大阪府の吉村洋文知事は15日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」（月～金曜午前8時）に生出演した。今年3月の大阪維新の会の会合で、同番組のコメンテーターを務める元テレビ朝日社員の玉川徹氏に対し、大阪・関西万博について「出禁」にすると発言し、その後謝罪＆撤回した経緯があるが、吉村氏は万博についてのパネル特集コーナーの冒頭で、玉川氏に自身の発言をあらためて謝罪した。
玉川氏は「謹んで謝罪はお受け致します」と応じた上で、吉村氏に質問を連続してぶつけた。「出禁」発言について「万博に批判的な人は来なくてもいいという発言ですらなくて、批判や疑問がある人は、むしろ排除するという話だった。そういうふうなお考えは、少しでもあったりするんですか」と指摘。吉村氏は「それはないです。ぜひ、多くの方に来てもらいたいし、批判的な意見や課題を指摘されるのは当然。それを受けて解決していくのも政治家の役割。この人に来てほしくない、というのはまったくない」と釈明した。
すると玉川氏は、「だとすると、考えにもないことを（出禁発言として）おっしゃったのか」と、追及。吉村氏は「政治集会の場で（の発言）。玉川さんのように批判的な意見はあるが、でもそれでも行きたいと思えるくらいの万博をやりたいと思いがある。課題や批判があっても、やった時には素晴らしいじゃないか、行きたいと反対派の人に思ってもらえるくらいの万博をやっていきたい。これは僕の本心です」と訴えた。
玉川氏が「思いはそうでも、出入り禁止という言葉が出てきた。そういう考えがないと出てこないのかと、僕はあのとき、思いました」と反論すると、吉村氏は「批判される玉川さんですら行きたいと思えるような場にしたいという思い」とした上で、「僕は実際に、玉川さんに現場に来てほしい。万博リングも批判を受けるのはいいんですが、実際にどういうものかを来て見てほしい。ぼくが案内しますから」と、現地取材を要請。「ぜひ来てもらって、そこで批判的な意見を言うのを含めてですが、実際に来てもらって議論を戦わせたい。多くの人に来てもらえるようにしたい。特定の人に来ないでくださいというつもりは、まったくないです」と、釈明に追われた。
吉村氏は今年3月の大阪維新の会のタウンミーティングで、木造リング（大屋根）をめぐり「今批判している、名前言いませんけど、モーニングショーの玉川徹。今批判するのはいいけど、入れさせんとこかと。入れさしてくれと、これ見たいって言っても、モーニングショーは禁止。玉川徹は禁止って言ったろかなと」などと発言。その後、この際の動画がSNSで拡散され、吉村氏に批判が殺到したことから、吉村氏は4月の会見で「いくら政治集会の場であっても、僕が言いすぎた。僕が間違っていた。（発言を）撤回して、玉川さんに謝罪します」と発言を撤回し、玉川氏に謝罪していた。