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勢い止まらぬ錦鯉人気の秘密 長谷川雅紀「結婚まあ考え中」渡辺隆「罵倒村、みりちゃむ天才」

日刊スポーツ 2024年7月21日 5時0分

M-1グランプリ2021王者、錦鯉の独演会ツアー「我が輩はバカである」が、26、27日に東京・新橋のニッショーホールの追加公演でファイナルを迎える。

5月25日の東京公演から日本全国8カ所9公演を行って来た。2021年(令3)暮れのM-1戴冠から2年半、いまだ衰えぬどころか、加速する人気の秘密に迫った。【小谷野俊哉】

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M-1優勝後、最大のツアーで北は札幌から南は福岡まで2カ月かけて日本全国を回ってきた。ツルツル頭に白いスーツのボケ長谷川雅紀(52)と、地味なスーツのツッコミ渡辺隆(46)。おじさん2人の勢いは止まらない。

その人気ぶりを渡辺は「あんまり、グーンといってる実感はないというか。とりあえず、M-1に優勝してからは、ずっとこの状態なので、いまだに実感が湧いていない。2年半で落ち着いて、自然と仕事が減るのかなとも思ってたんです。『覚悟しといた方がいいよ』とも言われていた。でも、なんか休みなしで働かせていただいていて。今の休みは月1くらいですかね」と振り返る。

長谷川は「優勝してから、体重が15キロぐらい増えちゃって。おなかも出て、いろいろと負担がかかってきた。最近、耳から血が出たりね。健康のためにも痩せなくちゃいけないと思ってるんですよ」。渡辺は「テレビで、過激なダイエット企画をしてほしいんですけどね。自分じゃ、できない人ですから。泊まりがけで何日間か行って、怒られながらダイエットに挑戦するやつあるじゃないですか。こっそり食べてるのが見つかって、ツルツル頭のおじいちゃんが怒られながら痩せれば、新しいコンテンツができる」と笑う。

稼げるようになって、渡辺は大好きなキャバクラ通いも順調だ。「もうライフワークですから。逆に飲まない方が調子悪いんじゃないかな」。元テレビ東京プロデューサー佐久間佐久間宣行氏(48)のYouTubeでは、ドM男のキャラでブレークした。「最初は多分、企画の趣旨には沿ってかったんじゃないかな。(村中の住民から行く先々で大声で怒鳴られる)罵倒村とかも、自分でも思いがけなかった。自分の中にある鉱脈を発掘してもらった。まさかコンテンツになるとはね。まあ、M-1取らなきゃ気付いてもらえなかったんですがね」。

ギャルタレントみりちゃむ(22)をはじめとする、渡辺をいじり、いじめ、罵倒して喜ばせるギャルたちも“芸達者”だ。渡辺は「なかなかできるもんじゃないと思う。みりちゃむは天才です。彼女たちのおかげですね」と感謝の言葉を口にする。

2年半の漫才の変化について、渡辺は「根本は変わってないと思うんです。そこも見どころかなと」。長谷川は「いい意味でも悪い意味でも、変わってない。だけど、やっぱり老いの感じは出てきた。52歳ですから、衰えは感じますよ。なんていうか、最初のあいさつの『こんにちは~』の声が伸び切れない」。追加公演について、渡辺は「特にはないかなあ。チケットが取れなかった人にね、見てもらえば」と話している。

渡辺から見て、長谷川の変化は「近くにいすぎて、気づいてないかもしれない。遠くから見てる人からは多分、変化とかがあるのかなと思います。でも本当、毎日一緒にいるから」。東京の実家で、仕事をリタイアした74歳の父親と2人暮らし。「そうですね、いつもどこに行くかは聞かれます。札幌行ったり、大阪行ったりで、先週は1日しか東京にいなかったから。なんですかね、お土産期待してるんだと思います」と笑う。

M-1王者として、年齢的にもお笑い界を背負っていく立場でおかしくない。渡辺は「背負わしてくれるんですかね。僕らにアドバイスを求めてくる若い人とかは、誰もいないですけどね。売れるまでが長かったから、反面教師的になってるんですね。これからのお笑いの芯を食っていく人がね、やっぱり早めに売れて芸能界でバンバン活躍してほしい。そして、支えてもらいたいなと思っています」。

長谷川には8年間、遠距離交際を続けている関西在住の40代の一般女性の恋人がいる。「結婚はまあ、ちょっと考え中ではあります。まだ別れてないです。向こうが、こっちに来たりして会っています。それより、趣味がないんで。そういう趣味的なもので、時間を使えるものが、ほしいなと思っています」。同じく独身の渡辺は「僕は何にもないですね。共演する女の子は、みんな娘の年ですから。話が、まず合わない」と話している。

漫才以外の仕事のオファーもある。長谷川は俳優業について「最初は、やってみたいと思いましたけど、やってみて大変さを知りました。同じことを何回も、カメラの前で繰り返さなきゃいけないじゃないですか。あと冬とかも、寒い中でやりますからね。チャンスというか、与えられたらもちろんやります。断りはしません」。

渡辺はABEMAのバラエティー「愛のハイエナ」でナレーターを務めた。「感情の入れ方とか、すごい勉強になる。ナレーションの面白さは言葉では説明しづらいんですが、魅力的。前は画面に出た方が絶対にいいだろうと思っていた。ナレーションだったら、ゲストで呼んでくれよぐらいだった。だけど場面、場面で意外と考えさせられるんです。僕はこう思ったんだけど、ディレクターの意図はこっちだなみたいに。ディレクターと同じ視点で見て、しかも自分と違う考え方もあるんだみたいな感じですね」。

長谷川は「アニメとか映画で、声優ならできるかと思ったら難しいんですよね。感情の込め方とか、字がよく読めない。意外と難しくてできなかった。身ぶり手ぶりで、動いていないとしゃべれない。そういう意味ではね、やっぱり漫才の染みついたものがあるんですね」。

長く苦しい下積みをへて、最年長で咲かせたM-1優勝の花。ちょっとやそっとでは、枯れはしない。実をならせ、幹を太らせ、咲かせ続ける覚悟だ。

◆錦鯉(にしきごい) 長谷川雅紀(はせがわ・まさのり)は1971年(昭46)7月30日、札幌市生まれ。高校卒業後、専門学校を中退してフリーター、ホストをへて「劇団しゃどうず」入団。94年(平6)に札幌吉本に所属してお笑いコンビ、マッサジルとしてデビュー。11年に解散。171・8センチ。血液型O。渡辺隆(わたなべ・たかし)は78年4月15日、東京都生まれ。99年にNSC東京に入学。00~04年にガスマスク、04~08年に桜前線でコンビ活動。170センチ。血液型O。12年にコンビ結成。

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