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橋口亮輔監督9年ぶり長編「お母さんが一緒」に自信「前回ガン無視だった」山田洋次監督が大絶賛

日刊スポーツ 2024年7月12日 20時45分

橋口亮輔監督が12日、東京・丸の内ピカデリーで行われた映画「お母さんが一緒」初日舞台あいさつで、、15年の前作「恋人たち」を評価せず「ガン無視」された山田洋次監督(92)から絶賛されたと安堵(あんど)した。

「お母さんが一緒」は、ペヤンヌマキが同年に発表した同名の舞台を脚色したドラマシリーズを、新たに再編集して映画化。江口のりこ(44)内田慈(41)古川琴音(27)が3姉妹役で、江口は親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹の長女弥生、内田は次女愛美、古川は三女清美を、それぞれ演じた。弥生は美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持ち、愛美は優等生の弥生と比べられてきたことを恨み、清美は姉2人を冷めた目で観察するが、ともに「母親みたいな人生を送りたくない」という共通の思いを抱える。そんな3人が、温泉宿で繰り出される母親への愚痴が徐々にエスカレートし、お互いを罵倒する修羅場へと発展する物語。撮影は23年9月に山梨県内で行われた。

キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位をはじめ、15年の国内の映画賞を席巻した「恋人たち」で知られる橋口監督にとって、同作以来9年ぶり長編監督作となった。舞台あいさつの最後に「本当に、この4人とお仕事できて良かったです。本当に忙しい4人ですので、まさかと思ったら、決まってエンジンがかかった」と、古川演じる清美の恋人を演じた、お笑いトリオ・ネルソンズの青山フォール勝ち(38)含め、出演を決めた俳優陣に感謝。「すごく充実した撮影ができて、映画って何だろうか、演出って何だろうか、物語って何だろう…とか、いろいろなことを考える時間があった作品になった」と感慨深げに撮影を振り返った。

その上で「今回は、何と…あの、あなた、奥さん、山田洋次監督、絶賛ですよ」と胸を張った。その上で「前回の『恋人たち』は、山田監督、ガン無視だったんですよ、マジで。何で? そんなにひどい? だって、国内の映画賞、総なめしましたよ、と思うんですけど」と言い、客席を笑わせた。さらに「何か、気に食わなかったんでしょうね…気に障ったんだと思います。ガン無視された。今回は『やっと、橋口君の作品が戻って来た』と気に入っていただいて」と笑った。

明日13日が橋口監督の61歳の誕生日で、俳優陣から思い思いのプレゼントやサプライズの報告が寄せられた。内田は、劇中で歌唱したDREAMS COME TRUEの「HAPPY HAPPY BIRTHDAY」を熱唱。青山は「サプライズで報告…というか、ざんげがあって。この映画は僕が(演技を)やっていても、笑っちゃうことがあった。新ネタライブで、いいボケが出てこなくて1こだけ、くだり、そのまま使っちゃいました」と“パクリ”を報告。古川は「雨が上がった後の森の中をイメージして調合された、大好きなお店の」せっけんを贈った。

江口は「人前で読むものじゃないですから。大分、抜粋して読みますから」と言いつつ、サプライズで手紙を朗読。「監督は、リハーサル初日に『この物語は、女たちが傷ついて、ケンカし合って、ボロボロになるんだけど、最後にむくなものが残ればいいね』と、おっしゃった。橋口さんの映画は橋口さんそのもの。大好きです」などと読んで締めた。青山から「もっと書いてるんじゃないですか? メチャメチャ抜粋してる」と追加の朗読を促されたが「恥ずかしいので」と言い、かわした。

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