副大統領、そして大統領として。私は彼を友人だと思っているし、彼を信じている。彼の人格、道徳観を信じている。この4年、直面した多くの戦いに勝利してきた」と前置きした上で、「勝てない唯一の戦いは時間との戦い」と81歳という年齢に言及。「3週間前の資金集めパーティーで一緒にいたジョー・バイデンは、2010年の”大物”ジョー・バイデンではなかった。2020年のジョー・バイデンですらなかった。討論会で、私たち全員が目撃したのと同じ人物だった」とつづり、討論会の夜の不調はその日だけではなかったと明かした。続けて、「この大統領では11月の選挙で勝てないだけでなく、下院でも勝てず、上院でも負けるだろう」と話し、盛り上がる撤退論の支持を表明した。

ハリウッドでは、反トランプ派で知られるオスカー受賞のドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーア氏も、自身のポッドキャスト番組でテレビ討論会のバイデン大統領について「最も残酷な形の高齢者虐待」と言及したばかり。「81歳の老人を夜の9時にステージに送り出し、10時42分まで終わらない怪物との乱闘させる人がいるだろうか」「ジョー・バイデンのために立ち上がり、私が高齢者虐待から彼を守る唯一の人物でなければならないのであれば、私はそうする」とコメント。「バイデンをほっておいてくれ。休ませてやってくれ。家に帰してやれ。彼は仕事をやり遂げた」と、大統領の重責からの解放を訴えている。

他にもエミー賞受賞俳優で、映画「恋人たちの予感」(89年)や「ミザリー」(90年)などで監督も務めているロブ・ライナー(77)も、X(旧ツイッター)で230万人のフォロワーに向けて「今回の選挙は民主主義そのものが危機に瀕していることを考えると、バイデンの退任は必須」だとコメント。「ふざけるのはやめよう」「有罪評決を受けた重罪人が選挙に勝てば、我々は民主主義を失う。ジョー・バイデンは名誉、品位、尊厳を持って国に奉仕してきた。辞任すべき時だ」とつづっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)

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