Infoseek 楽天

永瀬拓矢九段が藤井聡太王座とのリベンジマッチ進出「少しずつ改善していっている」/一問一答

日刊スポーツ 2024年7月23日 11時58分

藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖=22)への挑戦権を争う、将棋の第72期王座戦挑戦者決定戦(主催・日本経済新聞社、日本将棋連盟)、羽生善治九段(53)対永瀬拓矢九段(31)戦が22日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。

午前9時から始まった対局は、午後8時15分、後手の永瀬が114手で勝ち、挑戦権を獲得した。永瀬は前期4期連続で保持していた王座を藤井に奪われた。6年連続6回目の登場となる今回は、藤井と立場が入れ替わってのリベンジマッチとなる。第1局は9月4日、神奈川県厚木市「元湯陣屋」で始まる。

永瀬は終局後、共同会見に応じた。その一問一答は以下の通り

-復位に向けて勝ち上がってきました

永瀬 前期は悔いが残る内容だった。ここに向けて精神的な未熟さで、自分としてダメージとして残ってしまった。自分の弱さとも向き合う機会になりましたし、思っていたより弱い部分が目立った1年だと思いました。

-今回はリベンジマッチ

永瀬 昨年の王座戦は、内容が良かっただけに悔いが残る内容になってしまいました。藤井さんとのタイトル戦は1年ぶりです。普段から将棋を教えていただいていますが、タイトル戦はひと味もふた味も違う。しっかり準備していきたいと思います。

-8冠から先月7冠に後退した藤井王座の現在の調子をどう見ていますか

永瀬 それをなかなか言及するのは難しい。最近、藤井さんと将棋を教えていただいても五分の成績になってきたので、一番よいという状態ではないのかなと思います。藤井さんは100点の手を指し続けることができた。それが最近できなくなっているということ。ただ、藤井さんのギアの上げ方、上がり方も知っているので、それがいつ上がるか。最近は伊藤匠さんに敗れたタイトル戦を見ても、藤井さんの側に評価地上はよしという点数が出ていて、今までではどんなに難解でも勝たれていた。そこで、100点の手を指せないと結果が逆になってしまうという場合があるので、叡王戦はそれを指せなかったという認識です。藤井さん自身は、いつもおだやかで謙虚ですばらしいかたというのは、変わらない。エラーの部分があるのかなと思います。

-自分の調子は?

永瀬 昨年と比べると、50~100くらいレーティングでは下げてる間隔はあります。昨年よりは精度が低いかなと思いますし、それでも挑決に進めることが多くありましたので、チャンスをつかめるかどうかだと思ったんですけど、レーティングは下げていると思います。

-昨年の王座戦を終えた後のダメージの状態と克服法は

永瀬 立ち直れたわけではないような気がします。どういうことが起きたかというと、トップ棋士で見ますと、私は精神的に弱い方に入る。藤井さんは精神的に強いですし、渡辺先生も近くにいてそんな感じがしますし。トップ棋士の中でみても精神的なもろさがあります。強い部分があると自負はしているんですけど、弱い部分が目立つというのがトップの戦いと思う。弱い部分があるからこそ、ダメージを深刻に受けてしまったという感触があります。ほかの方ですと、ダメージを受けずに消化したり糧にできたと思うんですけど、なかなかダメージがなくならない状態にしたのは自分自身のせいだと思っているので、弱い部分をちゃんと見つめ直さなければいけない。100%改善できているわけでは全然ないんですけど、少しずつ改善していっているつもりです。

-練習相手の藤井さんとの勝敗は

永瀬 圧倒的に負け越すか、少し勝ち越すかのどちらだったんですけど。五分というのはたまに現れる珍しい現象。それがまさに今、現れています。藤井さんはスコアはまったく気にしていませんし、内容を重視されていますので、結果は重要視してないかと思います。

-今年2月の朝日杯決勝で藤井さんに勝って、借りを3分の1返したと話しましたが

永瀬 借りという認識ではないんですけど。今回結果を出して、藤井さんに今までタイトル戦で勝ったことがないので、勝てるようにしたいと思います。

-今回のタイトル戦に向けて

永瀬 前期は内容としては奮戦できましたけど結果が出ませんでした。今期は結果、内容とも充実できればと思います。

この記事の関連ニュース