宝塚歌劇団の花組新トップ永久輝せあが16日、愛知・御園座で、主演ミュージカル「ドン・ジュアン」の開幕を迎え、熱い思いをファンに伝えた。
無事に初日を終えると、永久輝は「大きな拍手、この初日を迎えるまで1分1秒、無駄にはできないという思いできました。熱気を感じ取って頂けましたでしょうか?」と、客席のファンとのやりとりを楽しんだ。
再び大きな拍手を浴び「作品に携わる先生方の、作品に対する愛が濃い。その愛に導かれて、全員で初日を迎えられたこと、そして今日からたくさんのお客さまにこの作品を見て頂けることをうれしく思っています」とあいさつした。
就任後初作品で、実質的なトップ“お披露目”作は、次々に女をとりこにしていく希代のプレーボーイ役。女と酒、快楽をむさぼる男、ドン・ジュアンにふんした。
快楽に突き進む男も、彫刻家マリアと出会い、愛を知ったことで、破滅へと導かれていく。相手娘役に就いた新トップ娘役、星空美咲がマリアを演じ、新コンビで初作品に臨んだ。
「この作品は魔物のようなパワーがある。いくらあらがっても、ひきつけられる。気がついたら没入している。魂を震わせて千秋楽まで公演します」
カーテンコールにも複数回こたえ、永久輝はさらに思いを吐露。
「作品の大きな要素にフラメンコがあって、フラメンコを踏んでいると日頃の雑念が頭をかすめないゾーンに入り込む。もやもやが無くなってこれが愛だなーと感じる」と言い、花組の仲間らとも目線を合わせた。
今作の潤色・演出は生田大和氏で、前日は通し舞台稽古を終え、会話をかわしたことも明かした。
「昨日、生田先生に『忘れられない日にしようね』と言われました。私たちも今朝、『忘れられない日にしようね』と言いました。そして人生の中で忘れられない日なりました。ありがとうございました」とファン、スタッフ、仲間への感謝の思いを語った。
公演は同所で8月1日まで。