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“ブリティッシュ・ブルースのゴッドファーザー”ジョン・メイオールさん90歳で死去

日刊スポーツ 2024年7月24日 9時44分

“ブリティッシュ・ブルースのゴッドファーザー”と言われた、英国のミュージシャン・ジョン・メイオールさんが22日、米カリフォルニア州の自宅で90歳で亡くなった。23日(日本時間24日)にフェイスブックなど公式SNSが発表し、欧米の主要メディアが一斉に報じた。10月19日に米オハイオ州クリーブランドで開催予定の、今年、ロックの殿堂入りを果たしたことが4月に発表されていた。

メイオールさんの公式フェイスブックは「昨日2024年7月22日、愛する家族に囲まれ、カリフォルニアの自宅で安らかに息を引き取ったという知らせを、私たちは重い気持ちでお伝えします。ジョンの壮大なツアー・キャリアに終止符を打つことを余儀なくさせた健康問題は、ついにこの世界で最も偉大なロード・ウォリアーの一人に安らぎをもたらした」と、健康に問題があったと明らかにした。また「私たちメイオール・ファミリーは、この60年間、彼のファンや長きに渡るバンドメンバーたちのサポートと愛を、私たちが間接的に体験できたことに感謝してもしきれません」と家族のコメントも発表した。

メイオールさんは、1933年11月29日に英マンチェスターの近くで生まれ、10代の頃に父の影響でジャズ、ブルースなどの音楽に傾倒。14歳でマンチェスターのジュニアスクールオブアートに入学し、初めてピアノに触れた。美術学校で2年間学んだ後、大手デパートの美術部門に入社すると、レコードのコレクションを集め始めた。18歳の時に、当時、英国では徴兵制度があったため、兵役義務を果たすため、王立工兵隊に所属し英国南部と韓国で事務員として3年間、務める中、演奏活動を続けていた。

そして、30代に突入しようとしていた62年に、念願のバンド「ブルースブレイカーズ」を結成。ブルースロックというジャンルを生みだした。同バンドには、エリック・クラプトンやローリングストーンズでも活躍したミック・テイラーも在籍した。69年に米国で人気が爆発すると、カリフォルニア州に移住。アコースティックライブアルバム「The Turning Point」に収録された「Room To Move」は、後にロックの名曲として知られる。

年齢を重ねても、精力的に活動を続けたが、コロナ禍の22年3月に声明を発表。「パンデミックのリスクと高齢化のため、ツアーから引退する時が来たと決断しました。私の壮大なツアーの日々は終わりを迎えました。何十年にもわたる素晴らしいショー、私の音楽に対する皆さんの伝染するような熱意、そして私の多くの音楽的化身を通しての皆さんのサポートに感謝します」と、ツアーからの引退を表明した。そして「自分の好きなことをしながら人生を送り、そのすべてにおいて皆さんと一緒にいられたことは光栄でした。皆さんのいる場所には行けないかもしれませんが、ブルースへの愛を皆さんと共有し続けたいと思っています」としていた。

私生活では6人の子供、7人の孫、4人のひ孫に恵まれ、長男のギャズ・メイオールはスカ、レゲエの第一人者で、日本通としても知られる。

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