藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖=22)への挑戦権を争う、将棋の第72期王座戦挑戦者決定戦(主催・日本経済新聞社、日本将棋連盟)、羽生善治九段(53)対永瀬拓矢九段(31)戦が22日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。
午前9時から始まった対局は、午後8時15分、後手の永瀬が114手で勝ち、挑戦権を獲得した。永瀬は前期4期連続で保持していた王座を藤井に奪われた。6年連続6回目の登場となる今回は、藤井と立場が入れ替わってのリベンジマッチとなる。第1局は9月4日、神奈川県厚木市「元湯陣屋」で始まる。
永瀬は終局後、共同会見に応じた。そのなかで、挑戦者決定戦での敗戦が多いことに、「かなり多く負けてしまったので、ここで結果を出せることができてよかったのと、それが王座戦というのは運命を感じます」と話した。
藤井が初のタイトル挑戦を決めた2020年(令2)6月の棋聖戦挑戦者決定戦の相手は永瀬だった。その直後の王位戦挑決、翌21年の竜王戦挑決3番勝負も永瀬は藤井に敗れ、勝って挑戦者となった藤井はタイトルを奪取した。このほか、21年棋聖戦は渡辺明、同23年は佐々木大地、23年叡王戦は菅井、翌年は伊藤匠、23年竜王戦も伊藤と、ことごとく敗れている。22年棋聖戦以来、2年ぶりのの挑戦権獲得となる。
「歴代で見て、ほかの棋士にないくらい挑決で負けている。それが払拭できたわけではないですけど、傾向を変えることができたのがよかった」と、自ら納得するかのようだった。