Infoseek 楽天

トランプ氏が暗殺未遂事件後初演説、党大会で指名受諾「社会の不和と分断を修復しなければ」

日刊スポーツ 2024年7月19日 15時18分

共和党の大統領候補に正式指名されたトランプ前大統領(78)は18日午後(日本時間19日午前)、米中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催中の共和党大会の最終日に、指名受諾演説し「私たちの社会の不和と分断を修復しなければならない」と国民に団結を訴えた。「私は米国全体のために立候補している。半分のために勝っても勝利にはならないからだ」とし「信念と献身をもって指名を受け入れる」と表明。バイデン大統領を批判しつつ、2期目の主要公約も披露したが、米メディアのファクトチェックでは、発言内容に少なくない虚偽も指摘された。

13日の暗殺未遂事件後、公の場での初めての演説に、内容を全面的に書き換えて臨んだという。負傷した右耳を白いガーゼのようなもので覆ったトランプ氏は「私は今夜、自信、強さ、そして希望のメッセージを携えてみなさんの前に立っている」と切り出し、まず事件を振り返った。「ヒューという音がした。右耳に何かが強くあたった。なんだと思った。手を当てると血みどろになっていて、銃撃されていると思い、伏せた。シークレットサービスが覆いかぶさってくれた。神は私の味方だと思い、安全だと感じた」。

その上で「一瞬、頭を動かしてなかったら、銃弾は当たっていた。私はここにいなかったでしょう」と述べ、自分を心配して現場から去らなかった観衆に感謝し、「大丈夫だと右の拳を掲げ、ファイトと声を上げた」と説明した。ステージには事件で犠牲になった消防士の消防服とヘルメットが置かれ、トランプ氏の呼びかけで黙とうもささげられた。

トランプ氏はその後「政治的な意見の違いで相手を悪にしてはいけない」「民主党は司法制度を武器にして、政敵を民主主義の敵と決めつけること、魔女狩りをやめるべきだ」と自分をめぐるさまざまな訴追などに言及した。続けて「どんな障害があっても引き下がらない、戦いをやめない。流れを変えなければならない。米国を再び偉大な国にしなければならない」と訴え、「この国は最悪のインフレに直面している。4年間に私の成功を今の政権が悲劇に変えた」とバイデン政権を批判。エネルギーコストを下げ物価を下げる、大規模減税を行う、不法移民対策で「就任初日に」国境を閉鎖する、など主な公約を説明した。

演説前には、バイデン大統領の名前は口にしない予定と報じられていたが、実際には「バイデンがやったことがどれほどひどいか」と触れ「この名前を出すのはこの1回だけだ」と断りを入れる場面もあった。またウクライナやガザなどの紛争を指し、バイデン氏が「世界の平和を紛争に変えた」や、米軍は素晴らしいとしながらも「トップだけがおかしい」とやゆする表現もあった。

演説が終わると、家族たちもステージに並び、一族の結束もアピールした。選挙戦と距離を置いてきた妻メラニアさんも、今回の党大会で初めて登場。トランプ氏の大統領在任中に補佐官を務めた長女イバンカさんは22年に「私生活を優先する」と表明以降、トランプ氏の政治活動と一線を引いてきたが、この日は姿をみせた。

この記事の関連ニュース