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【王座戦】永瀬拓矢九段が藤井聡太王座への挑戦権獲得「自玉詰まなければ勝ち」羽生善治九段破る

日刊スポーツ 2024年7月22日 20時27分

藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖=22)への挑戦権を争う、将棋の第72期王座戦挑戦者決定戦(主催・日本経済新聞社、日本将棋連盟)、羽生善治九段(53)対永瀬拓矢九段(31)戦が22日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。午前9時から始まった対局は、午後8時15分、後手の永瀬が114手で勝ち、挑戦権を獲得した。永瀬は前期4期連続で保持していた王座を藤井に奪われた。6年連続6回目の登場となる今回は、藤井と立場が入れ替わってのリベンジマッチとなる。第1局は9月4日、神奈川県厚木市「元湯陣屋」で始まる。

永瀬は最終盤、読み抜けがないように確認していた。108手目。持ち時間5時間のうち、残りは28分。このうち17分を投入して自玉の安全と、羽生陣の詰み筋を丹念に読んだ。後手6八桂成と踏み込み、次に後手5七金とした。「後手5七金と打って、自玉が詰まなければ勝ちだと思いました」。羽生の反撃にもしっかり対応して、投了に追い込んだ。

藤井の8冠全制覇がかかっていた昨年の王座戦5番勝負。永瀬が先に3勝して、5期連続で獲得すれば自身初の永世称号となる「名誉王座」がかかっていた。開幕局こそ制したが、2局目から3連敗。対戦相手で研究仲間でもある藤井を苦しめ、「逆のスコアでもおかしくなかった」と言わせたほどだった。

特に第4局は勝勢の将棋をひっくり返され、8冠の引き立て役となってしまった。自分に勝ちがあったと後から気づいて、両手で激しく髪の毛をかきむしった姿は記憶に新しい。

「改善してよい将棋を指したいと思います」。言葉少なだったが、復位にかける思いが伝わってきた。

【第72期王座戦5番勝負日程】

▽第1局 9月4日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」

▽第2局 9月18日、名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」

▽第3局 9月30日、京都市「ウェスティン都ホテル京都」

▽第4局 10月9日、神戸市「ホテルオークラ神戸」

▽第5局 10月31日、甲府市「常磐ホテル」

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