ドナルド・トランプ前大統領（78）が、バイデン米大統領に大統領選からの撤退を求めた俳優ジョージ・クルーニー（63）に「テレビに戻れ」とかみついた。
クルーニーは10日、先月末に行われた米大統領選の第1回テレビ討論会で共和党候補のトランプ氏と対峙したバイデン大統領が精彩を欠いていたことを受け、ニューヨーク・タイムズ紙の論説で「老いには勝てない」と述べ、選挙戦から撤退すべきだと表明した。
トランプ氏はこの報道を受け、自身のSNSトゥルース・ソーシャルを更新。「今度は素晴らしい映画を作ることさえできない偽物の俳優ジョージ・クルーニーが、撤退を求めた。2人とも卑劣なやつであるように、犯罪者のジョーを裏切った」とクルーニーを攻撃。「クルーニーはいったい何を知っているのか？」とつづり、「米国史上最悪の大統領であるバイデンが、“我々の民主主義を救った”という民主党の論点を利用している。いや、悪徳ジョーこそが、政治的対立相手に対して法執行機関を武器化し、わが国史上最も壊滅的なインフレを引き起こした」などと述べてバイデン大統領を攻撃した。
バイデン大統領は民主主義を救ったのではなく、民主主義を屈服させたと持論を展開したトランプ氏は、「クルーニーは政治から身を引いて、テレビに戻るべきだ。映画は彼にとって決してうまくいっていない！！！」と、民主党の強力な献金者として知られるクルーニーを皮肉った。
クルーニーは討論会の直前に、ロサンゼルスで選挙資金集めパーティーを開催し、一晩で3000万ドルを集めたばかりだった。クルーニーは、論説でパーティーでのバイデン大統領について「2020年のジョー・バイデンでさえなかった。討論会で私たち全員が目撃したのと同じ人物だった」とつづり、バイデン大統領では11月の選挙戦に勝つことはできないと述べていた。（ロサンゼルス＝千歳香奈子）